日本企業に「新しいことを恐れない」文化を!新規事業をサイト構築から支えるカスタメディアの挑戦

2024.11.19 14:12
私たち株式会社カスタメディアは、ソフトウェア開発等を行う会社です。
現在は業界売上トップ*¹を誇っていますが、一時は売上が低迷し危機的状況にありました。
どのように危機を乗り越えたのか、創業の歴史から現在まで振り返りながらご紹介します。


*¹ 2023年度、自社調べ
新たな社会貢献を目指して
株式会社カスタメディアは、創業当初は親会社の下請け業務だけでなく、消費動向の変化や社会情勢の変化をいち早く察知し、自社プロダクトの開発も並行して行っていました。
その後、マッチングやシェアリングエコノミーのシステムを提供することで新たな社会貢献がしたいと考え、2018年にMBO(経営陣による買収)を実施。現在の事業である、プラットフォーム構築SaaSの自社プロダクトをメインに販売する事業を本格的にスタートしました。
市場規模の拡大と日本企業の競争力低下
Z世代を中心に、消費に対する意識が「所有」から「共有」に変化していくにつれて、自身が持つ資産やスキルを共有する「シェアリングエコノミー」というビジネスモデルが注目されてきました。


シェアリングエコノミーには提供する側とされる側をマッチさせるプラットフォームが必要不可欠で、AmazonやUberに代表されるプラットフォームビジネスも拡大していきました。
シェアリングエコノミーの2015年の市場規模は約398億円でしたが、2018年には1兆8874億円、コロナ禍の2020年には2兆1004億円となり、2032年度には最大で15兆円を超える規模になると予測されています。


世界中で新しいビジネスが続々と生まれている一方、日本企業に目を向けてみると、開業率が他の欧米諸国に比べ低迷しています。


1980年代、日本国内では新規開業が相次ぎ、独創的な製品をもって世界進出を果たしました。その結果、世界の時価総額ランキングで上位10社中7社が日本企業と、世界的に活躍する企業が多数存在していました。


しかし、1990年代初めのバブル崩壊後の失われた30年の間、長期デフレを背景に安定を求め続け、IT分野の発達等の産業構造の変化に日本企業は対応できず、「デジタル敗戦」と呼ばれる状況となりました。2018年には、世界時価総額ランキングでの日本企業最上位が35位と、世界的競争力が衰えてきています。


原因のひとつとして考えられるのは、開業率と廃業率の低迷です。


新規事業には「多産多死」という性質があります。挑戦と失敗を繰り返し、その過程でノウハウを蓄積することでより良い新規事業が生まれます。しかし、近年の日本のように開業率と廃業率が低いということは、こういった挑戦や失敗が十分にされていないことを示し、事業の質や企業の競争力を磨ききれていないということになります。


こういった状況に危機感を抱いた私たちは、サイト構築の観点から新規事業立ち上げ支援を行い、日本企業全体の保守的な文化を変えたいと考えました。
SaaSバブルで急成長も…
2020年頃から、コロナ禍をきっかけにDX推進の機運が高まり、金利や金融政策で資金調達環境がよい中でPSR(株価売上高倍率)が重視され赤字上場が許容される時代背景もあり、「SaaSバブル」と呼ばれる状況になりました。当社もSaaS関連のスタートアップとして新規上場を目指し、積極的な営業活動や広告運用とIT導入補助金の活用などを進めた結果、急速に契約社数を伸ばしました。


しかし、2022年頃SaaSバブルが崩壊、資金調達環境も悪化しクライアントの資金繰りも厳しくなるなどを理由に、サービスの閉鎖が相次ぎました。


当時からサイト構築支援サービスを提供していましたが、ウォーターフォール型と呼ばれる開発方式を採用していました。これは、品質が担保される一方、細部まで計画を立ててから開発するため時間と費用がかかり、柔軟にサービスを進化させることが難しい方式です。そのため、クライアントと共にサービスを成長させることができず、閉鎖せざるを得ない状況も発生しました。


また、高額な開発案件を獲得することはできても、クライアントと良好な関係を築くことができず解約率が上昇したり、リピーターが少なくなったりして、売上が横ばいの状態が2~3年ほど続きました。


さらに、新規上場を目指して組織を急拡大させた結果、メンバーの士気の違いなどが原因で役員や管理職を含めた多くの社員が離職する事態となりました。
二大改革でよりよい会社とサービスへ
課題が山積するこの状況を打破するため、大きく分けて2つの改革を実行しました。


一つ目は、会社全体の改革です。


CTO2名が立て続けに退職し、CEOが開発部門のトップも兼任しなければならない事態となりました。しかし、これをきっかけに開発部門に対する解像度が上がり、開発力の立て直しと向上を迅速に進めることができました。


さらに、当社のミッションとして「多産多死と言われる新規事業(SaaSを含むプラットフォームビジネス)支援し隊」を新たに掲げました。
新規事業の立ち上げを私たち自身が経験したことで、多産多死を恐れず挑戦することの大切さを実感し、それに対する明確な支援方法を確立することにしたのです。


二つ目は、サービスの改革です。


まず、一球入魂の売り切り型からユーザーの声に応じて細かく方向転換できる伴走型のサービスに切り替え、よりお客様に寄り添ったサービスへと転換しました。
具体的には、より新規事業に挑戦がしやすいよう、初期費用と開発スケジュールを最小限に設定しました。
さらにカスタマーサクセス部門を立ち上げ徹底的にお客様の声を聞き、課題や弱みを洗い出し、長期的にお客様を支えることができる体制を整えました。


次に、サービスの仕組みをウォーターフォール型からアジャイル型に転換しました。アジャイル型とは、計画から開発、実装、テストまでを、サービス全体ではなく機能単位の小さい規模で繰り返す方式で、開発途中での仕様変更などに柔軟に対応でき、早いスピード感で開発が完了します。
これにより、よりお客様の要望を臨機応変に反映させることができるようになりました。さらに、これまでの開発ノウハウを活かし、サービスごとに自由に組み替え可能な「型」を作成し、効率的なシステム開発を可能にしました。


大きな改革を行ったことで、社内のビジョンが明確になり、またお客様に寄り添い続けられるサービスを提供することができるようになりました。
一時は低迷していた売上も徐々に回復し、リピーターも増え、現在では業界トップクラスの販売実績を誇っています。
新規事業にチャレンジしやすい環境をつくりたい
DXやSaaSと聞くと「難しそう」「よく分からない」「導入費用が割高に感じる」というイメージを持たれる方も多いと思います。私たちは、その精神的なハードルを下げ、お客様と一緒に走り続けるサービスを提供することを目指しています。


その第一歩として、「型」を活用しサイト構築をパッケージ化することで、低価格かつ効果的にDX化を実現できるようにしました。


今後は、サイト構築だけでなく、プラットフォームビジネスのコンサルティングの役割も並行して担うことで、各種マッチングサイトやシェアリングエコノミーの分野での新規事業立ち上げ支援を進めていく予定です。


多産多死と言われる新規事業の立ち上げで、大きな失敗をできるだけ減らしチャレンジしやすい文化を醸成することで、日本企業の国際的な競争力を高め、DX化の推進と共に経済の活性化にも貢献していきます。


私たちが提供するマッチングサイト構築サービス「カスタメディアMASE」の開発秘話は、別のストーリーにてご紹介します。

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