【創業146年の春陽堂】江戸川乱歩文庫の装丁画家・多賀新の画集出版プロジェクト

2025.04.24 21:50
『乱歩といえば春陽堂』――その象徴ともいえる江戸川乱歩文庫全作品のカバーは、銅版画家・多賀新さんの作品です。半世紀にわたる画業の中から厳選した作品を一冊にまとめた画集の出版プロジェクトが始動しました。幻想と怪奇が交錯する、唯一無二の世界を堪能できる珠玉の画集。ぜひ、ご支援をお願いいたします。
銅版画家・多賀新の画集出版のためのクラウドファンディングプロジェクト事務局、春陽堂書店です。本ページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
当社は1878年(明治11年)の創業以来、夏目漱石、森鷗外、芥川龍之介をはじめ、江戸川乱歩や横溝正史など、数多くの名作を世に送り出してまいりました。出版を通じて文化を継承することが私たちの使命であると考えています。
年末年始にかけて実施した荒俣宏先生の出版プロジェクトでは、目標金額をはるかに上回る900万円ものご支援をいただきました。皆様からの温かい応援に心より感謝申し上げます。
文学と芸術は、時に予期せぬ形で出会い、美しい共鳴を生み出します。その象徴が、当社の『江戸川乱歩文庫』(全30巻)のカバー装丁です。
怪奇と幻想に満ちた乱歩の世界を視覚化するため、私たちは銅版画を表紙に採用しました。その重責を担ったのが、本画集の主役である銅版画家・多賀新さんです。
多賀さんの装丁画は、「乱歩といえば春陽堂」と称されるほど、乱歩作品の世界観を見事に体現し、多くの読者を魅了してきました。銅版画の繊細な表現が乱歩文学と調和し、新たな魅力を加えたのです。
本プロジェクトは、多賀さんの50年にわたる長年の創作活動を振り返り、先生自らが選定したベストコレクションとなる作品集の出版です。1,000点を超える作品から厳選した珠玉の作品に加え、本企画のための新作も収録。
半世紀にわたる芸術の軌跡を、最高の品質で後世に残したい――。その想いで本プロジェクトを立ち上げました。
1970年代から第一線で活躍し続ける多賀新さん。その作品は、幻想と怪奇が交錯する独自の世界観を持ち、銅版画ならではの精緻な描写と深い精神性が融合した唯一無二の芸術として知られています。
国内では江戸川乱歩作品の装丁をはじめ、文学や演劇の分野でも高く評価され、読者や鑑賞者の心を捉えてきました。さらに、海外の展覧会やアートシーンでも注目され、多くのコレクターや美術愛好家に支持されています。
その卓越した技術と表現力は、時代を超えて評価され続けているのです。
1983年、多賀さんは文化庁在外研修制度によりアメリカと西ドイツへ渡り、そこでの経験がその後の創作活動に大きな影響を与えました。特に、欧米の自由な芸術表現や新たな技法との出会いは、作品にさらなる深化をもたらしました。
当時、日本では銅版画の表現が一定の枠に収まる傾向がありましたが、その枠を超え、従来の銅版画の概念を覆す挑戦的な作品を次々と発表。繊細でありながらも力強い表現、幻想と現実が交錯する独自のスタイルを確立していきました。
また、1979年に訪れたインドのガンジス川で目にした光景は、創作において特別な意味を持ちました。その神秘的で生命の根源を感じさせる情景から着想を得て生まれた「魚シリーズ」は、多賀さんの代表作の一つとして高く評価され、美術界に新たな風を吹き込みました。
このシリーズは、生命の営みや宇宙の循環を象徴するかのような深遠なテーマを持ち、独特の質感と構成によって観る者の心を惹きつけます。今なお多くの人々を魅了し続けており、国内外の展覧会でも高い評価を受けています。
「若い頃は突っ張って生きてきました」と語る多賀さん。その言葉の通り、芸術への情熱と信念を貫き、妥協のない創作活動を続けてこられました。
その真摯な姿勢は、半世紀にわたり毎年新作を発表し続ける個展の開催という形にも表れています。一つのスタイルにとどまらず、新たな表現を模索し続けることで、常に進化を遂げてきました。
作品は国内のみならず海外でも高く評価され、特にアメリカでは早くからその価値が認められ、多くのコレクターや美術館に収蔵されています。幻想と現実が交錯する独特の世界観と、緻密でありながら大胆な表現が魅力であり、国境を越えて人々の心を惹きつけてきました。
今回の画集では、50年に及ぶ創作の軌跡を辿るべく、作品を厳選して収録。さらに、本プロジェクトのために特別に制作された新作も加え、芸術のベスト版ともいえる一冊に仕上げます。
50年の歩みを詰め込んだこの画集は、単なる作品集を超え、多賀さんの世界を後世に伝える永久保存版となることでしょう。
江戸川乱歩の小説には、現実と幻想が交錯する独特の世界観があります。その表現を担ってきたのが、多賀新さんの装丁画です。
驚くべきことに、これらの装丁画の一部は20代の頃に制作した作品でした。「まさか後年、乱歩文庫の装丁として日の目を見るとは」と、先生自身も感慨深く振り返ります。
幻想的な銅版画と乱歩作品の世界が見事に重なり、多くの読者を魅了。銅版画の技法を極限まで追求した軌跡が、一枚一枚に刻まれています。
今回の画集に向けて、新作の制作も予定しています。
「これまでの軌跡であると同時に、新たな挑戦の記録としても位置づけたい」という多賀さんの言葉には、半世紀にわたり歩んできた芸術の道を振り返りつつ、なおも前進し続ける強い意志が込められています。
銅版画という伝統技法を極めながらも、新たな表現の可能性を模索し続ける姿勢は、多賀さんの創作活動の根幹にあります。過去の作品の延長ではなく、新たな境地を切り開く意欲に満ちた作品が、本画集に収録されることでしょう。
本画集は、300ページ以上に及び、50年にわたる創作の軌跡から厳選して作品を収録します。
銅版画や鉛筆画の繊細な表現を最大限に引き出すため、用紙や印刷技術にも徹底的にこだわり、質感や細部のニュアンスまで忠実に再現。まさに、永久保存にふさわしい一冊として制作いたします。
78歳を迎える多賀さんは、「これは私の生きた証です」と語ります。52歳で大病を患いながらも創作への情熱を失わず、回復後は四国八十八カ所巡礼を47日間歩き抜くなど、常に新たな刺激とインスピレーションを求め続けてきました。
このひたむきな姿勢は、すべての作品に確かな足跡として刻まれています。画集を開くたびに、多賀さんの人生そのものが鮮やかに蘇ることでしょう。
リターンには、「通常版では手に入らない特別な特典」をご用意しました。
直筆の鉛筆画をはじめ、貴重なEXLIBRIS(蔵書票)制作、干支にちなんだ朱印帳(巳)、さらに、もう一つの創作の側面に迫る別冊『多賀新:エロティカ(性典)』集など、多彩な内容をご用意。
これらのリターンは2025年6月頃のお届けを予定しておりますが、準備が整い次第、順次発送いたします。お手元に届くまで、どうぞ楽しみにお待ちください。
昨今の美術出版を取り巻く環境は非常に厳しく、どれほど価値のある作品であっても、その記録を残すことが困難な時代となっています。
特に銅版画のような伝統的な技法は、デジタル技術の進展とともに、その記録を残す機会が失われつつあります。

多賀さんのベスト版ともいえる本画集の出版は、日本の銅版画芸術の歴史に新たな1ページを刻む、極めて重要な記録として、当社としては採算を度外視してでも実現させたいものと考えています。
当社には、明治時代から146年にわたり、日本の文化的価値の高い作品を世に送り出してきた出版社としての誇りがあります。
その歴史の中で、芸術家の創作活動を支え、その精華を後世に伝えることは、私たちに課せられた重要な使命であると考えています。
皆様からの温かいご支援が、日本の銅版画芸術の新たな地平を切り開く大きな力となります。
何卒、このプロジェクトの意義をご理解いただき、お力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
多賀 新(たが しん)
1946年北海道本別町出身。銅版画家。
1972年から日本版画協会展に毎年出展。
1983-84年文化庁在外研修派遣員としてアメリカ・西ドイツで研鑽を積む。
代表作に「銅版画・江戸川乱歩の世界」「新十二神将合体図」など。
2005年市川市民文化賞受賞。
現在も50年にわたる新作発表の個展を開催し、精力的な創作活動を続けている。
大英博物館(英、ロンドン)、セント・ジョンズ・カレッジ(英、ケンブリッジ大学)、スコティッシュァ―トクラブ(英、エジンバラ)、スミソニアン美術館(米、ワシントン)、ル―バア―トコレクション(米、フィラデルフィア)、北海道立帯広美術館、町田市立国際版画美術館、他多数。
皆様からご支援いただいた資金は制作費の補填とし、画集の完成を目指すとともに、販売促進の費用にも充てさせていただきます。
2025年
・4月21日 クラウドファンディング開始
・5月31日 クラウドファンディング終了
・6月上旬 画集 完成
・6月中旬 リターン発送開始
・6月下旬 画集 一般販売開始
※諸事情により日程が変更となる場合があります。


【個展】
・5月19日〜25日 柴田悦子画廊(銀座)
・12月11日〜21日 ライト商会ギャラリー(京都)
【グループ展】
・4月11〜19日 銀座人形館(他、札幌、小樽、御徒町)

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