発売前重版決定!『大豆生田啓友対談集 保育から世界が変わる』2025年1月29日発売。保育・幼児教育の枠を超えて、多様な領域の研究者たちと「子どもを真ん中に置いて」語り合う。刊行記念連続イベントも。

2025.01.27 11:53
株式会社北大路書房
子どもたちの未来のために、豊かな社会・文化を創造するために、保育・幼児教育の中だけで議論するのではなく、哲学・経済学・認知発達科学・法学など様々な領域の研究者たちと「子どもを真ん中に置いて」語り合う。

心理学を中心に教育学や幼児教育・保育の専門図書を発行する株式会社北大路書房(所在地:京都市北区)は、最新書『
』を2025年1月29日(水)に発売します。
「保育から世界が変わる」とは? 
 タイトルに入っている「保育から世界が変わる」とは一体どういうことなのでしょうか。社会と保育との関わりについて、次のように述べられています。
 ......「保育から世界が変わる」って、かなり大きなテーマではありますが、ちょっと考えてみてください。いま、子育てが大変なのも、少子化が進んでいるのも、子どもの体験が不足しているのも、自己肯定感が低いのも、不登校が増えているのも、保育の負担感が大きいのも、すべては私たちの社会の在り方を反映しているといえるでしょう。......つまり、私たちが生きている世界の問題なのです。それは言い換えれば、私たちは保育という営みを通して、社会課題に対峙しているといえるのです。まさに社会問題は保育問題でもあるのです。......
(本書「はじめに―「保育から世界が変わる」とは?」より)

 また、続けて、保育の問題を考えることこそが社会、生活世界の問題を考えることにつながると述べます。
 ......いま、私たちが掲げている保育の在り方として、子ども主体や人権を重視する保育、遊び中心の保育、自然との関わりを重視する保育、対話を重視する保育、家庭や地域とのつながりのなかで協働的に行う保育等々があります。これらは、子どもの最善の利益やウェルビーイングの観点から考えられているものですが、同時に私たちの社会全体のウェルビーイングにつながる視点でもあります。経済優先、効率優先、個人優先の社会は子どもが健全に育つことに困難さをもたらします。しかしそれは同時に私たち大人やその社会の健全さにも闇をもたらすものです。子どもの問題は私たちの社会全体の問題、私たちの生活世界全体の問題でもあります。つまり、保育の問題を考えることは、私たちの社会や生活世界の在り方にダウトをかけることなのです。......
(本書「はじめに―「保育から世界が変わる」とは?」より)

保育界をリードする大豆生田先生と、各領域の第一線で活躍する研究者との対談
 保育・教育を牽引してきた渡邉英則先生、無藤隆先生、秋田喜代美先生との対談に加え、苫野一徳先生(哲学)、山口慎太郎先生(経済学)、明和政子先生(比較認知発達科学)、村上靖彦先生(現象学)、荒牧重人先生(法学)など、各領域の第一線で活躍する研究者との対談を収録!聞き手の木村明子さんによる各対談毎の「聞き手・木村の〈視点〉」も必見!
主な目次
はじめに 「保育から世界が変わる」とは? 
1 なぜ、僕らは、保育の世界に引き込まれたか――面白さと葛藤のはざまで  渡邉 英則 × 大豆生田 啓友 
2 保育・幼児教育のあゆみ――平成元年「幼稚園教育要領」改訂を道標に  無藤 隆 × 大豆生田 啓友
3 新たな保育・教育像を「哲学」から考える――そもそも「教育」は何のためにあるのか  苫野 一徳 × 大豆生田 啓友
4 子育て、保育・教育を「経済学」から考える――経済政策と子ども・子育ての関係  山口 慎太郎 × 大豆生田 啓友
5 子育て・保育を「比較認知発達科学」から考える――ヒトの脳とこころの発達と子育ての関係  明和 政子 × 大豆生田 啓友 
6 「ケアする」ということから保育・教育の本質を考える――生きることを肯定する営み  村上 靖彦 × 大豆生田 啓友
7 「子どもの権利条約」から保育の基本を考える――「こども基本法」成立施行を受けて  荒牧 重人 × 大豆生田 啓友 
8 保育・幼児教育の未来を語る――ウェルビーイング、クリエイティビティ、スロー・ペダゴジー……  秋田 喜代美 × 大豆生田 啓友

ゲストを招いた三大刊行記念オンラインイベントも予定!
第1弾:大豆生田啓友×汐見稔幸  子どもと保育と人間と…―保育の視点から人間諸学との接点を探る― 2月7日(金)20時~
登壇者:大豆生田 啓友(玉川大学教育学部教授),汐見 稔幸(東京大学名誉教授),木村 明子(ファシリテーター、エディター・ライター、保育者養成校教員)

第1弾イベントページ:
第2弾:大豆生田啓友×苫野一徳 「対話」を通してこれからの保育・教育を哲学する―「自由と自由の相互承認」を土台に― 2月11日(火・祝)20時~
登壇者:大豆生田 啓友(玉川大学教育学部教授),苫野 一徳(熊本大学大学院教育学研究科准教授),中岡雄介(京都市立中京もえぎ幼稚園),曽木書代(陽だまりの丘保育園園長)

第2弾イベントページ:
第3弾:大豆生田啓友×つるの剛士 やっぱり、子どもっておもしろい! 保育って楽しい! 2月20日(木)20時~
登壇者:大豆生田 啓友(玉川大学教育学部教授),つるの剛士(俳優・歌手・タレント),町井芽生(鳩の森愛の詩瀬谷保育園保育者)

第3弾イベントページ:
(近日公開)
執筆者紹介
大豆生田 啓友(おおまめうだ・ひろとも) 著
玉川大学教育学部教授。専門は、乳幼児教育学、子育て支援。
青山学院大学大学院文学研究科教育学専攻修了後、青山学院幼稚園教諭等を経て、現在。日本保育学会副会長、こども環境学会副会長。
こども家庭庁「こども家庭審議会」委員および「幼児期までのこどもの育ち部会」委員(部会長代理)、文部科学省「今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の在り方に関する有識者検討会」委員、栃木県幼児教育センター顧問、よこはま☆保育・教育宣言運用協議会委員、NHK・Eテレ「すくすく子育て」出演、テレビ静岡「テレビ寺子屋」出演、等。
主著 『多機能化と地域共創の園づくり』(編著、フレーベル館、2024年)、『子どもが中心の「共主体」の保育へ』(監修、小学館、2023年)、『「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を目指して』(共著、北大路書房、2023年)、『あそびが学びとなる子ども主体の保育実践 子どもと社会』(編著、Gakken、2023年)、『非認知能力を育てる 「しつけない」しつけのレシピ』(共著、講談社 2021年)ほか多数。
木村 明子(きむら・あきこ) 聞き手
ファシリテーター。エディター・ライター。保育者養成校教員。
大学で教育学を学んだ後、子ども・保育・教育のジャンルで雑誌原稿の執筆や単行本執筆・編集を行う。2005年より、P研〈保育者の専門性研究会〉の企画・運営。また、同年度よりNPO法人東京都公立保育園研究会の子育て支援活動の取り組み支援に携わる。その他、一般財団法人文民教育協会子どもの文化研究所運営委員、等。
主著 『保育者論』(共著、ミネルヴァ書房、2018年)、『子どもと働く』(単著、ぺりかん社、2014年)、『保育園・幼稚園で働く人たち』(単著、ぺりかん社、2012年)ほか。
編集として携わった書籍 『コミックで発信★保育に活かす子どもの権利条約――「保育通信」より』(公益社団法人全国私立保育連盟:編、エイデル研究所、2022年)、『子どもの権利――次世代につなぐ』(喜多明人:著 エイデル研究所、2015年)、『共育て共育ち 鳩の森愛の詩保育園』(汐見稔幸:監修、小学館、2005年)ほか。
対談者一覧
渡邉 英則(わたなべ・ひでのり) 港北幼稚園園長・ゆうゆうのもり幼保園園長。
無藤 隆(むとう・たかし) 白梅学園大学名誉教授。
苫野 一徳(とまの・いっとく) 熊本大学大学院教育学研究科准教授。
山口 慎太郎(やまぐち・しんたろう) 東京大学大学院経済学研究科教授。
明和 政子(みょうわ・まさこ) 京都大学大学院教育学研究科教授。
村上 靖彦(むらかみ・やすひこ) 大阪大学大学院人間科学研究科教授。
荒牧 重人(あらまき・しげと) 山梨学院大学名誉教授、子どもの権利条約総合研究所代表。
秋田 喜代美(あきた・きよみ) 学習院大学文学部教授、東京大学名誉教授。
書誌情報
【書 名】大豆生田啓友対談集 保育から世界が変わる
【著 者】大豆生田啓友
【聞き手】木村明子
【対談者】渡邉英則、無藤隆、苫野一徳、山口慎太郎、明和政子、村上靖彦、荒牧重人、秋田喜代美
【定 価】2,200円(本体2,000円+税10%)
【判 型】A5判 240頁
【発 行】株式会社北大路書房
【発売日】2025年1月29日
【コード】ISBN:978-4-7628-3275-8  C3037
【概 要】保育・幼児教育の変革期にあるいまだからこそ、議論すべきことがある。子どもたちの未来のために、豊かな社会・文化を創造するために、保育・幼児教育という限られた枠のなかだけで議論するのではなく、哲学・経済学・現象学・認知発達科学・法学など様々な領域の研究者たちと「子どもを真ん中に置いて」語り合う。
【商品ページ】
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