特定非営利活動法人ORGAN
築100年超の元和紙原料問屋をリノベーション、「光」を通じて岐阜の伝統工芸と世界をつなぐ拠点に
特定非営利活動法人ORGAN（岐阜市湊町45、理事長：蒲勇介）は、2025年3月29日（土）、岐阜市川原町エリアの築100年を超える元和紙原料問屋「松井邸」をリノベーションした新たな文化観光施設「CASA stella（カーサ・ステラ）」をオープンします。
CASA stella 2F AKARI gallery
「光」をテーマに伝統と革新が融合する新たな文化観光拠点
「CASA stella」は、日本の和傘生産の7割近くを担う岐阜和傘と、お盆提灯で最も有名な岐阜提灯、世界的彫刻家イサム・ノグチが岐阜の提灯職人との協働で生み出した照明「AKARI」という三つの「光」をテーマに、伝統工芸を未来へつなぐための拠点として誕生します。
岐阜市の都市景観重要建築物に指定されている松井邸は、かつて和紙原料問屋を営んでいた歴史ある建物です。1817年創業の東濃の旅籠として存在し、濃尾大震災（1891年）後に現在地に移築改修されました。この、美濃和紙と深いつながりを持つ歴史的建造物が、現代に息づく岐阜の伝統工芸と革新を発信する新たな拠点として生まれ変わります。
現在も紙関連事業に取り組む松井家の「川星」という屋号は、長良川を行き来する船の"しるべとしての光＝星"を想起させます。そんな物語を背景に、”星＝stella”を名に冠した施設名となりました。
CASA Stella 外観
岐阜の誇る伝統工芸「和傘」と世界的デザイン「AKARI」のストーリー
岐阜は古くから長良川の水運を利用した川湊として栄え、上流から運ばれてきた美濃和紙や防水用のえごま油、竹などの原材料が集まることで、和傘や提灯などの伝統工芸が発展しました。最盛期の昭和20年代には、岐阜和傘の年間生産量は驚異の1200万本に達したと言われています。
和傘CASA店内展示 なぜ岐阜が和傘の一大産地なの？
また1951年、岐阜川原町を訪れた世界的彫刻家イサム・ノグチは、岐阜提灯の技術に触発され「光の彫刻」として「AKARI」をデザイン。以来35年をかけて200種以上のデザインを残し、現在も株式会社オゼキによって伝統的な手法で製作され続けています。
そして、「AKARI」が生まれた背景には、江戸時代より続く、岐阜提灯の歴史と技術がありました。明治11年（1878年）10月、明治天皇が東海北陸地方巡幸の際、岐阜にお泊りになった折、岐阜県の主要産品の一つとして岐阜提灯を天覧に供したところ、陛下のお目にとまるという光栄に浴し、岐阜提灯の名は全国へ広く知れ渡り、お盆提灯の定番としての地位を確立し今に至ります。
「CASA stella」では、この三つの「光」が織りなす岐阜の文化的価値を国内外に発信していきます。
多彩な店舗とサービスで岐阜の文化を体感
「CASA stella」には、以下の店舗・施設が入居します：
１．和傘CASA：全国唯一の岐阜和傘専門店。60本近くの和傘が常時展示販売され、職人の物語とともに岐阜和傘の美しさを伝えます。単なる販売だけでなく、和傘職人と購入者を繋ぎ、職人の想いが伝わる場を目指しています。
和傘CASA 店内
２．AKARI gallery：イサム・ノグチがデザインした「AKARI」の常設ギャラリー。和紙と竹からなる光の彫刻を間近で鑑賞できます。「陽光を思わせる光」と称されたAKARIの魅力を体感できる空間です。
AKARI gallery
３．OZEKI 川原町gallery：1891年創業の株式会社オゼキによる岐阜提灯のギャラリー。伝統的な技術で作られた提灯の美しさを堪能できます。イサム・ノグチが訪れた当時から変わらぬ技術で作られるAKARIの歴史の一部も紹介します。
OZEKI 川原町gallery
４．ORGANキモノ：昭和時代のレトロで可愛いアンティーク着物のレンタル・着付けサービス。古い町並みを着物姿で散策することができます。和傘と一緒にレンタルすれば、江戸時代から続く町並みで風情ある写真撮影も楽しめます。
ORGANキモノ 店内
５．冷したぬき天国 川原町店：岐阜のソウルフード「冷したぬきそば」を提供する店舗。店主の萩原雅規氏が「一杯入魂」の精神で作る完全無化調の冷したぬきそばを通じて、岐阜の食文化を発信します。岐阜の本物の歴史が残る古い町並みで、岐阜が誇るソウルフードを提供していきます。
冷したぬきそば
職人の手仕事を身近に感じる「長良川てしごと町家CASA」との連携
「CASA stella」のオープンに合わせ、2018年から運営している「長良川てしごと町家CASA」（岐阜市湊町29）もリニューアルし、より充実した伝統工芸の体験・継承の場として生まれ変わります。築100年以上の町家を活用したこの施設では、和傘の骨を作る職人の工房「傘骨屋」や「ORGAN活版印刷室」など、実際に職人が工房を構えています。
長良川てしごと町家CASA てしごとスタジオ
新設される「てしごとスタジオ」で多彩な体験プログラム
リニューアルに伴い新設される「てしごとスタジオ」では、以下の体験プログラムを提供します：
・「ミニぎふ和傘絵付け体験」：岐阜和傘職人が作った無地の和傘に自由に絵付けができる
ミニぎふ和傘絵付け体験
・「ぎふ提灯絵付け体験」：岐阜提灯に好きな絵や文字を描くことができる
ぎふ提灯絵付け体験
・「ぎふ雪洞（ぼんぼり）絵付け体験」：ひな祭りなどで使われる雪洞に絵付けができる
ぎふ雪洞（ぼんぼり）絵付け体験
・「岐阜和傘一日レンタル」：実際に伝統工芸品の和傘を持って町歩きを楽しむことができます。※レンタル場所はCASA stellaとなります。
岐阜和傘 一日レンタル
「CASA stella」と「長良川てしごと町家CASA」の連携により、伝統工芸の「魅せる」「買う」「体験する」「学ぶ」「継承する」といった循環を生み出し、持続可能な伝統工芸の産地として岐阜の価値を高めていきます。「長良川てしごと町家CASA」では、和傘職人を目指す人材の育成にも取り組んでいきます。
伝統工芸の継承と地域文化の持続可能性を目指して
特定非営利活動法人ORGANは、「長良川流域の命のつながりを取り戻し、お互いさま、おかげさまが当たり前のなにげに楽しい地域を作る」をミッションに掲げ、2030年までに「伝統的な生業が次世代に受け継がれている長良川流域の実現」を目指しています。
また、観光庁登録観光地域づくり法人（地域連携DMO）として、長良川流域の観光地域づくりの振興に取り組み、地域に眠る資源を活用した、高付加価値な体験や滞在をコーディネートしています。
「CASA stella」は、日本財団の助成金を受けた「長良川流域文化の継承サイクル創出のための拠点づくり」事業の一環として開設されました。伝統工芸の価値を未来に継承するための拠点として、地域内外の多様な人々との交流を生み出していきます。
施設概要
名称：CASA stella（カーサ・ステラ）
所在地：岐阜県岐阜市玉井町6
オープン日：2025年3月29日（土）
運営主体：特定非営利活動法人ORGAN
建物：築100年以上の元和紙原料問屋「松井邸」（岐阜市都市景観重要建築物）
設計：株式会社ミユキデザイン
施工：株式会社ワタケンホーム、コネクト、sunaba、株式会社タップスビトウ
壁画：yomikaki 山田真梨子
アクセス：JR岐阜駅・名鉄岐阜駅からバス、「長良橋」下車 徒歩3分
駐車場：店舗専用駐車場 第１駐車場25台 第２駐車場9台
CASA Stella 駐車場案内
入居店舗営業時間
和傘CASA・OZEKI 川原町gallery・AKARI gallery
定休日：水曜日・木曜日
営業時間：11:00から18:00
ORGANキモノ
定休日：水曜日・木曜日
営業時間：9:30から18:00
冷したぬき天国 川原町店
定休日：木曜日
営業時間：平日 11:00から17:00
土日祝日 11:00から14:30、17:00から20:00
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人ORGAN
〒500-8009 岐阜県岐阜市湊町45
TEL: 058-269-3858 FAX: 058-269-3857
担当：蒲、河口、熊田
Email: info@onpaku.asia
URL:
※本プレスリリースに関する取材等のお問い合わせは、上記連絡先までお願いいたします。
