星野リゾート
~冬に旬をむかえる車エビや芋を使用した料理が、竹富島のハーブから生まれた蒸留酒で深化~
Entree:車エビのマリネ 「KUNUSHINA」の香り
各施設が独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」。沖縄県・竹富島にある滞在型リゾート「星のや竹富島」では、2024年11月15日に島の天・地・人が織りなす美食「島テロワール」冬のディナーコースの提供を開始します。今冬は八重山の綺麗な海で育った車エビや、島の生活を支えてきた大豆や芋を余すところなく使用した料理が登場します。さらに島の畑文化を継承する「畑プロジェクト」の一環として、星のや竹富島の畑で取れた命草(ぬちぐさ)(*1)を使用した蒸留酒「KUNUSHINA」を開発。カクテルの提供だけでなく、料理に使用する食材の香りづけにも活用しています。島の食文化とフレンチを掛け合わせた料理が、今年は蒸留酒とともに更なる深化を遂げました。
(*1)島の人々の健康を支えてきたハーブの総称。
「島テロワール」について
星のや竹富島では「島テロワール」の料理コンセプトのもと、竹富島の天候や風土、人々の営み(テロワール)をフレンチの技法と共に表現しています。竹富島の冬の時期は、平均気温が18度前後と日差しが和らぎ温暖な気候が続きます。そのため、冬の訪れとともに島特有の周期で収穫の時期をむかえる食材が多く存在しています。そんな知られざる素材や受け継がれてきた文化を新たな発想を用いて、ここにしかない「島の食文化とフレンチの出会い」を表現しました。
蒸留酒「KUNUSHINA」について
命草の中でも薬効の高い、島民の命を守ってきた9種類の命草「九品薬(クヌシナヒスル)」から着想し、「KUNUSHINA」と名付けました。使用する命草は、施設の畑で収穫したもののみを使用しています。ピーヤシ(島胡椒)、グアバ、月桃などの7つの命草、沖縄産のタンカン、波照間島の黒糖の九品をブレンド。竹富島で力強く育ったハーブの芳醇な香りと、タンカンのフレッシュな香りによる爽快感が特徴のオリジナル蒸留酒です。
蒸留酒「KUNUSHINA」
<メニューの一例>
Entree:車エビのマリネ 「KUNUSHINA」の香り
冬に旬をむかえる車エビを、命草の蒸留酒「KUNUSHINA」や伝統の島醤油(*2)で漬け込み、マリネに仕上げました。そこに、卵黄とマスタードに沖縄の冬の味覚といわれるタンカンを加えたソースと、エビの出汁を使用したジュレを添えることで、味の変化も演出しています。仕上げに「KUNUSHINA」でフランベをすることで、身が締まった車エビにハーブの香りを纏わせます。「KUNUSHINA」の爽やかな香りと甘みの強い車エビを堪能できる冬のご馳走です。
(*2)竹富島で、昔から各家庭で作られてきた醤油のこと。
Deuxieme:山羊とクブシミのブーダン仕立て
フランスの伝統料理であるブーダン・ノワール(*3)を、沖縄で親しまれているヤギでアレンジしました。島で育った滋養のある薬草を餌にし、丁寧に育てられたヤギは特有の臭みを感じさせません。そのヤギを腸詰せずに焼き上げることによって、香ばしさを纏った濃厚な味わいに仕上げました。ブーダン・ノワールに合わせるのは、沖縄地方でよく捕れるコウイカの総称「クブシミ」です。部位によって火入れ方法を工夫し、繊細な甘みと弾力のある食感を引き立てています。さらに、マンゴーとタンカンのピューレを添えることで、フルーティーな酸味と爽やかなアクセントが加わり、それぞれの素材の旨味が調和する一品です。
(*3)血や内臓など様々な部位を活用した黒ソーセージのこと。
Troisieme:Deatsのクネル ソースクリュスタッセ
植物由来食品「Deats(ディーツ)」(*4)に、キャッサバ芋の粉(タピオカ粉)や豆乳を混ぜ合わせた、食材の豊かな風味となめらかな食感が特徴のクネル(*5)です。竹富島の暮らしを支えてきた栄養価の高い大豆と、ほっくりとしたキャッサバ芋が調和し、ディーツの自然な甘みが感じられます。
クネルに合わせるクリュスタッセソースは、エビの殻から引き出した旨味を活かしました。ソースの表面をこんがりと焼くことで、まろやかな口当たりのソースに香ばしい香りが立ち、エビの味わいを一層深めます。
(*4)大豆(おから)とこんにゃくが原材料。肉や魚に続く「第3の選択肢」といわれる食品。
(*5)円筒状に形作られた料理のこと。
Viande:豚肩ロースの炭火焼き 黒ごまの香り
沖縄の郷土料理であるミヌダル(*6)を、フレンチの技法で昇華させた一品。黒ごまと黒糖のラブ(ミックススパイス)を豚肉に纏わせ、炭火でじっくりと焼き上げることで、香ばしい風味と深いコクを引き出しています。「豚の鳴き声以外はすべて食べる」といわれる沖縄の食文化に倣い、ソースに肉や豚骨を使用し旨味をたっぷりと抽出しました。素材を無駄にせず、全てを余すところなく活かした一品です。沖縄の歴史が育んだ食文化と、繊細なフレンチの技法が融合した、奥行きのある味わいが特徴です。
(*6)豚肉に黒ごまだれをまぶして蒸しあげたもの。
料理と合わせるカクテル
今冬のディナーコースに合わせて、「KUNUSHINA」を使用したカクテルが誕生します。生姜とトニックを使用したスパイシーな味わいのカクテルと、爽やかな香りのシークヮーサーと甘みのあるエルダーフラワートニックをスノースタイルで仕立てた2種類のカクテルを用意します。特に、ミックススパイスを使用した豚肉のグリル料理と合わせると、カクテルのスパイシーさが豚肉の脂を中和し、豚肉本来の甘みを引き立てます。島の食文化をフレンチの技法で昇華したコース料理に「KUNUSHINA」が深みを加えます。
「島テロワール」冬のディナーコース 概要
開始日:2024年11月15日
料金 :1名 18,150円(税・サービス料込、宿泊料別)
予約 :
にて前日まで受付
対象 :宿泊者
備考 :仕入れ状況により、料理内容や食材が一部変更になる場合があります。
星のや竹富島総料理長 中洲 達郎(なかす たつお)プロフィール
1976年生まれ、東京都出身。国内有名レストランにて修行の後、軽井沢内のレストランにて副料理長、料理長として活躍。後に佐渡島に場所を移し、海の素材を扱い活躍。素材の豊富な山・海の近くで活躍した経験を活かし、地元食材を見極め、使用食材を自ら探す。素材を最大限活かす料理を最も得意とする。2011年、フランス料理界で最も権威ある大会「ボキューズ・ドール」国際料理コンクールにおいて日本代表、アジア代表として世界大会への出場経験を持つ。
星のや竹富島では2017年より、衰退しつつある島の畑文化や農作物を次世代へ継承する「畑プロジェクト」を行っています。「KUNUSHINA」は、かつて医者がいなかった竹富島で健康維持のために生活に取り入れられてきた命草(ぬちぐさ)の文化を、おいしく次世代へ繋げる新たな活用法として、本プロジェクトの一環でつくられました。
「その瞬間の特等席へ。」をコンセプトに、施設ごとの独創的なテ
ーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」。国内外に展開する各
施設は、その土地の風土、歴史、文化などの本質を識る喜びを滞在
に織り込み、訪れた人を日々の時間の流れから解き放ちます。
竹富島の東に位置する琉球赤瓦の集落「星のや竹富島」。約2万坪
の敷地には、島内の家々と同じように「竹富島景観形成マニュアル
」に従い、伝統を尊重して建てた戸建の客室、白砂の路地、プール
、見晴台などがあり、小さな集落が構成されています。
所在地:〒907-1101 沖縄県八重山郡竹富町竹富1955
電話:050-3134-8091(星のや総合予約)
客室数:48室・チェックイン:15:00/チェックアウト:12:00
料金:1泊 112,000円~(1室あたり、税・サービス料込、食事別)*通常予約は2泊より
アクセス:石垣港よりフェリーで約10分 竹富港より送迎有