大江宏氏設計による普連土学園中学校舎DOCOMOMO Japan「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」100選選定記念プレート贈呈式を実施

2025.06.11 09:00
学校法人普連土学園
効率化や画一化の波に静かに抗い、互いの個性を尊重しながら、親しみと愛情によって自由に結ばれるコミュニティの場を模索し、従来の近代建築の概念を超える新たな可能性を提示

学校法人普連土学園(所在地:東京都港区、理事長:山本 將人)は、その中学校舎が、建築の保存継承を図る国際機関DOCOMOMO(ドコモモ)の日本支部より「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」100選に選定されました。それを受け2025年6月2日に同校内にて選定記念プレート贈呈式が行われました。*「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」100選に選定されたのは2003年
(普連土学園中学校舎)
(普連土学園中学校舎と生徒たち)


普連土学園中学校舎は、1968年に日本を代表する建築家・大江宏氏の設計により、同学園の教育理念をかたちとして表現することを目指して建てられました。その歴史的価値が評価され、2017年3月には東京都選定歴史的建造物にも選ばれています。敷地の起伏を生かし、一般的な学校建築とは異なる配置計画が採られており、建物の階数も2階から4階までと変化に富んでいるのが特徴です。設計当時、大江氏は合理性を重視する近代建築を超えようとしており、「気配」や「佇まい」といった捉えがたい概念を手がかりに、新たな建築の在り方を模索していました。それを象徴するように、教室棟の外観には独自性があり、5本の独立した円柱が開口部に並び、その上に宝形屋根が架けられています。
(参照:DOCOMOMO Japan

(校長と理事長 贈呈されたプレートと共に))
(記念撮影)


【プレート贈呈式および見学会 実施概要】
・日時 : 2025年6月2日(月)14:00~16:00
・主催 : 学校法人普連土学園
・共催 : DOCOMOMO Japan

・プログラム:(以下敬称略)
14:00 贈呈式開始
 司会 玄田悠大(げんだ ゆうた)DOCOMOMO Japan 事務局長
 開会挨拶 山本將人(やまもと まさひと)学校法人普連土学園理事長
 DOCOMOMOの紹介、選定理由など
      頴原澄子(えばら すみこ)DOCOMOMO Japan 副代表理事/千葉大学大学院准教授
 プレート贈呈
 挨拶 青木直人(あおき なおと)普連土学園中学校・高等学校校長
 閉会挨拶 玄田悠大(げんだ ゆうた)DOCOMOMO Japan 事務局長
 見学会の概要説明 (山田明子 普連土学園在校生保護者)
14:40 見学会・記念撮影 ~16:00

・参加者 : DOCOMOMO Japan会員14名(建築学・教育学などの研究者や大学教員、建築士など)
       関係者6名、普連土学園卒業生・保護者有志5名、普連土学園教職員5名

■参加者の声(一部)
大江宏と学園の思想が合致した素晴らしい建築群だと思う。また、皆さんに愛されている建築だと思います。

大江宏氏の建築作品とその根底にある建築思想が興味深いのは、合理性批判と機能美の肯定が共存していることにあるように思います。直線性を否定するのであれば、たとえばフンダートヴァッサーのようにコテコテの装飾性に戦略を見いだすという選択肢もあると思いますが、大江氏はその対極の道を歩んでいます。そこが興味深いところです。

長方形の片廊下建築と違い、まさに良き学びの校舎でした。建物が綺麗に維持管理されていて素晴らしかったです。

廊下の薄暗がりと窓から差す光の対比も素晴らしく、奈良の古刹が思い浮かびました。そして何故か人生そのものも。付かず離れず、集団と個、明と暗、思春期をここで過ごした生徒さんが羨ましい。芯のある素敵な人に成長なさっていることと思います。

大江宏氏の言葉「教育の場はあくまでも人間の住まい」が見事に実現されていると感じました。

■DOCOMOMOとは
DOCOMOMO(Documentation and Conservation of Buildings, Sites and Neighbourhoods of the Modern Movement)は、1988年に設立されたモダン・ムーブメントにかかわる建物の記録と保存を目的とする国際学術組織です。オランダのデルフトに設置された本部 (Docomomo International) と
70以上の国・地域に設けられた支部から成ります。 日本支部となるDOCOMOMO Japanでは、「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」として、1999年(平成11年)に一連の同潤会アパートメントハウスなど20選を選定、2003年(平成15年)9月には普連土学園など80選を加えて100選とし、その後随時追加されています。

■建築家 大江宏氏について
大江宏(おおえ ひろし、1913-1989)は、戦後日本を代表する建築家。日本建築への一流の造詣と、モダニズム建築への深い理解を有し、あくなき可能性追求への膨大な試行錯誤を繰り返しながら、大江独自の名建築を発表し続けました。教育者としても法政大学建築学科の礎を築き、多くの後進を育成しました。建築設計・建築論・建築教育における業績を評価され、1988年に日本建築学会大賞を受賞。主な作品に法政大学、香川県立丸亀武道館、丸亀高校、普連土学園、国立能楽堂などがあります。
日本芸術院会員。勲三等旭日中綬章叙勲。

■普連土学園中学校・高等学校の校舎について
普連土学園中学校・高等学校は、建築家・大江宏氏によって設計された中学校舎をはじめ、屋上庭園やバルコニー、ライトコートなど、校内の随所に、生徒たちが自然に集い、語り合える温かな空間が広がっています。こうした「語らいの場」は、普連土学園ならではのやさしい雰囲気を育んでいます。また、静かな祈りと向き合う時間を大切にする本校では、落ち着きと静謐(せいひつ)さを保った礼拝専用の施設「静黙室(せいもくしつ)」も備えています。
大江氏は中学校舎の設計当時、普連土学園に共感した点として、「個々の場が与えられつつも、有機的なつながりが大切にされている雰囲気」を挙げ、「自由で、互いに個性を尊重し合い、どこまでも親しみと愛情で結ばれてゆくコミュニティの場をつくり上げていきたい。それこそが学校建築のあるべき姿であろう」と述べています。

■普連土学園中学校・高等学校について
普連土学園は、1887年(明治20年)、フィラデルフィアのキリスト教フレンド派婦人伝道会から派遣されたジョーゼフ・コサンド、サラ・コサンド夫妻によって設立されました。これは、当時アメリカに留学していた新渡戸稲造(日本人初のクエーカー)および内村鑑三(無教会主義の創始者)の勧めによるもので、以来140年近くにわたり、キリスト教による人間形成を教育の基盤として歩んできました。校名の「普連土」という漢字は、「普(あまね)く世界の土地に連なるように」という祈りを込めて、学農社の創設者であり、青山学院の創設にも関わった農学者・津田仙(津田塾大学の創設者・津田梅子の父)によって考案されたものです。

■普連土学園中学校・高等学校 概要
・名称 : 普連土学園(ふれんどがくえん)中学校・高等学校
・所在地 :東京都港区三田4丁目14-16
・校長 : 青木 直人(あおき なおと) *理事長 山本 將人(やまもと まさひと)
・URL : 
■お問い合わせ先
普連土学園中学校・高等学校
〔担当者〕広報部長 池田 雄史(いけだ ゆうし)
〔TEL〕 03-3451-4616
〔FAX〕 03-3453-2028
〔E-mail〕yikeda@friends.ac.jp

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