~車両安全を支えるクラック検出の最前線~ X線CTとAIが拓く信頼性試験の未来

2025.03.21 09:00
昨今のものづくりの現場では、製品の安全性と信頼性がかつてないほど重要視されています。特に、自動車産業では一つの部品の不具合が人命に関わる重大な事故につながる可能性があります。
この課題に対し、X線CTとAI(人工知能)による非破壊検査技術を駆使したはんだ付けの信頼性を向上させる取り組みが進行中です。
今回は、この分野で革新的な技術開発を推進している研究開発部 実装技術研究チームの長谷川 将司に話を伺いました。
【プロフィール】
長谷川 将司(研究開発部 実装技術研究チーム)
2017年クオルテック入社。研究開発部・実装技術研究チームに所属。
本プロジェクトに取り組んでいる、クラックCT技術開発プロジェクトチーム(左から鬼塚、小西、緒方、長谷川、植木)
背後は最新鋭X線検査装置 ZEISS Xradia 610 Versa(カールツァイス社製)
はんだ付け解析の現状と課題
長谷川によれば、故障解析における最大の原因の一つが「クラック(亀裂)」です。このクラックをいち早く発見し、対策を講じることが、信頼性向上の鍵となります。しかし、従来の方法では、断面を直接観察するために研磨を行ったりと試料を破壊する必要があり、多大な時間と労力を要していました。
「自動車部品では、クラックの検出とその原因特定が命を守るための重要なプロセスです。この過程を効率化し、故障の予測や事前対策を可能にする技術が求められています」と長谷川は語ります。
X線CTとAIの融合で非破壊検査の新時代を拓く
そこで導入されたのが、X線CTを使った非破壊検査技術とAI解析です。X線CTは部品内部の状態を詳細に観察でき、AIは膨大なデータを解析し、異常や劣化の兆候を人間では気づけない相関から発見する力を持っています。
「AIを活用することで、従来の試験よりも迅速かつ正確に信頼性評価が可能になります。これにより、試験期間を大幅に短縮するだけでなく、製品寿命を延ばすための予測技術も進化しています」と、長谷川は強調します。
学会と社内連携で広がる可能性に期待
長谷川は研究開発部のAIチームや事業部と連携して得た結果や技術を学会や業界イベントで積極的に発信しています。特に、国際規格であるIPCの評価基準に基づいた技術展開が注目されています。これにより、異なる産業間での連携が強化され、新たなプロジェクトの機会が生まれることも期待されています。
「部署間や産業の壁を越えて連携できるのがクオルテックの強みです。この技術が広く普及すれば、業界全体の安全性向上に寄与できると確信しています」と長谷川は語ります。
【関連ニュース】
2024年 4月にアメリカ カリフォルニア州で開催された
にて、当社の研究開発部 人工知能研究チーム 植木 竜佑と研究開発部 実装技術研究チーム 長谷川 将司が登壇しました。
究極の未来への展望 ~図面から安全を予測する~
現在、長谷川のプロジェクトでは、AIを用いて設計段階から故障リスクを予測する技術の開発が進められています。将来的には、X線CTで撮影した画像データを元にクラック率を測定するだけでなく、設計図面から直接、信頼性や寿命を予測するシステムの実現を目指しています。
「最終的な理想は、試験をせずに予測だけで安全性を確保することです。それが実現すれば、製品開発のスピードも大幅に向上するでしょう」と、未来への期待を述べます。


【編集後記】
AIと非破壊検査技術の融合は、はんだ付けの信頼性向上だけでなく、製造業全体に革命をもたらす可能性を秘めています。長谷川の挑戦は、ものづくりの未来を大きく切り拓く一歩となることを期待しています。




<会社概要>
■株式会社クオルテック
代表取締役社長:山口友宏
本社所在地:大阪府堺市堺区三宝町4丁230番地
HP:
事業内容:
・半導体、電子部品の不良解析・信頼性試験の受託および新技術の開発
・品質管理を中心とした工場経営、実装技術に関するコンサルタント
・レーザ加工・表面処理(めっき)技術を中心とした微細加工
・試験装置の設計・開発・製造・販売


【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】 
株式会社クオルテック 広報・IR課 
電話:072-226-7185 
メールアドレス:communications_hq@qualtec.co.jp 
HP:

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