建築用断熱材の性能評価をJIS化し、建築物の省エネを促進!

2025.07.09 12:00
一般財団法人日本規格協会
一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)は、2025年6月20日に建築用断熱材の長期断熱性能の収束値評価方法に関する3つの日本産業規格(以下、JISという。)を発行いたしました。
このJISは、令和3年度から3年間、〔エネルギー需給構造高度化基準認証推進事業費 省エネルギー等国際標準開発[国際標準分野(新規対応分野)]〕によって、地方独立行政法人北海道立総合研究機構の鈴木大隆理事が委員長、断熱・保温規格協議会が事務局となるJIS原案作成委員会にて、原案を作成したものです。
JIS A 1491-1:2025
建築用断熱材の長期断熱性能の収束値評価方法-第1部:通則
Method for convergence value evaluating long-term thermal insulation performance of building insulation materials-Part 1: General rules

税込価格:2,420円 A4判 12頁
JIS A 1491-2:2025
建築用断熱材の長期断熱性能の収束値評価方法-第2部:発泡プラスチック系断熱材
Method for convergence value evaluating long-term thermal insulation performance of building insulation materials-Part 2: Rigid foamed plastic insulations

税込価格:2,860円 A4判 22頁
JIS A 1491-3:2025
建築用断熱材の長期断熱性能の収束値評価方法-第3部:繊維系断熱材(人造鉱物繊維断熱材及び有機繊維断熱材)
Method for convergence value evaluating long-term thermal insulation performance of building insulation materials-Part 3: Fiber-based insulation materials (man-made mineral fiber thermal insulation materials and organic fiber thermal insulation materials)

税込価格:2,420円 A4判 16頁
※規格類は価格が変更される場合がございます。ご了承ください。

【制定の背景】
脱炭素社会の実現に向けて、新築・既築を問わず、住宅及び非住宅建築物の省エネルギー化は喫緊の課題です。特に、建築物に必要なエネルギーの約30%を占める空調エネルギーの削減には、壁や屋根などの断熱・遮熱性能の向上が不可欠であり、現状よりも高性能な断熱材の普及と、その長期的な断熱性能の確保が求められています。

また、建築物の建設から解体・廃棄までに排出されるCO2排出量の削減という観点から、建築物の長寿命化が強く求められています。このため、長期にわたり安定した諸性能を確保し得る新たな材料開発が不可欠となり、断熱材製造業者(以下、製造業者)にとっては、汎用的かつ迅速な長期性能の予測手法の構築が必須となりました。

こうした背景のもと、建築用断熱材の断熱性能の評価方法として収束値(λconv:断熱性能の経時変化が収まった値)に着目し、グラスウールや木質繊維断熱材などの繊維系断熱材及び発泡プラスチック系断熱材を対象とした、「長期断熱性能の収束値評価方法」に関するJISを3件制定いたしました。

※建築用真空断熱材は、既にJIS A 9529に、長期性能に関する規定が含まれているため対象外。
※建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム(JIS A 9526)は、建築現場で断熱施工(吹付け作業)したものを断熱製品としているため対象外。

【制定の期待効果】
これらの規格の制定によって、促進試験による収束値の評価が可能となり、製品開発に係る時間コストなどを削減し、より長期断熱性能に優れた製品開発の促進につながります。また、高性能な建築用断熱材の製品化が加速し、市場競争力のある製品供給が期待できます。他にも、製造業者から提供される長期断熱性能の評価結果を、建築設計段階における断熱材選定の重要な参考情報として活用することで、建築設計の高度化が期待できます。


【規格概要】
これらの規格では、断熱材から試験用に切り出した平板状の試験片を用い、温度・湿度などの条件を設定した促進試験によって、断熱材の長期断熱性能を評価します。
評価方法には、1.断熱性能の変化の収束値(λconv)を直接求める(区分A:主に繊維系断熱材)方法、又は2.変化を推定して収束値(λconv)を求める(区分B:主に発泡プラスチック系断熱材)方法があります。
長期断熱性能の変化曲線の模式図を図1に、長期断熱性能促進試験での断熱材の様子を図2、熱伝導率測定の様子を図3に示します。
a) 区分A
b) 区分B

           図1-長期断熱性能変化曲線(出典:JIS A 1491-1)
長期断熱性能促進試験前
長期断熱性能促進試験後

             a) 繊維系断熱材(グラスウール断熱材)
長期断熱性能促進試験中

        b) 発泡プラスチック系断熱材
        図2-長期断熱性能促進試験での断熱材の様子
a) 繊維系断熱材
b) 発泡プラスチック系断熱材

                図3-熱伝導率測定の様子

各種断熱材の長期断熱性能促進試験の条件を、表1に示します。

         表1-各種断熱材の長期断熱性能促進試験の条件(概要)
●日本規格協会(JSA)グループについて
1945年12月に、標準化および管理技術の開発、普及、啓発などを目的に設立された、一般財団法人日本規格協会を中核とするグループです。
我が国の総合的標準化機関として、当グループでは、JIS、国際規格(ISO・IEC規格)、JSA規格の開発、JIS規格票の発行と販売、国際規格・海外規格の頒布、多彩なセミナーの提供、ISO 9001やISO 14001をはじめとする各種マネジメントシステムの審査登録、各種サービスに関する認証、マネジメントシステム審査員などの資格登録、品質管理検定(QC検定)といった多様な事業に取り組んでおります。

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