『想像以上のスゴイことが起こっている』との声、多数。~ 佐賀県嬉野の知る人ぞ知る伝統工芸「肥前吉田焼」、次の100年に向けた「よしださんち。」プロジェクト、2年目の成果。

2025.06.23 09:10
肥前吉田焼産地再生チャレンジ推進協議会
400年の伝統を持つ、知る人ぞ知る磁器産地、嬉野市『肥前吉田地区』。新しいプロジェクトがスタートして2年で、全国&世界からの関係人口爆増中です。今、ここで起こっていることを、まとめてお知らせします。
佐賀県嬉野市の吉田エリアの伝統工芸、肥前吉田焼の次の100年に向かっての新しいチャレンジをスタートして、2年が経ちました。

おかげさまで、たくさんの方から、吉田地区で面白いことが続々と起こっているとの感想をお寄せいただいております。その2024年度に進行したことについて、お知らせいたします。

(2023年度までについてはこちらです。


全ての施策において、一貫して取り組んでいる課題は、「若手の育成/増加」です。

肥前吉田焼は、約400年の歴史を持つ地域ですが、他の伝統工芸の産地同様、高齢化が進み、技の伝承や分業体制を保つのがこのままでは難しくなることが目に見えています。着手が10年、いや、5年遅れると手遅れになる。それくらいの危機に面していると考え、2023年度から、吉田焼の窯元を中心に、佐賀県、また県外の多ジャンルの方々の協力の元、産地の存続を懸けて始めました。

2年目の2024年度も、様々な施策を同時多発的に多重に進めてきました。その中から6つ、お知らせいたします。

1.嬉野市吉田地区に待望の「肥前吉田焼ギャラリー」が完成!
若手クリエイターや海外のアーティストとのコラボなど、実験的に生まれる新しい肥前吉田焼の
作品を、その産地である吉田地区で一堂に見ることができるギャラリーが完成しました。元々、
焼き物問屋だった古民家をリノベーション。古材の焦茶色に、白い磁器がよく映える空間になっ
ています。展示のほか、今後の肥前吉田焼の未来を考えるための勉強会やワークショップも開催
していく予定となっています。

住所:佐賀県嬉野市嬉野町大字吉田丁4006-2
左上:ギャラリー外観。左下:入り口の扉の取っ手も磁器。右:ギャラリー内観。現在はイベントやワークショップなどでの利用がメインとなっており、作品も展示のみおこなっております。今後、若手作家やアーティストの作品が増えれば販売を開始する予定です。


2.若手クリエイターとのコラボレーション 2024年度 ~ 九州大学芸術工学部/工学府と実施。
肥前吉田焼の産地の特徴として1つ挙げられるのは「自由」です。少量多品種の製造に長年応えてきた、ニーズに柔軟に応えられる自由さ。そこに3Dモデリングや切削などの最新技術を組み合わせられる自由さ。そのベースを元に、様々なコラボレーションを進めています。

昨年の新進気鋭の若手クリエイター3名とのコラボに加え、今年度は、九州大学芸術工学部/工学府杉本研究室の学生の皆さんと肥前吉田焼の可能性を共同研究、新しい器を共同制作しました。

現地の視察、中間発表、ブラッシュアップを経て、14名の学生が最終プレゼンし、その中から窯元で5案の開発を決定。3月7日、肥前吉田焼ギャラリーでお披露目しました。

制作したコラボ作品:

加藤愛さん × 副千製陶所 「嬉野浮立用磁器製横笛」(※1,2)
深海優佳さん × 江口製陶所 お茶と温泉を同時に楽しむ「ちゃつぼおし」
久保田峻介さん × 副武製陶所 物語を描く茶器「emaki」
田中彩生さん × 224porcelain×株式会社SING 嬉野で最初に触れる吉田焼「PorPen」
武田遥さん × 224porcelain 日常生活に特別感をプラス「茶香炉」


作品の詳細については、こちらをご覧ください。
※1 2025年4月に行われた第121回有田国際陶磁展審査会にて「嬉野浮立用磁器製横笛」が4位となる有田商工会議所会頭賞を受賞しました。
※2 7月26日9時より嬉野市の豊玉姫神社にて奉納演奏が行われます。詳しくはお問い合わせください。
作品は写真中央上から時計回りに「嬉野浮立用磁器製横笛」「ちゃつぼおし」「emaki」「PorPen」「茶香炉」


3.アーティスト in レジデンスに海外から3名が滞在し、作品制作。
一昨年度に引き続き、アーティストinレジデンスに海外からアーティストが滞在し、新たな作品を制作されました。トルコからFERIDE KESKINさん、オランダからMily Bogaartsさん。また、学術、文化、高等教育の分野で日本とフィンランドの協力関係の促進と強化を図るフィンランドセンターとの連携で、フィンランド人クリエイターのTuuli Saarelainenさんも滞在。駐日フィンランド大使やフィンランドセンター所長も産地の見学、ろくろ体験をされるなど、このプロジェクトのきっかけにもなったフィンランドとの繋がりもでてきました。今年度もまた新たなアーティストが来日予定となっています。
左から、FERIDE KESKINさん、Mily Bogaartsさん、Tuuli Saarelainenさん。


4.世界初(※)、磁器x3Dプリンティングのデザインコンペティションを開催、世界中からアイデアが集まる。
昨年度発表した、若手クリエイター(発明家)の高橋鴻介氏と肥前吉田焼のコラボ作品『Corcelain(コーセリン)』は、自分で好きなパーツを3Dプリンタで出力して、自分好みにカスタマイズできる器です。この器を用いて、世界的メイカーコミュニティ・MakerWorldと協働し、デザインコンペティションを開催しました。

募集期間は、2025年2月28日から3月23日まで。世界中のクリエイターから371点の応募があり、審査の結果、以下の3点を受賞作と決定しました。

Best Look    :「Corcelain Vase Kit by 9percent」
Most Functional :「Hook a Tea by Laban」
Most Interesting :「Corcelain Wind Chime in Japanese Style by samulski」

コンペについてさらに詳しくはこちら。
※世界初:2025年2月時点。主催者高橋氏調べ(インターネット調査および、関係者への聞き取り調査)。磁器を用いたプロダクトとして。
写真下、左から順に、Corcelain Vase Kit by 9percent、Hook a Tea by Laban、Corcelain Wind Chime in Japanese Style by samulski


5.「肥前吉田焼マーケティング部」始動。
「自由を掲げるコラボ産地の吉田なら、クリエイターだけでなく、マーケッターもコラボしたい人がたくさんいるのではないか?」と、吉田地区を訪れたキリーロバ・ナージャ氏(クリエイティブディレクター/絵本作家)からの発案を受け、「肥前吉田焼マーケティング部」を始動しました。

この部は、大きく分けて、2つの活動を開始していきます。1つは、共に学んだり、未来へのアイデアを出し合う「勉強会」。2025年1月17日のキックオフには35人、2回目の2025年5月13日には30人が全国から参加しました。

もう1つは、「課」活動。何かマーケティング活動を開始したい人が自主的に立ち上げることができ、課長となりリードする方式です。現在、SNS課、fablabo課、スタイリング課がすでに立ち上がっています。(SNS課によるinstagramはこちらです。


このマーケティング部には活動に賛同される方はどなたでも入ることができ、入部された方には磁器製の会員証が贈られます。
6.脱炭素を目指した磁器「うづら」が、第一回「SAGA DESIGN AWARD」グランプリ受賞!
肥前吉田焼では、次世代につなげるため、脱炭素や不良品率の低下を目指す陶土「晟土(せいど)」の開発を行ってきました。この土で製造すれば、焼成時の二酸化炭素排出量が通常の磁器製造より40%削減、かつ1.5倍の強度を持ちます。この取り組みが、佐賀県主催の第一回「SAGA DESIGN AWARD」で評価され、最初の製品「うづら」(精成舎)がグランプリを受賞しました。2025年2月8日授賞式が行われ、224porcelainの辻諭が佐賀県知事より認定証を受け取りました。

審査委員講評(馬場正尊氏)
美しいプロポーションと機能との絶妙な融合。完成度の高いフォルムを実現する職人技。強度や独特の質感を生み出す高い技術力。無駄を出さない循環社会へのメッセージ。そして、吉田焼を地域全体で、次の時代へ運ぼうとする強い意思。それらすべてを小さな器に凝縮したこの作品は、大賞にふさわしい。歴史に残るスタンダードデザインの名作にさえなり得る。
◎最後に
今年度も、引き続き様々な活動、特に若い方に、焼き物に興味を持ってもらえるような、新しい活動、新しいコラボレーションを続けていきます。

我々の夢は、この吉田エリアを、窯業を中心として、様々なジャンルのクリエイターが集まるクリエイター村にすることです。50年後、100年後、肥前吉田焼の継承はもちろんのこと、新たなモノづくりの創造・発信拠点となるように、今から着手していきます。

少しでも興味を持っていただいた方は、何かしらのコラボレーションやご協力いただけましたら幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします。


肥前吉田焼産地再生チャレンジ推進協議会 窯元代表 辻諭

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