支援者ケアを常識に!福祉・医療・教育・介護・保育など対人支援者に向けたケアの場を47都道府県へ広げたい
私たちhelpwellは、豊かな支援を提供するために「対人支援職もケアを受けられる」取り組みを進めています。
現状、対人支援職自身のケアがセルフケアだけに頼る形になっています。
対人支援職が心身の健康を十分に守る「helper wellness」を目指し、支え合うことが当たり前となる社会を実現していきます。
対人支援職とは、このような人のことを指します。
「支援」や「ケア」を行う仕事につく対人支援職自身が、ケアされずにストレスを抱え続け、離職する現実があります。
対人支援業界では、これまで離職による人手不足が「仕方ない」ことだと捉えられてきました。
このような状況に対し、私たちは昨年度クラウドファンディングを実施し、対人支援職向けのケアワークショップを全国11都道府県で行い、160名に届けてきました。
実施を通して、うちの地域でも開催したい!開催して欲しい!という声をたくさんいただきました。まだまだ日本にはケアの場を必要とする方がたくさんいます。
そこで本プロジェクトでは、これまで11地域で行ってきた対人支援職に向けたケアの場を47都道府県へ広げます!!
私たちは次のことを願っています。
・対人支援者がストレスを抱え込み、休職・離職しやすい状況に対して「誰かをケアする人もケアされていい」という考えが社会常識となること。
・人のために頑張る人がストレスを抱え続けるのではなく、寄り添う支援や教育をつづけられる、優しい循環にあふれた社会になること。
このプロジェクトを通して、たくさんの協力者・賛同者の方と出会うことができれば幸いです!
対人支援職のストレスのリスクに関して、ご存知でしょうか?
福祉・医療・教育・介護・保育など、人を支える現場で働く対人支援職は自分自身のケアが後回しになりがちです。疲労・ストレスが重なり、健康が損なわれ精神疾患を負うリスクが高いです。厚生労働省、文部科学省からは精神疾患のリスクについて、次のようなデータが示されています。
ストレスには様々な要因があります。
helpwellで多くの対人支援職にお話を聞いたところ、実は「仕事を続けたいが、メンタルケアの方法が上手くいかない」と悩む人が多くいらっしゃいました。私たちはそのような対人支援職へ、離職やメンタルダウンを防ぐアプローチを行います。
「バーンアウト」はストレス反応の一種で「昨日まで普通に仕事に取り組んでいた人がある日突然、燃えつきたように意欲を失い離職や休職をしてしまう」ような状態のことを指します。
「まあ、支援現場ってそういうところだよね」
「ずっと変わってないし、仕方がないよね」
という声が大多数ですが、しかしそれは本当に解決できない課題なのでしょうか。
各企業・個人では、既にストレスを抱え込んだことによる離職・休職に対し、可能な限りの予防施策をとっています。
それでも、その場限りの短期的な解決になってしまったり、離職・メンタルダウンに繋がってしまっている現状があったりするため、解決できないのではないでしょうか?
では、一体どんなアプローチがあると、ストレスを抱え込みすぎないようにできるでしょうか?
対人支援職のみが数人集い、対話形式で行うワークショップを「ケアの場」として行ってきました。
ケアの場は、講義パートとワークショップパートに分けて実施しました。
講義パート
対人支援職の抱えるストレスについて、知識の講義を行います。
ファシリテーター自身の経験もふまえながら、丁寧にシェアしています。
ワークショップパート
講義パートの内容から生まれた問いを投げかけ、NVC(共感コミュニケーション)・チームコミュニケーション・マインドフルネスなど、様々なエッセンスをもとに感じたことを言葉にしていきます。
問いかけの例:
「私自身が、仕事/対人支援で大切にしたいことってなんだろう」
「最近仕事をしていて嬉しかった、もしくは弱ったなと感じたことは何があるか」
参加者の感想:
「相手の立場に立って物事を考えることに偏っていて、自己犠牲気味になっていたことに気がついた」
「ほかの参加者から『とても優しい人柄だね』と言われたことが嬉しかった」
「同僚に『仕事は適当にやれば良いよ』と言われた時のことを思い出し、少し虚しいと感じたことに気づいた」
個人ワークの後、グループで対話を行うことで、自分自身の状態や気持ちに気づきやすくなることが期待できます。
ケアの場では、参加者が仕事で感じる心の負担に対し自分で対処する方法を見つけるサポートをします。
メンタルダウンの未然防止(一次予防)と早期発見(二次予防)の両面で、効果を発揮することが特徴です。
仕事でつらくなる前に自らケアする方法を学び、さらに対話を通じて「すでに感じていたつらさ」に気づくことができます。これにより、これまで見逃していた心のサインをキャッチし、早期に適切なメンタルダウン対策を講じる力を身につけます。
特に強みと言えるのは、心に負担を抱えている状態から立ち直るきっかけを得られることです。
このワークショップは、対人支援職自身が「自分を守る力」と「心身のバランスを整える力」を育み、より持続可能な支援活動を実現するための、貴重な場として機能しています。
これまでに、11地域で160名ほどへ、ケアの場を提供してきました。
私自身はもともと、放課後等デイサービスや小学校にて子ども支援に携わってきました。子どもと関わることはとても好きで癒されるし、学びもおもしろく、仕事はとても向いているように感じていました。
しかし「自分自身含めた対人支援職を尊重し大切にすること」と「支援やケアを届け続ける」バランスが崩れていることに気がつき、とても虚しい感覚に襲われ子どもに関わることができなくなってしまいました。
子どもにまっすぐ向き合いたい想いで働いていた私は、本当の意味で人を助けたり支援をしたりすることなんてできてないんじゃないか、と考えてしまい、好きで情熱を注いでいた仕事を味気なく感じてしまいました。
仕事を続けよう、と思いながらも気力はわかず、コーチングやカウンセリングを受けながら自分自身に向き合い続けました。
向き合い続けながら、多くの人が似た状況を経験していることを知りました。
気づいてしまった以上、何かできることをしてみたい。
そんな中たどり着いた答えがケアの場を届けながら自分自身も癒していくという、helpwellの開催でした。
ケアの場の開催を通して、私自身も自分へケアを向けることを本当にたくさん学びました。
helpwellを通して得た一番のギフトは、過去の私は良い支援やケアをできていない部分もあったけれど、その時の私は精一杯に人に向き合い、子どもに関わることができていた、それでじゅうぶんなんだ、という気づきでした。
helpwellでは、このようなひたむきに真っ直ぐ人と関わりたい対人支援職に、ケアの場を広げる機会にしたいと思っています。
過去に私と似た経験をした方、またはそんな人にケアの場を届けたいと思う方、ぜひ応援・ご協力をお願いします!
①47都道府県に支援者ケアを志す仲間を増やす
helpwellは4月より、支援者ケア・ファシリテーターがつどう『47都道府県地域ケアコミュニティ』をはじめ仲間を募集します。
ここでは
⑴主催者がワークショップの開催を具体的にイメージするための研修(ワークの手法や支援者ケアについて学ぶなど)
⑵参加者も主催者も安全に過ごすためのルールや環境づくりを学ぶ研修(心理的安全性の高い場をつくる方法や参加者との対話の際のコメントの伝え方など)
を通して、開催のための企画段階から実行・ふり返りまでを1年間コミュニティで支えあいます。
地域での持続的な支援者ケアの実現には、一人一人の想いが大変重要です。
そのため
・ファシリテーター自身が『支援者ケア』というテーマについて、どんな関わり方をしたいかを深める
・バーンアウトについて、どんな風に伝えていきたいのか考える
・参加者・主催者双方ともに安心な環境になるためのルールを決める
・企画書の作成と次回への振り返り
を行います。
また、他地域で主催するメンバーとの横のつながりを通して、コミュニティとしてサポートします。
対話の時間では相互に深め合い、「自分の体験を話していきたい。少しずつ波を起こしていけたらいいな」「その場でその人が感じたことと向き合える時間を作りたい」「実際に場をひらいた時に、どんな風になるのか。すごく楽しみ」という感想もいただきました。
②仲間と共にケアの場を開催・継続する
〈開催に向けた発信・広報サポート〉
ケアの場の開催のお知らせや開催後の報告など、helpwellの活動をSNSにて発信しています。
・Peatixや公式LINEでイベント開催情報を発信
・noteを活用して開催レポートを配信
ワークショップの継続開催につなげるため『支援者ケア』に関心のある、全国のみなさまに情報を届けていきます。
〈継続開催による課題認識+検討会〉
継続開催により、支援者ケアに関する課題や改善ポイントが蓄積されます。
地域の場を開催したメンバーを招き
・出てきた課題や改善ポイントの共有会
・コミュニティ内にある『研究委員会』と連携して解決策の検討会
を開催します。
地域で場を主催するメンバーが、より良い支援者ケアを実施できるよう、コミュニティ全体でブラッシュアップをしていきます。
③支援者ケアを文化として地域に根付かせる
ケアの場を継続的に開催することで重要度が高まります。地域全体で支援者ケアに取り組む、モデル地域を増やします。
支援者ケアに取り組む地域を増やすことで、日本全体での支援者ケアの重要性を高めるアプローチを行っていきます。
〈尼崎の事例〉
2024年9~12月、兵庫県尼崎市のNPO法人サニーサイドのコミュニティスペース「hinata」にて、helpwellワークショップを3度実施しました。サニーサイドの児童ホームつくし・施設長の北林さんにもご協力いただき、サニーサイドスタッフの方や地域の対人支援職の方、のべ20名にご参加いただきました。
開催後に「職場のみんなでもワークショップをやってみたい」と声が上がり、来年度春の社内研修として取り入れていただく予定です。
理事長の松村さん含め、ゆくゆくは『尼崎を支援者ケアの街に』と、ともに構想を進めていただいています!(作戦会議中↓)
2025年3月 支援者ケアイベント開催者を募集
4月13日 クラウドファンディング終了
4〜6月 支援者ケアに関する学びと場づくり講座の実施
7月〜 47都道府県地域での開催
10月まで 随時リターン発送
2026年3月 成果発表会(予定)
資金の使い道――目標金額の内訳、具体的な資金の使い道
100箇所での開催目標
・ケアの場の場所代 100万円
・開催のための交通費 100万円
・広報費用(チラシ代など) 20万円
・開催企画研修費用 80万円
・人件費 200万円
合計500万円
募集方式について
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も計画を実行し、リターンをお届けします。
私たちが目指しているのは、よりよい支援が増える環境です。そのために、対人支援職が安心して自分を大切にできる仕組みを作りたいと考えています。
helpwell含めた対人支援職のケアの活動が活発化することで、例えば
・対人支援業界全体:「対人支援職自身へのケア」意識の向上
・養成校:資格取得課程で学ぶ項目の1つに「自身へのケア」が加えられる
・組織:対人支援者をケアすることを目的とした、研修プログラムを導入する際、国や各自治体からの補助金を活用できる
・対人支援職個人:職場でメンタルケアを求めやすく、適切かつ早期に対処でき、やりがいを持って働ける
こんな変化が起こることを期待しています。
どんな命も大切に社会に含まれ、ともに生きる社会をつくる。
そんな基盤となる可能性を秘めた「支援者ケア」のプロジェクトをともに育ててくれませんか?