6月4日〜10日は歯の衛生週間 小児歯科専門医小林奈未子先生に聞く「妊娠期から幼児期までのお手軽オーラルケア」とは

2025.06.04 11:30
お子さまが成長する中で、とても気になる “オーラルケア”。
一生ものの歯を守ってあげたい!と思っていても、お子さまが歯みがきを嫌がることもあり、悩みが尽きません。オーラルケアのお悩みについて、小児歯科専門医でご自身もママとして3人のお子さまを育てている新江古田こばやし歯科クリニックの小林奈未子先生にお話を伺いました。
オーラルケアのポイントや、家族みんなで取り組めるケアなど、「妊娠期」「産まれてから1歳半ごろまで」「2歳ごろから10歳ごろまで」のテーマに分けてお届けします。
【妊娠期のお口のお悩み】
妊娠期はホルモンバランスの変化やつわりなど、ママの身体が大きく変化する時期です。この時期は、お口の中でもさまざまな変化が起こることをご存知でしょうか。
赤ちゃんの歯を健康に保つためには、実は妊娠準備期から家族全員でケアできることがたくさんあります。妊娠準備期〜妊娠期のお悩みについてお話をお伺いしました。


◯妊娠期に見られるママのお口のトラブルや、注意点を教えてください。


妊娠中はホルモンバランスが大きく変化し、唾液が減るなどの影響でお口の中のトラブルを起こしやすくなります。歯茎が腫れたり、お口の中のねばねばした感じが気になったりすることも多いと思います。また、つわりなどで歯ブラシを口に入れることが辛いときもありますよね。
そうした時には無理をせず、洗口剤や、ハキラのようなオーラルケアタブレットなどを使いながら、お口のケアをしてみてください。子供用の小さい歯ブラシをつかってみるのもいいかもしれません。治療は、体勢も辛いと思いますので、できれば安定期に入ってからをおすすめしています。


また、安定期にはなにもなくても定期健診に行き、生まれて来る赤ちゃんのためにお口の中の環境を整えられると良いです。
ホルモンバランスによる体調の変化やつわりも、いつか終わりますので、歯医者さんに相談しながら自分に合ったケアの方法を探ってみてくださいね。


◯赤ちゃんが生まれるまでに、ママ・パパや家族で気をつけられることはありますか?


生まれたばかりの赤ちゃんは、まだお口の中にむし歯菌がほとんどいないとされています。乳歯が生えて、1才半から2才半の間はむし歯菌が定着しやすい時期です。
できれば妊娠準備期からご家族みなさんで歯科検診を受け、お口の中を整えておけると安心です。日常のスキンシップや、食事中に口移しや同じスプーンを使うことで、家族からお子様へむし歯菌が移ることがあります。その時期を安心して過ごすために、日常のオーラルケアを見直し、規則正しい食生活を意識することが、赤ちゃんを守ることにもつながります。


◯赤ちゃんの歯の発育状況と、健康な歯を保つための心構え、また、妊娠中におすすめの食べ物や、歯に良いとされる栄養素についても教えてください。
歯の形成は、実は妊娠初期から始まっています。妊娠7週目ごろから乳歯がつくられはじめ、4~5か月には永久歯のもとも少しずつ作られはじめます。歯のもととなる栄養素としてカルシウムは皆さんイメージしやすいと思いますが、タンパク質、リン、ビタミンA・C・Dなど、さまざまな栄養素が関わっていますので、バランスの良い食事を意識してみてください。
つわりで食べられるものが限られる時期もありますよね。そういったときには無理をせず、食べやすいものを選んでいただいて大丈夫です。その際、できる限り「だらだら食べ」にならないよう気をつけてみてださい。特にすっぱいものを好んで食べた後は、うがいをできるといいですね。
妊娠準備期から妊娠期のオーラルケアは、赤ちゃんのすこやかな成長にもつながる大切な時期です。無理をせず、ご自身の体調に合わせたケア方法を続けましょう。
また、赤ちゃんを迎える準備のひとつとして、ご家族みんなでオーラルケアをすることがとっても大切です!
【乳幼児と歯のお悩み] 
お子さまの歯が生えはじめるこの時期、赤ちゃんに歯が生えてくると、具体的なケアのお悩みも増えてくることでしょう。産まれてから1歳半頃までにできるケアのコツについて詳しくお伺いしました。


◯お子さまの歯が生えはじめるころ〈生後4~8ヶ月ごろ〉、どんなことに注意するべきですか?
乳歯が生える時期には個人差がありますが、早ければ生後3~4ヶ月頃から生えはじめます。いきなり、歯ブラシで歯磨きするぞ!と力みすぎず、顔や口の周りを優しく触って、親子共にリラックスしてはじめてみてください。ケアの方法として、まずは寝かせみがきの姿勢をとってみてください。頭側に回り込み、軽く頬を押さえて優しくお口を触ってあげましょう。前歯だけの時には、歯ブラシを軽く当てるか、ガーゼで歯をはさんで表裏を拭いてあげてください。お子様の様子を見ながら、慣れてきたら少しずつ歯ブラシを使う、でも大丈夫です。
手を噛まれてしまいそうな時は、まだ生えていない奥歯部分の歯茎に指を一本入れると噛まれても痛くないのでスムーズに磨けます。


※左:前歯を磨く様子 右:奥歯に指を入れる


◯歯医者さんデビューはいつ?検診はどのくらいの頻度で通うことがおすすめですか?


目安としては、歯が生えはじめた頃から1歳になる前までに一度は来ていただくのが理想です。1本だけでも前歯が見えはじめたら、「どうケアをすればいいの?」「どれくらいの頻度で磨けばいいの?」など、気軽に相談をしてみてください。
その後は、3ヶ月~半年に1回ほどの定期検診が目安です。歯の生え方や、離乳食もはじまり口腔環境が変化しやすい時期なので、一度受診しケアの仕方を見直すきっかけになるといいですね。


◯育児中、ママとパパが気をつけることはありますか?


赤ちゃんに食事をあげる際、フーフーして冷ましたり、ちょっと味見したりすることはよくありますよね。そんな時、ご家族のお口の中を綺麗にケアしておけば、安心してスキンシップがとれます。むし歯菌がうつることを最小限に留めるためには、食事中気を付けることに限らずママとパパが きちんと歯科健診を受け、むし歯や歯周病のないきれいなお口で子育てを行うことが予防する上でも大切です。ただ、あまり神経質にはなりすぎずに、楽しく食事をしましょう。
〈1歳ごろ:歯の生え具合8本程度〉
◯仕上げ磨きがうまくいきません。コツはありますか?


1歳前後のお子さまは、歯磨きをしようとすると泣いてしまうこともありますよね。
大切なのは「楽しい雰囲気づくり」と「歯ブラシに力を入れすぎないこと」です。大人が一生懸命磨こうとすると、ゴシゴシ強くこすりすぎて、痛いと感じる子もいます。お口の中にいるむし歯菌を退治しよう!など、ゲーム感覚にしてお子様に手鏡を持ってもらい、お口の中を一緒に見ながら磨くのもおすすめです。


◯哺乳瓶の使用や夜中の授乳で、前歯がむし歯にならないか心配です。


母乳や哺乳瓶でミルクしか与えていない時は大丈夫ですが、歯が生えはじめ、離乳食やミルク以外の飲食物を口にするようになると、むし歯菌が定着しはじめます。昼間、夜中と回数が多いとむし歯ができるきっかけになることもあります。外遊びの時間を増やしたり、寝かしつけの時におっぱいを欲しがる場合は、ぐっすり寝入ったらおっぱいを口から外すようにしましょう。母乳や哺乳瓶は上の前歯の裏側にむし歯ができやすくなるのでガーゼで拭いたりしてケアしてあげるとよいですね。
〈1歳半ごろ:歯の生え具合12本程度〉
◯むし歯菌の感染が不安な時期に気をつけることは?
1歳半ごろは、歯の本数も増え、離乳食やおやつの種類・回数も多くなるため、お口の中に菌が増えやすい時期といえます。「だらだら食べ」をできるだけ避け、間食後はハキラなどのオーラルケアタブレットを使う、歯磨きの時にフッ素入の歯みがきジェルを使うなど、工夫してみてください。
歯みがきジェルの量は、2歳まではお米1粒程度、5歳まではグリーンピース1粒程度が目安です。定期検診に行き、歯科医院でのフッ素塗布などの予防ケアを受けるのもおすすめです。


◯歯ブラシや指を口の中に入れることへの抵抗を減らすために、できることはありますか?
いきなり歯ブラシを入れると赤ちゃんがびっくりしてしまいますので、普段から少しずつお口のまわりに触れる機会を作ってみてください。お顔やほっぺたを触ってみたり、ガーゼや指で優しく触れ、嫌がらなければ歯ブラシをちょんちょんと当ててみる。




食後は歯ブラシや月齢に応じてオーラルケアタブレットを取り入れ、“歯ブラシの時間”を日課にすることも大切です。0歳から1歳半ごろまでの赤ちゃんは、歯が生えるスピードやタイミングも個人差が大きく、ケアの仕方に戸惑う場面も多いかもしれません。まずはパパ・ママが楽しく取り組んでいきましょう。
【自分で歯みがき!お子さまと歯のお悩み】
イヤイヤ期になると、歯みがきに抵抗するお子さまも。
さらに3歳ごろになるとお菓子やジュースを欲しがる機会も増えて、むし歯リスクがぐんと高まります。歯みがきイヤイヤの対処法や外出時でのオーラルケアなど、幼児期特有のお悩みについてお話をお伺いしました。


◯歯磨きのタイミングは、朝起きてすぐ?食後?いつが効果的?
一番大事なタイミングは就寝前ですが、朝や昼も食後に磨くのがベストです。
朝は、朝食後にしっかり磨いてくださいね。お子さまの機嫌に合わせ、無理せず続けられる方法を選ぶことが重要です。1日1回はしっかり磨けるといいですね。




◯歯磨きを嫌がってしまうとき、どうしたら歯磨きを好きになってくれますか?
歯磨きイヤイヤの原因は痛い、怖い、お子様にとって気分が乗らない時など、さまざまです。ママやパパが楽しそうに磨いている姿を見せる、むし歯バイキン退治の歌やアニメを見るなど、まずは歯磨きを楽しい時間に演出してみてください。


歯ブラシが歯茎に強く当たって痛いと抵抗してしまうので、力の入れすぎに注意してあげてくださいね。「歯磨きしたらハキラを食べようね」など、ちょっとしたご褒美を組み合わせるのもいいですね。


◯むし歯予防のために日常生活で気をつけられるポイントは?


糖を含む食品を与える頻度や、時間帯には十分注意したいところです。
「だらだら食べ」は避けて、決まった時間に食べ、食事の後はなるべく早めに歯磨きしてください。また、糖を含む食事は1日4回までに抑えられると良いと思います。
3歳くらいになると集団生活の時間も増えますから、家族の目が行き届かない場面でもむし歯リスクが高まらないよう、普段からの習慣が大事ですね。


◯いい歯を保つために、食事のコツはありますか?
大人と同じように、バランスの良い食事が基本です。そして「よく噛むこと」が大切ですね。硬すぎるものは危険ですが、噛み応えのある野菜やお肉も少しずつ慣れさせてあげると、あごの発達にもつながります。前歯で食べ物を小さくして、奥歯ですり潰す、が基本です。この基本的な食べ方がしっかりできると、成長に合わせて歯も綺麗に並びやすくなります。
歯並びや噛む力にも影響を与えるので、あまりにペースト状の柔らかいものばかり食べていると、嚥下(えんげ)はしやすい一方で噛む練習が不足しがちです。お子さまの成長に合わせた硬さ・大きさのものを取り入れてみてください。


◯お友達とお菓子を食べはじめる時期、どんな点に気をつければいいですか?


友達同士でおやつを分け合う機会が増えると、どうしてもお菓子やジュースの量が増えることも。まったくダメというわけではなく、家に帰ったらしっかり歯を磨くなど、メリハリをつけるようにしましょう。3歳児健診でむし歯が指摘される子も少なくないので、定期的に歯科検診を受けて、早めの治療を心がけると安心です。


◯外出時のオーラルケアはどうすればいいですか?
外出先で歯みがきするのは難しいことも多いですよね。そんなときは、歯みがきシートや、ハキラのようなオーラルケアタブレットも取り入れてみてください。「完璧に磨かなきゃ!」と思うと続けられなくなるので、できる範囲でケアする意識を持つことが、予防に繋がります。食後に水やお茶を飲むことで食べかすを洗い流すこともできますよ。
歯の健康は一生もの。お子さまが小さなうちから、「だらだら食べをしない」「食べた後は歯みがきをする」「甘いものは食べすぎないようにする」など、歯を大切にする習慣を身につけることが、将来お口のトラブルを避けることに繋がります。ご家族みんなで楽しくできることを積み重ねて、お子さまの歯を健やかに育んでいきましょう。

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