M&Aから100%子会社化へ ―YOUR MEALが切り拓く、大企業×スタートアップの新時代

2025.03.05 10:00
2023年のDM三井グループとのM&A以降、着実な成長を遂げてきたYOUR MEAL。2025年2月、同社グループの100%子会社となり、新たなフェーズへと踏み出しました。今回は代表取締役CEOの須藤と、新たに参画する執行役員CBOの長瀬に、その歩みと展望を聞きました。


※関連プレスリリースはこちら
「YOUR MEAL、DM三井製糖の完全子会社に。ブランド責任者として長瀬次英氏を迎え経営体制を強化。」
M&Aから100%子会社化まで ―DM三井製糖との新たな挑戦
── M&Aから一年が経ち、どのような変化や成長がありましたか?


須藤:最大の変化は、描ける夢の範囲が広がったことです。今では原材料開発から小売りまでを一気通貫で手がけたり、病院食などの新規領域への挑戦も現実的な視野に入れたりと、やりたいことの実現スピードも圧倒的に早まりました。採用面でも今年度だけで7人が異業種から参画してくれるなど、多彩な人材が集まり始めています。
長瀬:外から見ていても、YOUR MEALの変化は明確でした。マッスルデリ(旧社名)時代から知っていましたが、M&A後は事業の幅が大きく広がり、本気で全国展開を目指す姿勢が見えるようになった。それが参画を決めた理由の一つでもあります。



── 今のタイミングで改めて100%子会社化を決断した背景をお聞かせください。


須藤:M&A時点で過半数の株式を渡しています。当初はマイノリティ出資の提案もありましたが、夢と未来に責任を持っていただくためには過半数以上の保有が必要という姿勢を強調してきました。


今のタイミングでの決断には、DM三井製糖の130年の歴史への敬意も込めています。レガシーな会社が次の100年、200年を生きるためにチャレンジする姿勢をリスペクトしているからこそ、共鳴したいと考えました。資金調達のしやすさなど子会社化のメリットは多々ありますが、私自身が時間との戦いを意識しています。40歳になり、残された時間の中で最大のインパクトを残したい。そのためにも今回の決断が必要でした。
YOUR MEAL 代表取締役CEO 須藤 大輔


人材系企業を経た後、楽天株式会社にてグループマネージャーとして事業会社向けにリサーチを軸とし商品開発/事業戦略構築の支援を実施。2017年株式会社アカツキ入社。2018年株式会社アカツキライブエンターテインメントに出向。同年執行役員、翌年に取締役COOとなり、アソビルの立ち上げ、経営に携わる。2021年にMuscle Deli取締役副社長COO就任。2023年より現職。
スタートアップと大企業の新しい関係性を目指して
── 日本では、スタートアップの成長戦略としてのM&Aがまだまだ少ない状況です。その要因をどう考えていますか?


長瀬:M&Aが少ない理由の一つに、バリュエーションの問題があると考えています。スタートアップはIPOを前提とした価格設定をしがちですが、それに見合う金額でM&Aできる企業が日本には多くはありません。ロレアルなどの海外企業は小規模な企業でも地道に買収を重ねていきます。彼らは腰が低く、小さな会社との統合にも真摯に向き合う。日本はその点で20年ほど遅れている印象です。


須藤:大企業のしがらみに耐えられずに、スタートアップ側の経営者が折れてしまうケースも多いですよね。最終的には大企業になることを目指して立ち上げているはずなのに、一緒になることには反発したり、その選択肢を避けることが多い。
でも、日本の市場は圧倒的に大企業が動かしているので、スケールの大きなことをやるにはDM三井グループのような大企業との関係をうまくコントロールしていく必要があると考えています。


── お二人が考える、大企業とスタートアップの理想的な関係性とは?


須藤:お互いの信頼関係、そして「愛」が大事。大企業側の担当者は往々にして「買うこと」がゴールになってしまいますが、互いに協業する姿勢は欠かせません。私たち自身、大企業での経験があるからこそ、市場がどう動いているか、その中でどう戦っていくべきかを知っています。日本のレガシー企業が次の100年を生き残るためには、スタートアップとの本気の協業が必要不可欠だと考えています。


長瀬:日本で勝ちたいなら、大企業との関係性は避けて通れません。KDDIにいた経験からも、大企業のネットワークや信用力の重要性は非常に痛感しています。ただし、夢を達成するために手段を選ばない覚悟も必要です。YOUR MEALは全国に食を届けようとしているからこそ、腹を括って大企業との協業を選択した点に共感しています。
YOUR MEAL 執行役員CBO 長瀬 次英


1976年京都生まれ。2000年KDD(現・KDDI)入社。J. W トンプソン、ユニリーバ・ジャパンなどを経て、フェイスブック・ジャパンでは2014年にインスタグラムの初代日本事業責任者に。そのほか、ロレアル日本法人初代CDO、LDH JAPAN執行役員兼CDOなどを歴任。2019年以降は複数企業の顧問としてパラレルワーキングを実践。2025年より株式会社YOUR MEAL 執行役員CBO(Chief Branding Officer)として就任。
温かみのある食のイノベーションを加速させていく
── 長瀬さんがYOUR MEALへの参画を決めた理由、そして目指したいブランドの方向性をお聞かせください。


長瀬:YOUR MEALへの社名変更を知った時、この会社の覚悟を感じました。マッスルデリは筋トレ好きや本気でダイエットする方々という限られたターゲット層でしたが、「YOUR MEAL」の対象は国内だけでも約1億2千万人いる中で、そこまでターゲットをビジュアライズできる会社は珍しい。さらにDM三井グループに入ったことで、世界を変えるスケールで食を届けようとしているんだなと。他のスタートアップにない動きに見えました。


今後は「YOUR MEAL」を「MY MEAL」と呼んでもらえる存在にしていきたいです。そのためには、パーソナライズといったテクノロジー活用だけではなく、人生の重要な局面に寄り添える存在になることが重要です。例えば受験期や結婚式の準備期間など、一緒に何かを乗り越えて初めて「マイフレンド」になれるような存在。そういった深い関係性を築けるブランドを考えています。


須藤:社名変更は、マッスルデリという認知されたブランドを捨てることになる大きな決断でした。でも、筋肉市場でナンバーワンを取ることが目標ではないと明確に示したかった。「BUILD MEAL! CHANGE WORLD!」という新たな企業スローガンのもと、一人ひとりの人生に寄り添える食をつくっていこうと、大きな一歩を踏み出すタイミングでもあったんです。
──具体的にどのようなイノベーションを起こしていきたいですか?


長瀬:テクノロジーと人の温かみの融合を目指しています。健康データに基づく食事提供は既に多くの企業が取り組んでいますが、私たちはそこに「お母さんの気持ち」のような温かさを加えたい。「最近子どもが疲れているから、おかずにしじみを増やそう」などといった、データだけでは導き出せない愛情のある判断をAIに組み込んでいきたいですね。
そのためにも、現在は「
」の展開を通じてお母さん層とのコミュニケーションを大切にしています。私自身、リプトンを担当していた時にお茶を通じて人々の気持ちを前向きにできる喜びを知りました。YOUR MEALでも、そういった温かみのあるイノベーションを実現していきたいと考えています。


須藤:結局は「愛」なんですよね。マッスルデリ時代も「人生が変わった」というユーザーは長期的に継続してくれました。そういった深い関係性を、より多くの文脈で作っていきたいです。
DM三井グループのアセットと私たちのスピード感を組み合わせることで、食を通じた新しい価値創造が可能になると確信していますし、そこに長瀬さんのような経験豊富な仲間が加わることで、より一層可能性が広がっていくのが楽しみです。


──最後に、新たなステージに向けて、どのような仲間を求めていますか?


須藤:M&A後にめちゃくちゃ成功した会社として、日本企業の新しいモデルケースになりたい。そのためにも必要な才能を幅広く募集しています。特に「BUILD MEAL! CHANGE WORLD!」を体現できるマーケターやプランナー、広報人材を求めています!


長瀬:単なるスキルだけでなく、食を通じて世界を変える情熱を持った方と働きたいですね。温かみのあるイノベーションを実現すべく、大企業とスタートアップの垣根を越えて新しい価値と愛を共に創り、届けていきましょう。

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