株式会社The Chain Museum
参加アーティストは、市田優奈、江藤央羅、岡村あい子、今実佐子、坂本那々莉、須釜衣緒里、多田恋一朗。展示作品はArtStickerにて販売。
株式会社The Chain Museum(本社:東京都渋谷区、代表取締役:遠山正道、以下「The Chain Museum」)は、当社が運営する六本木にある飲食併設のギャラリー「アートかビーフンか白厨(パイチュウ)」にて、2025年2月18日(火)~3月22日(土)の会期で、東京のコマーシャルギャラリーである「TAKU SOMETANI GALLERY」と「myheirloom(マイエアルーム)」の2ギャラリーによる共同企画展「 [ DIALOGUE ] ~ my other self ~」を開催いたします。
※本展の出展作品はArtSticker限定で販売いたします。また全て「先着制」で2025年2月18日(火)17:00から販売受付をいたします。
※2月22日(土)19:30-21:30にはどなたでも無料でご参加いただけるレセプションを開催し、展示作家のうち数名も在廊いたします。
展覧会ステートメント
「ダイアローグ」とは対話を意味する言葉です。本展では、キャンバスや画面との対話を通じて自己を見つめながら、外界との関わり方を模索する7名の作家を選出し、企画されました。言語では表しきれない感情の表現や、社会の中における自分、そして他者との関係性などに焦点をあてながら、多様な平面表現のあり方を探ります。
TAKU SOMETANI GALLERYからは、市田優奈、岡村あい子、多田恋一朗の3名を選出いたします。
市田優奈は、2023年春より今回展示する「ラブレターシリーズ」の制作を開始しました。ラブレターは、渡す相手に伝えたいことや相手に対して抱いているポジティブな内容を書きますが、一方で嫉妬、束縛、愛憎などの、一種の暴力性を持ったネガティブな内容は、直接相手に伝えるのは憚られ言葉に書き込むことなく心に置いたままになります。しかし、それらのネガティブな内容も、好きな人と自分との関係を繋ぐ重要な要素の一つであると考えています。
岡村あい子は、絵画に時間の軸を与え、動く絵画として作品を発表しています。アニメーションを絵画に持ち込み制作するにあたり、映像作品の数ある要素のうち<時間>に着目し”絵画に時間の軸が与えられたもの”を自身の制作におけるアニメーションと位置づけ、その軸で虚無感や寂寥感の表現を続けています。
多田恋一朗は、「君」シリーズに代表されるように、これまでに多くのポートレートを描いてきました。それは特定の誰かではなく、これまで会ってきた人達のキメラか、はたまた作家の理想を描いた自画像的なものなのか、自身にも説明出来ない作家と共に変化していく流動的な空想上の人物やその在り方について考察し、ポートレートを描き続けています。
myheirloom(マイエアルーム)からは、江藤央羅、今実佐子、坂本那々莉、須釜衣緒里の4名を選出いたします。
江藤央羅は、一般的に認識される体験や事象における特定のイメージ(誰もが共通のものとして思い浮かべる姿)から脱却し、絵画だけが持つ「リアリティ」を獲得しようと試みています。代替可能なものが溢れ、複製や改変が容易な世の中。どこかで見たことある光景や経験であふれる現代は、江藤にとって常に現実感を剥奪された様な状態にあるようです。
自身の記憶、そのディテールや個性、独自性を伴ったモチーフと共に絵画の世界を構築するためにバーテンダーとして働き始めた過去を持つ江藤は、絵画と対峙するその空間を自身にとってリアルなものにするために制作しています。
今実佐子は、化粧品を画材として用い、自画像と称する抽象絵画を制作しています。支持体の研究を重ね、自身をキャンバスに見立てて装飾していく様は、さながら生の痕跡を刻むための儀式のようです。
作品は肌のようにも見え、実際に対面することで温かみを感じるほどの質感と、生命力のようなものを放ちます。
作家自身の生き様を投影した「写鏡」としての絵画は、鑑賞者との対話を通じて、これまでの生き方、そしてこれからの生き方について思いを巡らす契機となるかもしれません。
坂本那々莉は、自身が主演・監督・制作を務める空想の映画を、ペインティングとして描き起こし、理想と現実、憧れと葛藤が交差する瞬間を切り取っています。作品のタイトルやビジュアルからは、煌びやかな女性性や「自分らしく生きること」への鼓舞が連想されます。しかし、その裏には、生きることへの苦悩や社会に対する静かな怒りが込められています。「こうで在りたい」という願いには、強いリアリティを孕みつつも、映画やドラマのような理想像への憧れも滲みます。“もしも自分が一生をかけて映画を撮るとしたら、どんなストーリーになるだろうか。” その問いには、多くの人が寄り添い、あるいは居場所を見出せるような救いがあると同時に、女性が自身の生を肯定するための意志が込められています。坂本は制作を通じて、祈りと願いを結実させ、個人の心の拠り所となるとともに、社会に対しても静かに、しかし確かに問いを投げかけています。
須釜衣緒里は、市場に出回っている衣服や生活用品などを「現代という時代の空気を吸ってきた同居人」的なものと捉えて画面内に閉じ込め、作品化しています。画面を塗りつぶしたり消したりする行為は、日常の中で書類に訂正線を引いたり捺印したりする行為と類似するものだと捉えた時、絵画におけるマチエールとそこに残る痕跡は、作家自身の生の積み重ね、これまでの歩みと「今」を表すものでもあるでしょう。須釜自身と共存してきたもので作品が形作られるゆえ、そこにはもしかすると言いたくとも言えなかったことや、かき消された声のようなものが詰まっているのかもしれません。ハイヒールやパンプスから聞こえるメッセージと、塗り重ねられた画面との対話から、どのようなメッセージを受け取るのかは鑑賞者に委ねられています。
7人が作品を通じ伝えようとする思いの中には、一部共通するものがあるように思います。絵画や美術作品が美しいものである前に、現代におけるメッセージを伝えるものであるとするならば、鑑賞者は作品から何を感じるべきなのでしょうか。副題となる ~my other self~ とは「もう一人の自分」という意味です。目の前の作品との対話を通じて自身の感情と経験、それらを作家からのメッセージと通わせ合い、想像することで、新しい自分と出会うための機会となることを願います。
TAKU SOMETANI GALLERY ディレクター 染谷 琢
myheirloom ディレクター 熊野 尊文
開催概要
TAKU SOMETANI GALLERY × myheirloom Crossover Exhibition [ DIALOGUE ] ~ my other self ~
会期
2025年2月18(火)~3月22日(土)
※2月22日(土)19:30-21:30レセプション開催(どなたでもご参加いただけます)
会場
アートかビーフンか白厨
住所
〒106-0032 東京都港区六本木5丁目2−4 朝日生命六本木ビル 2階
(エレベーターの左手奥にある階段を2階までお進みください)
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電話番号
03-6434-9367
開催時間
17:00~23:00
休館日
日・月
観覧料
無料
アクセス
日比谷線「六本木駅」徒歩4分、大江戸線「六本木」徒歩7分
千代田線「乃木坂駅」徒歩13分、南北線「六本木一丁目駅」徒歩13分
参加アーティスト
市田優奈 / Yuna Ichida
江藤央羅 / Ora Eto
岡村あい子 / Aiko Okamura
今実佐子 / Misako Kon
坂本那々莉 / Nanary Sakamoto
須釜衣緒里 / Iori Sugama
多田恋一朗 / Koiichiro Tada
主催
ArtSticker
企画
TAKU SOMETANI GALLERY
myheirloom
展覧会URL
市田優奈 / Yuna Ichidaラブレターをテーマに好きな相手に対するポジティブ・ネガティブな記憶や心情を主に油絵で制作。
江藤央羅 / Ora Eto現代社会においての日常体験、経験はしばしばパターン化され一 般化されることで個々の体験の新鮮さやリアリティが失われがちである。しかし本来其々の体験というのは唯 一 無二のものである。私はその一般化された認識に「ノイズ」を加えることで消去されてしまったディテールや個性を再び認識させ、鑑賞者に本来の個別特殊な経験を想起させたいと考えている。こうして私の作品は“リアリティ”を取り戻し、繰り返しの中から新たな経験を促すことのキッカケになることを目指している。
岡村あい子 / Aiko Okamura1999年神奈川県出身。武蔵野美術大学油絵学科に所属しながらアニメーションに出会い、「動く絵画」を制作するようになった。2024年大学院修了後同大学助教に就任。アニメーションと絵画の境界線に立ち制作を続ける。
アニメーションを絵画に持ち込み制作するにあたり、映像作品の数ある要素のうち<時間>に着目し扱ってきた。“絵画に時間の軸が与えられたもの”を自身の制作におけるアニメーションと位置づけ、その軸で虚無感や寂寥感の表現を続ける。静止画では起こり難い、“いくら待っても大した出来事が発生しない”を起こすのである。
辛いことを忘れ弱い部分を隠して生きる私たちは、部屋の隅でしくしく泣いた記憶や、打ちひしがれ道端で黄昏た時間を空白と呼ぶ。それがいくら大きな虚でも、孤独な経験は慰め合うにも難しく、痛みに耐えながら徐々に瘡蓋になるのを待つ必要があるだろう。岡村の作品はその過程に存在する。無数に線を重ねながら、私たちの内包する数十年の時間に確かに存在する“大した出来事が発生しない”時間、を線描でなぞっていく。孤独を耐え忍ぶ私たちを刻みこみ、あわよくば慰めになるようにと淡い期待をこめながら。
今実佐子 / Misako Kon1991年東京都生まれ。2016年筑波大学大学院人間総合科学研究科 博士前期課程修了。自らの絵を「自画像」と捉え、口紅やファンデーション、アイシャドウなどの化粧品を使用して絵を描く。
坂本那々莉 / Nanary Sakamoto自身が主演・監督・制作を務める映画のように、絵画を構築する。女性として生きる葛藤や憧れ、静かな怒りを、古いフィルムの質感を思わせるマチエールで描き、理想と現実が交錯する物語を紡ぐ。
須釜衣緒里 / Iori Sugama2001年 埼玉県生まれ
2023年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
多田恋一朗 / Koiichiro Tada東京藝術大学大学院美術研究科 絵画専攻油画技法材料研究領域修了。
SNSなどに代表されるような肉体不在の人格をテーマに、絵画を中心に表現を展開している。主な個展に(TAKU SOMETANI GALLERY、2018)、「次元打ち鳴らす君のBEAT」(Bambinart Gallery、2016)、(春夏秋冬gallery、2015)主なグループ展に「絵画・運動(ラフ次元)」(四谷未確認スタジオ、2018)、「LANDSCAPE:detour for White Base」(Bambinart Gallery、2017)、「牛窓・亜細亜藝術交流祭」(瀬戸内市尻海地区、2017)、「ストレンジャーによろしく」(名古屋市民ギャラリー矢田、2015)
企画(TAKU SOMETANI GALLERY、myheirloom)
TAKU SOMETANI GALLERY
TAKU SOMETANI GALLERYは2018年5月に開廊。主に国内の若手作家を中心に国内、また海外に向けて広く紹介していく。21年10月に馬喰町から外苑前に移転。
myheirloom
myheirloomは、今後大きく活躍が期待される国内若手アーティストを中心に作品形態に拘らず多様な視点から企画展を運営するコマーシャルギャラリー/プロジェクトです
絵画や彫刻の他、陶器・ガラス等の日用工芸品、写真・映像作品に至るまで「現代美術」という言葉にとらわれずシンプルに「良いクリエイティブ・表現の形」として作品を身近に感じてもらうことはできないだろうか
現在進行形で刻まれるアーティストの「歴史・生き様」を届けられないだろうか
「あなたにとって″大切ななにか″と出会える空間」をテーマに非日常なものであると思われがちな美術作品を日常の中に当たり前のように浸透させ新たなカルチャーへの入口として開かれた場所を目指します
会場:アートかビーフンか白厨(パイチュウ)について
ArtStickerを運営するThe Chain Museum がプロデュースする台湾料理が楽しめるアートギャラリーです。再開発で取り壊しの決まっている雑居ビルにて毎月アートプロジェクトを企画運営しています。「アートかビーフンか」という名前の通り、お客さまにはギャラリー空間での作品鑑賞を楽しんでいただくことも、飲食スペースにて食事をしていただくことも可能です。(ドリンク片手に作品鑑賞も可能です)店名の「白厨」はホワイトキューブへのリスペクトや憧れと、キッチンから漂う安心感や温かみを組み合わせた造語です。
▼Instagram
ArtSticker(アートスティッカー)について
株式会社The Chain Museumが運営する、アートに出会う機会と、対話を楽しむ場所を提供し、アート鑑賞の「一連の体験をつなぐ」プラットフォーム。著名アーティストから注目の若手アーティストの作品まで、幅広く収録。作品のジャンルも、インスタレーション、絵画、パフォーミングアーツなど、多岐にわたっています。
また、ArtStickerはデジタル上だけでなく、リアルでユニークな場所と出会うことで、アートやアーティストが世界と直接つながることを希求しています。
▽ArtSticker Webサイト
▽ArtSticker ダウンロードURL
App Store:
株式会社The Chain Museum概要
社名 :株式会社 The Chain Museum(読み:ザ・チェーンミュージアム)
所在地 :東京都渋谷区猿楽町17-10 代官山アートビレッジ3階 代官山TOKO
代表者 :代表取締役 遠山 正道
▽The Chain Museum 公式Webサイト