戦後80年に寄せて──地図から消された島・広島県大久野島の過去と今をつなぐ、絵本『うさぎのしま』が6月12日(木)に発売決定

2025.05.30 10:30
株式会社世界文化ホールディングス
世界文化社は、戦後80年という節目に、子どもたちへ静かに語りかける絵本『うさぎのしま』(作:近藤えり/たてのひろし)を6月12日(木)に発売することを決定いたしました。

◆ 「あの子のおかあさんも、白い?」──静かな問いから見える、戦争の記憶

本作の舞台は、瀬戸内海に浮かぶ広島県の小さな島「大久野島」。現在は約500羽(2025年4月)のうさぎが暮らし、「うさぎのしま」として多くの観光客に親しまれています。

広島は、人類史上はじめて原子爆弾が投下され、「戦争被害」の地として広く知られています。けれども、大久野島では、かつて化学兵器の毒ガスの製造が行われていたという、あまり知られていない歴史もあります。被害の象徴として語られる広島は、実は、戦争に関わる複雑な背景をもつ場所でもあったのです。

絵本『うさぎのしま』は、そんな島を訪れた一組の親子と白いうさぎとの出会いをきっかけに、封印されていた記憶の扉が開かれていきます。

著者は、
(絵/なかの真実・世界文化社)『どんぐり』(小峰書店)で日本絵本賞を受賞したたてのひろしさんと、柔らかなパステル画が魅力の近藤えりさん。ふたりは数か月にわたり大久野島を取材し、うさぎを通して、過去と今、そして未来を結ぶ物語を丁寧に紡ぎました。

◆ 本書のあらすじ
広島県・大久野島。かわいいうさぎに会いに、毎日たくさんの人がやってきます。
一組の親子が白いうさぎを見つけました。
「あの子、白いね」
「ほんとだね」
何気ない一言が、封印された過去を呼び覚ます。
「あの子のおかあさんも、白い?」
「おかあさんの おとうさんは?」
時は、第二次世界大戦へ―。

◆ 戦争と環境、そして命──未来を繋ぐ子どもたちへ伝えたい作品
「自分には関係のないこと」と思われたり、忘れられがちな歴史や環境問題が、実は今この時代にもつながっていること──本作は、小さな動物である“うさぎ”を通して、そのことを子どもたちに静かに伝えます。

巻末には、解説「地図から消された島──大久野島と戦争とうさぎ」を掲載。大久野島の毒ガス工場としての歴史に加え、 福島大学 共生システム理工学類の兼子伸吾教授による大久野島のうさぎの由来や現状についての研究解説など、戦争と環境のつながりをやさしく、深く読み解いていきます。

無垢な存在が、浮かび上がらせる戦争の記憶と、現代の環境問題。
未来を繋ぐ子どもたちへ届けたい物語です。

◆ 作者・たてのひろしさんのメッセージ(あとがきより一部抜粋)

大久野島は、記憶を呼び起こす装置としての役割をもつ戦争遺構の荒廃や、観光資源としてのカイウサギが引き起こす環境変化など、多くの問題を抱えています。私にとって白ウサギは、戦争にとどまらず、人類の遠い過去と遠い未来をも想起させる存在となりました。

私たちは未来の人々に向けて、発見や反省を伝えのこす必要があります。野生動物は丸裸で生きていけますが、人はどうでしょうか。丸裸で野良に出されて、一人きりで生きていけるでしょうか。先人から受け継がれた知恵と技術がなければ、人は生きてはいけません。そして、仲間と力を合わせて暮らすのが、人という生きものの本質でしょう。

この絵本が、お読みくださった方それぞれの根元を想うきっかけになることを願っています。

◆ 作者プロフィール

近藤えり/神奈川県横浜市生まれ。絵本作家・イラストレーター。舘野鴻氏に師事し、絵本制作を学び直す。『なきごえがじまんのきつね』(仏教伝道協会)で、こころの絵本大賞を受賞。月刊絵本の作品に、『ほしのなるきゆらゆら』『ハロウィンのたからもの』『すなばあそび』(至光社・こどものせかい)、『ライオンとうさぎ』『のらねこのクー』(鈴木出版・こどものくに)などがある。

たてのひろし(舘野鴻)/1968年、神奈川県生まれ。画家・絵本作家。幼少期より、熊田千佳慕氏に師事。『つちはんみょう』(偕成社)で小学館児童出版文化賞、『ねことことり』(世界文化社)『どんぐり』(小峰書店)で、二年連続となる日本絵本賞を受賞。絵本に『しでむし』『ぎふちょう』『がろあむし』(偕成社)、『うんこ虫を追え』(福音館書店)、「3びきのあまがえる」シリーズ(世界文化社) 、読み物に『ソロ沼のものがたり』(岩波書店) がある。JBBY理事。

◆ 刊行情報
『うさぎのしま』

作者:近藤えり たてのひろし
定価:1,980円
サイズ:A4変型判/40P
対象年齢:小学校中学年ぐらいから
発売日:2025年6月12日(木)
発行元;世界文化社

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