Amazonの面接に備える際には、採用プロセスについて詳しく知り、Amazonがどのように優秀な人材を獲得し、育成しているかを理解することが大切です。
面接では、変わった質問への準備が必要だと思うかもしれませんが、実際はそうではありません。テック系企業は面接で難しい質問をするというイメージがあるかもしれませんが、Amazonでは少し異なるアプローチをとっています。私たちは応募者を第一に考える面接のアプローチをとっており、どの応募者にも公平な質問をするよう最善を尽くしています。また、応募者を支援するためのツールやリソースも提供しています。それでも、事前にリサーチや準備を行うことは重要です。
ここでは、Amazonの面接に臨むための11のヒントをご紹介します。
1.行動に基づく面接質問への対策
Amazonの面接では、主に応募者の行動に関する質問が出題されます。これは過去に直面した課題や、それにどのように対処したかについて尋ねるものです。その際、Amazonの
が指針となります。Cody Nelson (Senior Manager of Recruiting, Worldwide Operations)は、応募ポジションの職務内容を参考に、質問に対するエピソードを用意することを推奨しています。「職務内容や、求められる経験に関連するストーリーを思い浮かべることができれば、行動に関する質問への対策は万全になります」と述べています。
2.STAR法を使用した回答の構成
STAR法は、自身の行動に関する質問への答え方です。「STAR」は、Situation(状況)、Task(タスク)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字を指します。自身の過去の経験を、そのときの状況、タスク、行動、結果と整理して説明する手法です。Stacy Milgate(Program Manager, AWS)は、面接前に自身の経験をSTAR法のフレームワークに基づいて整理することを推奨しています。「誰が関与し、具体的に何を行い、その結果、どのような影響を与えたのか。順を追ってストーリーとして伝えることが重要です。」
ストーリーが整ったら、回答の形式を確実に身につけるために、鏡の前で、あるいは友人やパートナーと一緒に練習してみてください。
3.具体的な情報の共有
「多くの候補者が犯す大きなミスは、自身の話を深く掘り下げないことです」と、Amazonで、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)のリーダーを務めるRasheeda Libertyは語ります。面接で質問に答える際は、具体性が鍵となります。一つの状況について詳細に説明し、そのエピソードを裏付けるデータや指標を用意することが重要です。「私たちは数字を知りたいのです。誰がプロジェクトに関与し、どのように具体的な成果を得たのかを明らかにしてください。」
4.「私たち」ではなく「私」に焦点を当てる
面接の回答で自分の行動を説明する際には、「私」という言葉を使うことを忘れないでください。「面接は、あなたがこれまでに成し遂げたことを過小評価する場ではありません」と、Michelle Jackson (Senior Recruiting Business Manager)は語ります。「もちろん、あなたがチームと一緒に働いてきたことは理解しています。しかし、面接はあなた自身を売り込む場なのです。」自分が取った具体的な行動と、どのような成果を出したかを説明できるように準備しておきましょう。あなたが実際に行ったことを伝えてください。
5.失敗を恐れないこと
失敗について話すことは問題ではありません。リスクを負って成功したり、失敗したり、その過程で成長した経験を、具体的な専門知識を示す事例と共に説明してください。Amazonの最も成功したプログラムのいくつかは、失敗したプロジェクトから生まれています。
「失敗なくしてイノベーションはあり得ません。学んだ教訓から改善を進めていけば、失敗は必ずしも悪いことではありません。自分がポジティブな方法でリスクを取ったことを理解し、それを面接官に伝えられるようにしましょう」(Cody Nelson)
6.Amazonで働きたい理由を明確にする
「なぜAmazonなのか?」という質問は、単なる形式的な質問ではありません。応募者がなぜAmazonでの機会を求めているのかを理解することで、応募者についてより深く知ることができるからです。
「多くの応募者は、大規模で革新的な企業で働く機会に興奮していると言います。しかし、私が本当に知りたいのは、なぜAmazonがあなたの具体的なキャリアパスに適しているのか、ということです。私たちは、あなたが自身の能力を組織にどのように還元できるかを考えている人であることを知りたいのです。同時に、ここで働く間に何を学びたいのかも確認しています」(Rasheeda Liberty)
7.必要な場合は具体的な説明を求める
質問の内容を明確にするために、説明を求めることをためらわないでください。面接官が質問をした際に、回答をするための十分な情報が提供されていないと感じた場合は、躊躇せずに質問の詳細な背景を尋ねてください。
「Amazonでは多くの質問を投げかけます。私たちは候補者の皆さんに、これが私たちの環境であり、文化であることを理解していただきたいと思っています」(Michelle Jackson)
8.ライティングスキルを磨く
採用担当者からライティングのサンプルの提出を求められることがあります。これは応募したポジションによりますが、必ずしもライティングの仕事に限定されるわけではありません。その理由は何でしょうか? Amazonの独特な文化として、私たちは会議でパワーポイントやスライドを用いたプレゼンテーションを行いません。代わりに、プロジェクトの目標、戦略、成果、次のステップなど、必要な情報が詳細に記載された文書を作成し、各会議の開始時にそれを黙読します。これらの文書は意思決定に重要な影響を与えるため、考えを文章で明確に表現する能力が必須のスキルとなります。
9.オンラインインタビューと複数回の面接に備える
面接プロセスでは、2人から7人のAmazon社員と面接を行います。面接官は、マネージャー、チームメンバー、関連チームの利害関係者、そしてバーレイザー(通常は他のチームからの客観的な第三者)の組み合わせになる可能性が高いです。
採用担当者や面接官によると、面接で話す内容を整理するためにメモを持参することを推奨しています。また、最後に質問したいことや、次の面接で触れたい重要なポイントを書き留めるために、ペンもあると便利です。
10.Amazonのリーダーシップ・プリンシプルについて学ぶ
面接官はAmazonの
を用いて応募者を評価します。自分のストーリーや回答を準備する際には、これまでの職務経験でこれらの原則をどのように活用してきたかを考慮してください。
「私たちは、応募者がリーダーシップ・プリンシプルを暗記しているかどうかをテストするつもりはありません。しかし、応募者の皆さんには、この原則に興味を持っていただきたいと思っています。リーダーシップ・プリンシプルに関する質問は、あなたがAmazonで働きたい理由と、Amazonの価値観があなたにどのように響くかを理解する手助けとなることを目的としています」(Stacy Milgate)
面接前に、自分のエピソードをAmazonのリーダーシップ・プリンシプルに結びつける時間を確保してください。そして、自分にとって最も響く原則をいくつか特定するのも良いでしょう。
11.Amazonの企業文化を研究する
Amazonは、顧客第一主義を掲げる独特な企業文化を持っています。面接の準備として、Amazonが自分に適した企業かどうかを見極めるために、事前に企業研究を行いましょう。
これらのヒントがAmazonでの面接準備に役立つことを願っています。
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