全日本ラリー選手権 第1戦「RALLY三河湾2025」で無線通信の実証実験を実施

株式会社JVCケンウッド
当社製の業務用無線システムとソフトバンクの「Starlink Business」が通信連携

株式会社JVCケンウッドは、ソフトバンク株式会社（以下、「ソフトバンク」）、モータースポーツ無線協会（以下、「MoSRA」）と共同で、3月1日（土）から2日（日）に開催されたJAF公認の国内最高峰のラリー競技である、全日本ラリー選手権 第1戦「RALLY三河湾2025」において、当社製の業務用無線システムとソフトバンクが提供する衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business（スターリンクビジネス）」の通信連携について実証実験を実施しました。本実証実験を通じて、無線通信が困難な高低差のある環境において不感エリアを解消し、広範囲で安定した通話ができることを確認しました。

当日の様子


＜実証実験の背景＞
当社製の業務用無線システムは、国内のラリーやサーキットレースをはじめとするモータースポーツでMoSRAが提供するモータースポーツ専用無線通信に使用されており、安定した通信や騒音の中でも会話できるクリアな音質とノイズキャンセリング技術などが高く評価されています。一方で、ラリーのコースは山間部が中心で、電波の特性上、無線通信が困難なエリアが一部存在しています。今回、MoSRAからの依頼を受けて、当該エリアにおける安定した無線通信を目指して、ソフトバンクとMoSRA、当社の3者共同で実証実験を実施しました。

業務用無線機（手前）と「Starlink Business」のパネル型アンテナ機材（奥）

＜実証実験の内容と結果＞
今回の実証実験では、ラリーの運営用途における無線通信で、当社の業務用無線システムとソフトバンクが展開する衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business」による通信連携を検証しました。大会本部と無線通信が困難な高低差のあるコースエリアに「Starlink Business」の機材を設置し、無線通信の音声をインターネットで送受信できる通信データに変換して通信を実施。その結果、不感エリアが解消されてより広範囲で安定した無線通信が可能となり、円滑な大会の運営に貢献できることを確認しました。

＜今後の取り組み＞
今後は、今回の実証実験で検証した通信連携をソリューションとしてモータースポーツ向けに提案していきます。また、同ソリューションのデータ通信機能を利用することにより、ラリーカーの通過タイムを自動計測するシステムの開発も実施しています。

さらに、同ソリューションを応用して、防災用途などでの活用も推進していきます。無線は災害時でも通信インフラの影響を受けないため通信手段として有効ですが、通信エリアが自営回線の電波到達範囲内に限られています。同ソリューションを応用することで、自営回線の通信エリア外でも無線通信が可能となり、遠隔地の指揮拠点と現場の間などにおけるコミュニケーション手段として活用することを目指していきます。

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