起業家・経営者として、ソーシャルメディアのマーケティングという領域で、10年以上ビジネスをしてきた坂本翔さん。
SNSプロモーション事業などを展開する「株式会社ROC(ロック)」の代表取締役として会社経営をしながら、SNSマーケティング関連の書籍を中心に、商業出版および監修をしており、ビジネス書作家としても活躍しています。
そして今回、「Beans.」というスペシャルティコーヒー専門のコーヒーブランドを立ち上げました。
このストーリーでは、これまでソーシャルメディアマーケティングの領域で第一線で活躍してきた坂本翔さんが、全く異なる分野である「スペシャルティコーヒー豆」のブランドを立ち上げるきっかけとなった出来事や、今に至るまでの背景を綴ったストーリーになります。
Beans. CEO / Founder 坂本 翔
1990年生まれ、神戸市出身。23歳で兵庫県内最年少の行政書士として起業するも、主催イベントに延べ1,100人以上をSNS集客した実績をきっかけに、SNSマーケティング事業を創業。25歳で商業出版を実現。『Instagramでビジネスを変える最強の思考法』などの著書は海外翻訳もされており、累計23万部を突破。様々な企業のSNS施策を担当しながら、SNSマーケティングや起業をテーマにした講演活動を行う。SNSに詳しいITジャーナリストとして、テレビや週刊誌などメディア実績も多数。
起業10年の節目となる2024年、新たにtoCビジネスをスタート。第一弾の事業として、コーヒー業界に挑戦中。
Instagram:
高卒から独学で行政書士資格を取得。家族の支えを受け、23歳で行政書士事務所を立ち上げ兵庫県最年少で成功を収めた挑戦の道
坂本翔さんは、10代の頃から常に独自で道を切り拓いてきた人生を歩んでいる人ともいえます。
高卒が最終学歴でありながら、独学で行政書士の資格をとり、就職の経験もないまま独立して事務所を立ち上げた背景には、家族の存在がありました。
高校入学時に音楽の楽しさを知り、15歳のときに「バンド活動で食べていく」と決意するも、20歳になる年にバンドは解散となってしまったそう。
「母子家庭で裕福ではない中、兄弟を学校に通わせてくれていた母親に対して、学生の本業でもある勉強をバンドのために疎かにしてしまった罪悪感もあり、何か勉強したいと思っていた」
と当時を振り返る坂本さん。
周りは大学生が多く、「なんとなく大学に通っている」という人も多い環境にありました。
そこで独自で情報収集をして、最終学歴が高卒でも受験することができる「行政書士」の資格の取得を目指すことに。
とはいえ、「国家資格」にもなると、普通は予備校に通うという選択肢を検討するのが一般的ですよね。
しかし前述のような家庭環境だったことから親には頼れず、「独学」で目指すことを決意します。
3回目の試験で、無事に行政書士試験に合格し、当時、兵庫県内最年少の行政書士として、23歳で行政書士事務所を立ち上げました。
会社員経験もないフリーターがSNS集客力で評判に。25歳で会社設立へ
資格は取ったものの、それで仕事が舞い込んでくるほど世の中は甘くなく、バンドマン時代にも試行錯誤しながら行っていた集客やマーケティングという領域について、独学で学び始めます。
当時日本で全盛期だったFacebookに着目し、SNS集客ノウハウを考案。
主催していた音楽イベントへ1,100名以上を集客した実績や、行政書士業務の集客も軌道に乗り、「SNSマーケティングのノウハウを教えてほしい」というコンサルティングや講演の依頼が入り始めます。
ただ、コンサルティングの方法や講演のやり方もわからない、当時24歳の坂本さん。
「自分で考えた仮説をもとに、依頼を遂行していた。失敗することもたくさんあったが、実際に行動を起こす中で、机上のインプットでは決して得ることのできない多くのことを学んだ。」
と振り返る坂本さんは、とにかく目の前のことに集中し、行動し続けていました。
この行動が、SNSマーケティングやコンサルティングの実績となり、1冊目の書籍の出版につながります。
そして同時期、25歳の頃に、現在も代表取締役CEOを務める
SNSマーケティング領域で10年間事業を拡大。広報活動やセミナーに注力し、組織運営や社員教育は他の役員に任せることで、効率的に組織を成長させた取り組みとその成果
それから、事業・会社を拡大することに集中し、様々な経験と実績を着実に積み上げていきます。
企業のマーケティングやプロモーションの支援をしていくだけでなく、
最初は営業もバックオフィスも実務も全部自分一人でやってきた坂本さんですが、事業や会社が拡大していくと同時に、当然雇う社員も増えていきます。
そのフェーズについて、坂本さんは過去のインタビューでこのように伝えています。
「一通りやった中で自分の得意・不得意が見えてきて、内向きなことはすごく苦手だということに気づいた。
例えば、未経験で入社した社員に対する教育や、組織の規模に合わせたルール作りなど...そういう内向きなことは苦手だなと。
逆に、セミナーをして人前に立って話したりとか、出版も含め広報的な話をしたりとか、そういった外向きのことがすごく得意と感じるようになった。
とはいえ、苦手だからと言ってやらないわけにはいかない。
会社としてどうするのがベストかを考えた時に、自分が苦手な部分を得意としている人をCxOのポジションに置いた。
そうすると会社は自然と大きくなっていったし、そうできたのは、一通り自分で全部経験して、自分の強みを把握できていたからだと思う」と。
各CxOのポジションを適切に配置し組織として確立させていくまでも、数えきれないほどの選択をする場面があったはず。
どんな状況であっても組織としての最適解を出してきた背景には、全て1人で事業を回していた経験があったり、社員と関わっていく中での小さな気づきだったり、その上で自分自身を信じ続けてきたからなのだなと感じます。
当時を振り返る坂本さんは、
「これまで社会で戦ってきて改めて思うのは、素直さと誠実さがとてつもなく大切なんだということ。
圧倒されるくらいすごい経歴の方ほど、人を見る目というか嗅覚が鋭くて、素直で誠実な人間かどうかは、初対面の時に感じとっていて、見透かされているんです。
こういう時代になっても、いい仕事は結局のところ、人を通してやってくるので、自分に関わってくれる人を大切にしながら、自分自身を磨くことを忘れずにこれからも仕事を作っていきたいと思っています。」
そして会社にバリューをつけていくため、坂本さんは自身の得意分野を活かして行動を続けます。
定期的なメディア出演に、年2〜3冊の商業出版。
今年2024年には、あのTEDxへの登壇も実現させました。
また、M&Aという大きな決断も行い、同年、株式会社ROCは阪急阪神ホールディングスグループにグループインしました。
上場企業にグループインしたことについては、
「自分が創業した会社が大きな企業に認められたというのは、創業者としてとても嬉しい出来事。今後はさらに加速して事業を拡大していけるし、従業員にもさらに快適に働いてもらえるようになる」と語っています。
「浅煎りのスペシャルティコーヒー」の美味しさに驚き、感動。SNSマーケティングの強みを活かして新たな挑戦へ
ROCのCEOとして邁進する日々、とあるコーヒー豆の焙煎専門店と出会います。
お客様の好みに合わせて注文後に焙煎をする、地元に密着したコーヒー豆焙煎の専門店。
そこで初めてコーヒー豆を購入した時、コーヒーのおいしさに感動し、あっという間にコーヒーの世界にのめり込みます。
「中でも浅煎りのスペシャルティコーヒーは格段においしく、これまで感じたことのない風味に対する驚きと感動は今でも覚えている」と坂本さん。
そして、おいしいコーヒーは、豆の産地、品種、焙煎度、挽き目、水、お湯の温度、カップの種類など、たくさんの要素が絡み合って出来上がるということ。
コーヒーは歴史・環境・文化・社会情勢など世界規模で影響していること。
さらに、日本には全国各地に、コーヒーを起点に様々な想いでお店をつくり、おいしいコーヒーを淹れて、人々を幸せにしているロースターやバリスタという存在がたくさんいることに気づかされます。
そして何より、知れば知るほど、コーヒーが大好きになり、生活になくてはならない存在に。
そこから、コーヒー業界でできることはないかを考え、まずは自身の強みである「ソーシャルメディアを使ったマーケティング」を活かしてコーヒー業界に挑戦したい、という考えに辿りつきます。
新たな挑戦として「スペシャルティコーヒー」事業がスタート
早速、スペシャルティコーヒーの事業をスタートすべく、3名の社員を雇い、新たに法人を設立しました。
そして、一度決めたら必ず実現させる坂本さん。
ROCのCEO業務と同時進行で立ち上げ準備を行い、2024年7月にスペシャルティコーヒー専門の
忙しい日常の中でも豊かなひとときを。豆から挽いて淹れることで自分と向き合う時間に
坂本さんは、「Beans.でコーヒー豆を買うことをきっかけに、コーヒーを豆から挽いて淹れる時間を作ってほしい。"忙しいから難しい"という声が聞こえてきそうですが、そういう人こそ」と、様々な場面で伝えています。
「コーヒーを淹れる時間は一回あたり数分程度なので、どれだけ忙しい人でも捻出しようと思えば捻出できる時間です。
ドリップバックや粉の状態で買ったものを淹れるのと比べると、味や香りが格段においしいことは、いうまでもありません。
それよりも、その時間で自分と向き合い、頭が整理できたり、淹れている間に大切な人との会話ができたり、たとえ会話がなくても「忙しい中自分に淹れてくれたんだな」というコーヒーを介したつながりを感じられる、コーヒーにあるそういう側面がとても素敵」
と坂本さんは語ります。
そんな想いでスペシャルティコーヒー豆を販売する事業を始めた坂本さんは、忙しない日々を送る中でも、必ず1日1〜2回、自分と奥様の分のコーヒーをハンドドリップで淹れているそう。
コーヒーは淹れ方次第で味が大きく変わる。「Beans.」が提供する抽出レシピと挽き目のサンプルを参考に、最高の風味を引き出す方法
コーヒーは淹れ方によって味が全く変わります。
苦手だなと思っていた豆も、挽き目・お湯の落とし方・エイジングの具合などを変えただけで、「おいしい」と感じるようになったりします。
豆の種類や焙煎度合いによって違うのは当然で、それぞれに適切な淹れ方があります。
どのくらいの豆の量に対して、どのくらいのお湯の量が必要かお湯の落とし方やその勢い何mlずつ落とすのかカップの種類
などなど...
香り高くおいしいコーヒーであればあるほど繊細で、何かの要素が一つ違うだけで、異なる風味になります。
その分やはりチェーン店やスーパーで売られているようなコーヒー豆と比べると、値段が高いのも事実。
「だからこそ、その分おいしくコーヒーを飲んでほしい。」
という坂本さんの想いから、鮮度の高い豆を常に提供するため、ラインナップも1ヶ月〜1ヶ月半で総入れ替えをし、豆ごとの抽出レシピを考案。
Beans.では、その豆を最大限おいしく飲める「抽出レシピ」と「挽き目のサンプル」をつけることにしています。
お客様の生の声
ECをオープンして3ヶ月。実際にご購入いただいたお客様からはInstagram経由で感想をいただくことも。
とても贅沢!101(商品番号)がすごく好きで、自分の好みを知れた!梱包の丁寧さ、美味しくコーヒーを淹れるための細やかなレシピ、手書きのメッセージなど、誠実さが細部まで行き届いている。家で飲むコーヒーが一番おいしいという贅沢を手に入れた。パッキングから丁寧で、開けてからも抽出レシピとセットにされていて、本当においしいコーヒーを飲んでほしいという気持ちが伝わる。初めて豆から挽いて飲んでみたけど、おいしくて感動!本格コーヒーが好きな方におすすめ。コーヒー好きの人にプレゼントするのもおすすめ。それぞれのレシピがついていて、初心者にはとってもありがたい。今まで家ではインスタントコーヒーだったけど、今回を機にコーヒーを丁寧に淹れてゆっくり飲もうと思う。
Instagram:
また、Beans.では、ギフト利用してもらえるようにこだわっており、ラッピングもオリジナルの巾着を採用しています。
さらに「お歳暮やお中元などにも活用したい」という声をいただいてから、フォーマルな贈り物にも対応できるよう、オリジナルのギフトボックスも制作。
コーヒー業界の大型イベントに初参加。未知なる世界に挑戦し「在りたい姿」を追い続ける
現在はECのみで主にスペシャルティコーヒー豆を販売していますが、今年2024年12月4日(水)には、神戸・六甲道でコーヒースタンド兼ロースタリーとして、当ブランドの一号店となる「Beans. Coffee&Roasters」をオープン予定。
新しい業界でも挑戦し続ける坂本さんは、
「ソーシャルメディアマーケティングの領域では、個人事業時代を含めると10年以上ビジネスをしてきて、同業界の誰よりも本を出して、実績を作ってきた。名前や本も知られている自負はある。
でも、当然コーヒー業界に行くと誰も自分のことは知らない。
また起業家として襟を正されるような、初心に戻るような、清々しい気持ちになる。
おそらく新しい挑戦をすることでしか感じられない気持ちで、尊い経験ができる。」
と、コーヒー業界の大型イベント「SCAJ」に初参加し、コーヒー業界に身を置いている方々と話して、そんなことを考えていたそう。
坂本さんは、きっとこれからも新しい挑戦をし続けていくに違いありません。
それは、坂本さんが一人の人間として、どんな状況でも持ち続けている「人に良い影響を与えられる人間になりたい」という根本的な「在りたい姿」が明確で、坂本さんの原動力にもなっている「家族の存在」が確固としてあり、それらを大切にし続けているから。
これからも語りきれないほどの数々の新しい挑戦を通して、未知なる世界と繋がり、世界中のどこかにいる誰かの希望になっていくのではないかと思います。
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