細胞農業のマーケットプレイス「勝手場」、細胞農業スターターキットの販売開始

2024.11.12 10:00
インテグリカルチャー株式会社
- 住友理工と高効率培養バッグの開発に成功、培養肉を作りたい研究者に向けて、資材と装置のセット販売をスタート -

新たな食資源として期待される細胞性食品(いわゆる培養肉、培養魚肉など)などを作る「細胞農業」の実現を目指すインテグリカルチャー株式会社(本店:東京都文京区、代表取締役:羽生 雄毅、以下「当社」)は、細胞農業スターターキット(以下、「本キット」)の販売を開始します。
本キットには、住友理工株式会社(本社:名古屋市中村区、代表取締役 執行役員社長:清水和志、以下、「住友理工」)と共同開発した培養バッグ「Oxy-thru Cultivator (TM)(オキシスルーカルティベイター)」に4種の食品グレードの培養資材がセットされています。購入者は、希望する動物・組織に対応した細胞と血清成分を揃えるだけで、実験室レベルの施設で培養肉を作ることができるようになります。
 本キットは、当社が展開する細胞農業に特化したBtoBマーケットプレイス「勝手場(英語名:Ocatte Base)」で販売いたします。
細胞農業スターターキット



細胞農業スターターキットについて

これまで、グラム単位の量の培養肉の生産であっても、専用のバイオリアクターや高度な培養技術が必要で、培養肉製品の開発における大きなハードルになっていました。本キットを使えば、既存の実験室があれば、グラム単位の培養肉を試験的に生産することができます。購入者は、生産施設や資材面の課題解決が可能になることに加えて、実物の試作を通じてでしか確認できない培養細胞の特徴や食品素材としての可能性のような事業性を確認するための研究開発を手軽に進めることができるようになります。


なお、本キットは、勝手場サービス(リンク)にて以下の3つのタイプを販売しております。
細胞農業スターターキットの購入を希望される方は、こちらの
からご連絡ください。





BtoBマーケットプレイス「勝手場」による製品販売事業

当社は2024年6月より「すべての人が自由気まま(勝手)に細胞農業に参加できる世界(場)」をミッションに、細胞農業で必要な食品グレード資材を販売するメーカーと細胞農業に関心のある企業を繋げるメンバーシップ型のBtoBマーケットプレイス「勝手場」を開始いたしました(参考リンク1)。現在、日揮グループの細胞農業企業である株式会社オルガノイドファームを皮切りに、業種や分野を問わず複数の大手企業が勝手場に入会し、日本初・発の細胞農業マーケットとして拡がりつつあります。

参考リンク1
インテグリカルチャー、『勝手場』のサービス開始みんなが使える細胞農業の実現に向けた最初の一歩



 本製品は細胞農業に関心の高い企業・アカデミアが集まる「勝手場」を中心に試験販売を開始し、両社で細胞農業事業を協業してまいります。
本製品を使用することで、食品・食品添加物だけで培養肉製品の開発を進めることが可能となり、より実践的な製造プロセスの検討に進むことができます。
 最初の試みとして、シンガポールで開催される国際的なノベルフードの祭典「Agri-Food Tech EXPO ASIA 2024(AFTEA 2024)」の培養肉パビリオンで住友理工と共同出展いたします。AFTEA 2024より、本製品と食品グレードの資材から成る「培養肉の作成 スターターキット」をリリースし、国内外の皆さまに細胞農業に取り組みやすい環境を提供していきます。
Agri-Food Tech EXPO ASIA 2024



<開催概要>
会期11月19日(水)~21日(金)
会場Sands Expo & Convention Centre Halls B&C
ブースNo.K09-02, Cultivated Meat Pavilion
URLhttps://www.agrifoodtechexpo.com/







インテグリカルチャー株式会社 代表取締役:羽生 雄毅 からのメッセージ
細胞農業製品の開発を検討する際、様々な機器や資材を用意する必要があり、新規参入を考える企業にとって大きなハードルになっていました。今回のように応用範囲の広いスターターキットは、細胞農業における一つのイノベーションと言っても過言ではないと考えております。また、住友理工との素材系のアプローチは、サプライチェーン上で大きな差別化要因になると見ております。今回の製品にとどまらず、今後、さらに多くの製品が供給されることを期待しております。




住友理工株式会社 ライフイノベーション事業室長 巽 聡司 氏 からのメッセージ
 当社では、人・社会・地球への快適の提供や社会課題の解決に貢献することを目的として、2024年11月より健康介護事業室の名称を「ライフイノベーション事業室」に改称いたしました。2022年からスタートしたインテグリカルチャー様との協業はまさに社会課題解決に向けた取り組みであり、今回の共同開発成果を発表できることを嬉しく思います。今後も、住友理工グループの存在意義(パーパス)「素材の力を引き出し 社会の快適を モノづくりで支える」のもと商品開発を加速し、細胞農業のサプライチェーン構築に貢献していきたいと考えております。





■ インテグリカルチャー株式会社
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当社は、2015年創業の日本で最初に誕生した細胞農業企業です。細胞農業は、近い将来においてタンパク質の需要が供給を上回ってしまう「タンパク質クライシス」に対する一つの解決策として期待される新たな産業である一方で、細胞培養自体が高価な生産方式であることや食品としての安全性が確認されていないといった課題があります。
当社では、独自技術である「CulNet(R) system (カルネット システム)」による細胞培養の大きなコストダウンの可能性を開くとともに、既に食経験のある原材料だけを用いた細胞培養資材の開発に成功しました。今後はこれらの技術を最大限活用しながら、培養細胞を原料とした食品の上市に取り組むとともに、さらなる研究開発を進め、新たな食としての可能性を実感していただける細胞農業の実現と普及を目指してまいります。



■ 住友理工株式会社
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 当社は、経営ビジョン「2029年 住友理工グループVision」策定にあたり、グループ全体で実現したい未来社会像を「自然と都市と人の空間が繋がるグリーンで快適な社会」と設定しました。
人々の豊かな暮らしの実現に向けて、今後も事業環境の変化に柔軟に対応しながら、新たな時代に即した技術・製品を、スピード感をもって生み出していきます。そして、グループ内だけではなく、外部との共創による既存事業領域の深化と融合分野の事業探索によって、2029年のありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」への変革を目指してまいります。



■CulNet(R)️(カルネット) コンソーシアム
2050年には世界人口が100億に達すると見込まれ、エネルギー、飼料、土地、水などの枯渇により、これまでの方法ではタンパク質の供給が追いつかなくなることが危惧されております。食肉に代わるタンパク質源として、植物由来原料などが商品化されるとともに、より食肉に近い代替タンパク質として動物細胞由来の培養肉が注目されています。
しかしながら、生産コスト、安全性、大規模化などの点で課題が山積しているため、様々な領域で高い技術力を有する企業様に参画していただき、培地、足場、培養装置などの課題解決に取組み、培養肉のサプライチェーンを実現することを目的として、2021年4月1日、カルネット コンソーシアムが設立されました。
現在、カルネット コンソーシアムは設立4年目を迎え、参画企業は15社(※)になっております。なお、カルネット コンソーシアムの詳細は、
をご覧ください。


(※)カルネット コンソーシアムへの参画企業(16社、50音順、2024年11月11日現在)
インテグリカルチャー株式会社、A Laboratories合同会社、旭化成株式会社、株式会社荏原製作所、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社、住友理工株式会社、大和製罐株式会社、ナカライテスク株式会社、日本たばこ産業株式会社、株式会社浜野製作所に加えて6社



■勝手場
(英語名:”Open Cellular Agriculture Technology Transfer Ecosystem” Base:Ocatte Base)
勝手場は、細胞農業における食品原料資材や細胞農業における情報の提供を目的とした細胞農業者向けマーケットプレイスです。元来、勝手場とは、台所(キッチン)のことで、日本の食文化の基礎を築いた場所でもあります。本サービスは、世界中の誰でも台所で料理をするのと同じように培養肉を調理できる未来の実現、さらに、その先にある新たな食文化の開花を期待して「勝手場」と名付けました。
食品原料由来の培地を始めとする培養関係資材に加えて、培養肉の研究開発を進める中で蓄積された知見と経験は、本分野における検討・事業化を進めるためのキーエレメントになります。本サービスでは、これらの必須要件をいち早く開放・提供することによって、細胞農業に参画を目指す企業様が、よりスムーズに検討・事業を開始できるような環境の構築をサポートします。



【本件に関するお問い合わせ先】
インテグリカルチャー株式会社 お問い合わせ窓口
<info@integriculture.com>
受付担当 
事業企画部 企画チーム 鞆(とも)
事業企画部 企画チーム 波多野

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