おでかけガイドブックの人気シリーズ「大人の小さな旅」が全面改訂。“いま、行きたい 気になるあの場所”を提案する改訂版の誕生秘話を編集長が語る

2024.11.26 17:07
株式会社昭文社の「大人の小さな旅」シリーズは2016年3月の首都圏を皮切りに<思い立ったらすぐ行ける大人のおでかけ提案型ガイドブック>として出版を重ね、おかげさまで累計発行部数が100万部を超える大ヒット商品シリーズとなりました。⇒https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000159.000007916.html
2024年秋、それらの全面改訂版が登場しました。改訂にあたりコンセプトを見直し、装いも新たにリニューアルした「大人の小さな旅」。改訂に込めた思いを、シリーズ編集長の工藤信広が語ります。
「大人の小さな旅」シリーズ編集長 工藤 信広(くどう・のぶひろ)
2006年入社、地図編集部を経て13年より旅行書編集部。これまでの代表的な担当商品は『旅地図 日本』『レールウェイマップル全国鉄道地図帳』。今回編集長として人気シリーズ「大人の小さな旅」の改訂にあたり、コンセプトの検討や表紙デザインの検討を主導した。
累計100万部超え。首都圏版から始まった「大人の小さな旅」が愛される理由と成功物語
ーーー初版はどのような構成で、どこが好評だったのでしょう?
工藤:初版時の「大人の小さな旅」は、歴史やアートに触れる「大人の街めぐり」、自然あふれるハイキングなど「大人の遠足」、ちょっと贅沢なランチなど「大人の美味しい旅」という構成で、「思い立ったらすぐ行ける」「ちょっとした発見がある」「おしゃれでちょっと贅沢」な大人の好奇心を満たすおでかけ、をご提案する内容でした。


旅情をかき立てる大判で美しい写真と抒情的なテキストの組み合わせが好評を博し、シリーズ最初の首都圏版だけで10万部を超える発行部数を記録。シリーズの人気を決定づけました。
<最初に発売された『首都圏発 日帰り大人の小さな旅』表紙>
改訂にあたって変えたところ
|| 「いま、行きたい 気になるあの場所」を表す顔として相応しい表紙デザインに
ーーー何といっても表紙が大きく変わったわけですが、どんな経緯で決まったのですか?
工藤:今回の改訂では「大人の小さな旅」シリーズのよさは継承しつつも、コロナ禍を経て旅行に対する価値観が変わり「行けるときにここは行っておきたい」というとっておきの場所へのニーズ、憧れが強くなっていることに鑑み、「いま、行きたい 気になるあの場所」というコンセプトを前面に打ち出すことにしました。
表紙はそれを表す一番の「顔」ですから、改訂エリアの各担当とじっくり練り上げました。
<上:コンセプトの検討時に作成したマトリックス、下:表紙6案を並べたもの>


検討の材料として作ったのがこのマトリックスです。縦軸は刷新感、横軸は手軽さやおしゃれさをあらわす方向(カフェやベーカリーなどの被写体やライトな絵柄で構成したデザイン)となっています。


横軸が右になればなるほど当社の主力ガイドである「ことりっぷ」のテイストに近くなります。最終的にやはり大人の硬派さや骨太さは残したいということで…マトリックスの中央左のデザインに着地しました。
|| バリエーション豊かに。全国各地の写真と光沢素材を取り入れた新しい表紙
<上:改訂前の表紙、下:今回の表紙>


ーーー初版時は画像がないマットな(ツヤのない)表紙でしたが?
工藤:「いま、気になる場所」が端的にわかるもの、ということで写真を入れることになったわけですが、写真をより引き立たせるために、ツヤ(光沢)のある加工の紙にしました。


ーーーこうしてみると、6つのエリアそれぞれ、ずいぶんテイストの異なる写真になっていますね。
工藤:8~10月にかけて全国6エリアで一斉に改訂版が出ることもあって、絶景だったり、グルメだったり、建築物の内観だったり、バリエーション豊かな表紙たちを展開したい、という思いがありました。
<6点の表紙>
|| 写真選びにも苦心。「非日常感を切り取ったもの」をテーマに神奈川版はファームマーケットを採用
ーーー表紙に載せる画像はどんな考えで選んだのでしょう?
工藤:例えば神奈川版は、以下の4つのスポットが候補に挙がりました。
1枚目 鎌倉 MOKICHI_KAMAKURA(熊澤酒造の蔵元発酵料理レストラン)
2枚目 川崎 SOLSO_FARM(週末だけオープンのファームマーケット)
3枚目 鎌倉 アナン(古民家のスパイス専門店)
4枚目 鎌倉 WITH_KAMAKURA(白川郷移築の合掌造り古民家レストラン)


その中で、結果的に2(ファームマーケット)になったのですが、それは「写真はカタログのようなものではなく非日常感を切り取ったもの」という考えからなんです。4つの中で1や4は比較的王道なお店の写真で、これももちろんいいのですが、最も非日常感を醸し出しているのが2だったんですね。


大人の小さな旅シリーズでは以前から非日常、冒険、遊び心を大切にしていて「大人の秘密基地」的なスポットも紹介してきたのですが、今回神奈川県の県民性、イメージとして遊び心、マリンスポーツ、そうしたキーワードが出てきたこともあって、この写真を選びました。
<左から1、2、3、4の各表紙画像案 最終的に2に決定した>
|| 写真との調和と大人の落ち着きをペールトーンで表現
ーーー表紙に使われている色合いも大きく変わりましたね。
工藤:大人を表す色、となると、原色やパステルカラー、明るい、華やか、というキーワードよりは、落ち着いたトーン、だと思うので、ペールトーン(薄めの色)を選びました。
初版は落ち着きがありながらもしっかりとした濃い目の色を採用していましたが、今回は写真があるので、その調和も意識して色を決めました。
<京阪神版の表紙上部>
|| 題字に遊び心を。「大人の小さな旅」改訂版フォントの工夫
ーーー題字である「大人の旅」や表紙の各所に配置されているフォントデザインも変更しましたね。
工藤:従来の表紙は「大人」というキーワードと親和性が高い楷書体をメインに用いていました。
今回は最低限の視認性を担保しながら、大人としての品を保ちつつ、「遊び心」も感じていただきたい、と考え、題字のテイストを変えました。


写真だけだと生真面目になりがち、ということもあり、遊びのある文字デザインを心掛けました。
写真の上に配置するテキストも、写真が見やすいよう、配置やサイズを試行錯誤して、今に至っています。
<左から表紙「題字周り」のデザイン変遷 右端が最終版
「大人の旅」の文字の縦横比や「日帰り」「小さな」などののデザインが変化した>
記事に込めた思い
|| いわゆる観光地ではない「越谷」や「南あわじ」を特集に
<上:首都圏版「越谷」、下:京阪神版「南あわじ」>


ーーーここまで、主に表紙についてお聞きしてきました。中身についてはぜひ店頭やご購入いただいてじっくり、ということだと思いますが、ここはオススメ、というところがあればぜひ聞かせてください。


工藤:冒頭でお話しした旅行に関する価値観の変化、ということでいうと、この首都圏版で特集した「越谷」になるかと思います。いわゆる観光地、ではないのですが、今では貴重な宿場町の蔵屋敷の風情を体験ができたり、四季を感じることができたり、距離的に身近なこともあって編集部としてイチオシのエリアです。


京阪神版では淡路島の「南あわじ」ですね。沼島というところがあるんですが、ゆったりした時間を過ごせて、グルメや名産があり、旬な場所としてトレンドも押さえられる素敵なエリアです。ここは少し距離があるのですが、わざわざ行く価値のある場所としてオススメしています。
|| ハイシーズン以外の魅力を味わう「ズラす旅」も。大人の好奇心を満たす旅提案
ーーー最後に、大人の旅を楽しみたいという方に向けて、工藤さんからの思いをお聞かせください。
工藤:「大人の小さな旅」は、旬なエリア、テーマを押さえ、旅情をかき立てる写真、シンプルでわかりやすい地図で大人の好奇心、遊び心を満足させる本です。
今回の改訂では四季によって趣を変える各地の魅力を知っていただきたい、と思って作りました。


インバウンドも戻ってきている今、時間をずらす、季節をずらす、いわゆる「ズラす旅」が注目されていますが、人気のある時期以外にも、そのエリアの違った顔、魅力を感じられる時期、季節がある。そこを感じていただけたら編集者冥利に尽きます。僕自身もそうしたおでかけを楽しむつもりです。


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全面改訂。「日帰り大人の旅」シリーズ6エリアの魅力を紹介する最新スポットと編集部が込めた思い
編集担当が今回全面改訂された「日帰り大人の旅」シリーズに込めた思い、いかがでしたか?
首都圏発、福岡、千葉・茨城、京阪神発、東海・名古屋、神奈川の6点それぞれ、最新の注目スポットから定番の街歩き、絶景、グルメまでたっぷりとご紹介していますので、ぜひこの機会にお手にとってみてください♪
|| 各商品の概要(発売日順)
商品名 :『首都圏発 日帰り 大人の小さな旅』
体裁・頁数 : A4判、本体112頁
発売日 : 2024年8月27日
定価 : 各1,100円(本体1,000円+税10%)
詳細情報ページ:
商品名 :『福岡特別編集版 日帰り 大人の小さな旅』
体裁・頁数 : A4判、本体96頁
発売日 : 2024年8月27日
定価 : 各1,100円(本体1,000円+税10%)
詳細情報ページ:
商品名 :『千葉・茨城特別編集版 日帰り 大人の小さな旅』
体裁・頁数 : A4判、本体80頁
発売日 : 2024年9月26日
定価 : 各1,100円(本体1,000円+税10%)
詳細情報ページ:
商品名 :『京阪神発 日帰り 大人の小さな旅』
体裁・頁数 : A4判、本体112頁
発売日 : 2024年9月26日
定価 : 各1,100円(本体1,000円+税10%)
詳細情報ページ:
商品名 :『東海・名古屋特別編集版 日帰り 大人の小さな旅』
体裁・頁数 : A4判、本体80頁
発売日 : 2024年9月26日
定価 : 各1,100円(本体1,000円+税10%)
詳細情報ページ:
商品名 :『神奈川特別編集版 日帰り 大人の小さな旅』
体裁・頁数 : A4判、本体80頁
発売日 : 2024年10月17日
定価 : 各1,100円(本体1,000円+税10%)
詳細情報ページ:

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