新しい情報インフラとしてのIOWN®。その社会実装を推し進めるために AKKODiSコンサルティング×NTT

2025.06.10 13:00
「IOWN GLOBAL FORUM™」※が中心となって世界の各企業が協力して推進している、次世代情報基盤「IOWNⓇ(Innovative Optical and Wireless Network)」。AKKODiSコンサルティングは、その大規模プロジェクトを人財面からサポートする「IOWN推進室」を設置し、IOWN構想をグローバルに推進する「IOWN GLOBAL FORUM™」にもスポンサーメンバーとして参画しています。社会実装が着々と進んでいるIOWNの現状と可能性、そしてそこでAKKODiSが果たすべき役割について、NTT・IOWN推進室 室長の荒金陽助氏と、AKKODiS・IOWN推進室 室長の森本直彦が語り合いました。


※IOWN GLOBAL FORUM™の詳細については、
をご参照ください。AKKODiSコンサルティングは、「IOWN」を推進するIOWN GLOBAL FORUM™のスポンサーメンバーです。
これが実現したら、とんでもない世の中になる
森本直彦 [以下、森本] :NTTの皆さんがIOWN構想に着手されたのは2019年でした。この構想について初めて知ったとき、「これが実現したら、とんでもない世の中になるぞ」と思ったことをよく覚えています。


荒金陽助氏 [以下、荒金]:新しいITサービスが次々に登場し、それにともなって消費電力もどんどん増えていく。サービスのパフォーマンスを上げながら、消費電力を低減することはできないだろうか──。そんな課題意識からスタートしたのがIOWNでした。私自身発足当初からこのプロジェクトに関わってきて、IOWNの可能性の大きさを日々実感しています。


森本:IOWNのコア技術となるのが「光」ですね。
荒金:光信号処理と電気信号の回路を融合する「光電融合デバイス」によって、まずオールフォトニクスネットワーク(以下、APN)と私たちが呼んでいる超高速ネットワークをつくり、さらにその技術をコンピュータにも導入していく。それによって、電力効率を100倍、伝送容量を125倍、通信の低遅延性能を200倍にしていく。それが、私たちが現在進めているIOWN構想です。


森本:低消費電力、大容量・高品質、低遅延の3つを実現する、まさに未来の社会を支える通信技術と言っていいと思います。社会課題やビジネスに対して、具体的にどのようなインパクトがもたらされるとお考えですか。


荒金:段階的にメリットがもたらされると考えています。まずは、膨大な電力を消費しているデータセンターにIOWNの技術を適用することによって、消費電力を下げていくこと。これはまさに社会課題の解決と言えます。次の段階が、大手企業におけるデータ領域です。そこにIOWNを利用することで、よりセキュアでスピーディーなデータ活用が実現すると考えています。その2つのステップを起点として、徐々に広範な領域にインパクトが及んでいく。そんなイメージを描いています。


森本:生成AIの世界的な普及にともなって、電力消費が増えていることが地球規模の課題になっています。その課題解決にIOWNが役立つ。これはたいへん重要なポイントです。それに加えて、ビジネスにおけるデータ活用を強力に後押しするということですね。当初は2030年にはその構想が実現するという見通しを立てられていましたが、かなり前倒しで実装が進んでいるそうですね。


荒金:IOWN構想への反響が非常に大きく、「フルスペックではなくてもいいから使わせてほしい」という声をたくさん頂戴しています。そこで、実装可能な領域から技術を提供していく方向に大きく方針を変えました。すでに2023年3月にNTT東日本・西日本が、ネットワークのポイント間をAPNで結ぶサービスをスタートさせています。
人財育成とユースケースの創出
【写真】バルセロナで開催された通信関連見本市「Mobile World Congress」


森本:IOWN構想を人財面でご支援している私たちAKKODiSとしても、人財育成のスピードをさらに上げていかなければならないと考えています。2024年4月に「IOWN GLOBAL FORUM™」に参画させていただいたことで、IOWN構想の実現に向けた取り組みに拍車がかかりました。


荒金:IOWN構想が目指しているのは、新しい社会インフラをつくることです。それを実現する取り組みは、NTTグループだけのものではあってはならないし、日本国内に閉じていてもいけない。そう考えて、2020年に発足させたのがIOWN GLOBAL FORUM™です。当初は、ソニー、インテル、NTTの3社からのスタートでしたが、現在はグローバルでおよそ160の企業・団体に参画いただいています。AKKODiSの皆さんもその1社であり、人財サービス企業としては唯一の参加メンバーということになります。


森本:IOWN GLOBAL FORUM™の取り組みは、現在フェーズ3まで進んでいます。
荒金:フェーズ1では全体のアーキテクチャーの構築、フェーズ2では実装に近い領域でのPoC(実証実験)を進めてきました。現在のフェーズ3では、より具体的なビジネスにつながるPoCに取り組んでいます。次のフェーズ4に向けた内容の議論も着々と進んでいます。


森本:IOWN構想が進むにしたがって、注目度がいっそう高まっていると感じます。今年3月にバルセロナで開催された、世界最大級の通信関連見本市である「Mobile World Congress」でも、IOWN GLOBAL FORUM™のブースに多くの参加者が集まりました。
荒金:予想を大きく超えてたくさんの方々にお集まりいただき、各国のビジネスリーダーからいろいろなご質問をいただきました。私たちが開催したセッションも大盛況でした。
森本:AKKODiS社内でも、IOWNへの期待が高まっていることを肌身で感じます。新卒や中途採用のメンバーにも「ぜひIOWNの仕事に携わりたい」と言う社員がたくさんいます。社員が活躍できる可能性が広がっていることは、私たちにとってもたいへん喜ばしいことです。


IOWN構想の実現に寄与できる人財を育成していくことが私たちの大きな役割ですが、もう1つ、お客さま企業とともにIOWNのユースケースを創出していくこともAKKODiSの重要な役割であると考えています。私たちの社員は、お客さまの現場で働きながら、企業や組織の課題を解決する取り組みを日々続けています。企業の課題を解決するにあたって、IOWNが力を発揮する場面は今後ますます増えていくはずです。お客さまとIOWNの橋渡しをして、ユースケースをつくっていくこと。いわば、ユースケース創出のハブになること。その取り組みにも今後は注力していきたいと考えています。
「トライ&エラー」から「トライ&ラーン」へ
【写真】(左上)大阪・関西万博のNTTパビリオン。(右上)Perfumeのライブパフォーマンスを3D空間で伝送し実演。(下)大阪の万博会場と台湾の会場をリアルタイムに接続して演じられた超歌舞伎 提供:NTT


森本:4月から始まった大阪・関西万博では、IOWN技術を使ったPerfumeの遠隔ライブ映像が話題になっています。NTTパビリオンにも多くの来場者が詰めかけているようですね。


荒金:ありがたいことに大きな反響をいただいています。NTTパビリオンでは、APNと世界初のIOWN光コンピューティングを活用して、来場者にご自身のデジタルアバターを生成して動かす仕組みなどを体験していただけます。5月にはAPNで台湾と日本を結んで、両国の演者がバーチャルに共演する超歌舞伎 〈CHO-KABUKI〉を上演して好評をいただきました。また、目に見えるところだけではなく、万博会場の通信インフラの一部にもIOWNが使われています。


森本:万博を通じてIOWNへの注目度がいっそう高まり、社会実装のスピードはさらに上がりそうです。


荒金:そう期待しています。大切なのはユースケースをつくっていくことですが、1つキーワードになるのは「遠隔」です。医療、教育、建築など、社会のエッセンシャルな領域でIOWNを活用した遠隔の仕組みを実現することで、日本の課題である人口減少社会への革新的な解決策の一つになると考えています。


森本:私は、国内外の各地で進んでいるスマートシティ構想にIOWNの技術を活用していくことに大きな可能性を感じています。例えば、車両群から収集したデータをデジタルツインでリアルタイムに処理し、交通渋滞全体を最適化するシミュレーションを行うことで、現実世界に近い交通状況での実証実験が可能になるのではないでしょうか。これにより、IOWN構想の実現が推進され、より快適な社会が実現できると思います。


重要なのは、挑戦を続けて知見を蓄積していくことです。「トライ&エラー」という言葉がありますが、IOWN構想を進めるにあたっては「トライ&ラーン」と考えるべきです。挑戦して失敗したとしても、それは貴重な学びとなる。その学びを次の挑戦に生かしていけばいい──。そんな考え方です。
荒金:おっしゃるとおりですね。どんどんチャレンジして、失敗と成功を繰り返しながら、経験を資産としていくことが何より大切だと思います。
共通のゴールに向かって一歩一歩進んでいく
森本:IOWN構想の今後のロードマップについてお聞かせいただけますか。


荒金:まずネットワークについては、ポイントとポイントを線的に結ぶ現在の形を、面的なマルチポイントネットワークに進化させていきます。これは、あと2年くらいで実現する見込みです。一方デバイスについては、万博でお披露目しているIOWNの技術を来年くらいには実用化できる予定です。


その先には、コンピュータチップ同士をAPNでつなげ、さらにチップの中にも光技術を入れていく未来が待っています。それが実現するのは2030年、あるいはもう少し先になると思われますが、そうなれば電力消費をさらにドラスティックに下げることが可能になります。


森本:技術の革新が進めば進むほど、それを支える人財育成も重要になります。実装したインフラの保守運用ができる人財だけでなく、開発そのものに貢献できる人財や新しいビジネスのハブとなるような人財を今後どんどん育成して、IOWN構想の実現に寄与していきたい。それが私たちAKKODiSの想いです。


荒金:人財はまさしくIOWN構想を実現するための要です。人財育成、それから先ほど


森本さんがおっしゃったユースケースの創出。この2つについては、今後もAKKODiSの皆さんのお力が欠かせません。


森本:ぜひそのご期待に応えたいと思っています。つけ加えるならば、IOWN構想の共創パートナーとなる企業の皆さんが、IOWNの取り組みに関する情報をどんどん発信していく後押しをすること。グローバル企業であるAKKODiSの強みを生かし、世界各国でIOWNの実装を支援していくこと。その2つにも今後は注力していきたいですね。


荒金:たいへん心強いお言葉です。私がIOWNのプロジェクトに関わって本当によかったと思うのは、森本さんをはじめ、社外の方々との接点ができたことです。さまざまな企業や団体の皆さんと話し合いながら、共通のゴールに向かって一歩一歩進んでいくことが、この取り組みの大きな醍醐味であると感じています。


森本:私自身は、IOWNという画期的な技術を社会に広めていく取り組みに関わらせていただいていることにとても感謝しています。これほど大きなイノベーションに携われる機会は、仕事人生においてそうそうありません。そのことをたいへん誇りに思っています。IOWNを推進していく仲間をもっともっと増やして、この想いを共有していきたい。それが私の大きな目標です。

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