日本・トルコ外交樹立100周年「ヒラルちゃんとあさひくん」の絵本を出版します。多くの人に読んでいただきたいので完成した本を日本とトルコの図書館に贈呈するためにクラウドファンディングに挑戦します。
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私たちNPO法人「日本語の美しさを伝える会」(代表 伊藤玄二郎)では2005年より名作朗読を耳から聞くことで子どもたちに日本語の美しさと物語のおもしろさを伝えようと、「親と子の朗読会」を毎週土曜日鎌倉・建長寺で開催しています。
今年(2023年)は「日本・トルコ外交樹立100周年」です。
私たちは日本・トルコ外交樹立100周年を記念に出版される絵本「ヒラルちゃんとあさひくん」の出版と、配布の応援をしています。
日本とトルコとの一層の交流を促進すべく、1,000冊の絵本をトルコ大使館協力のもと現地の教育機関へ、そして日本全国の図書館への寄贈を行います。
皆さんは日本とトルコの深い絆を知っていますか? 多くの子どもたちに両国に息づく「100年を越えるロマン」(助け合いの心)を知ってもらうとともに、末永い交流を実現するために、多くの子どもたちの絵本を届ける活動への応援をいただけると幸いです。
日本・トルコ友好絵本『ヒラルちゃんとあさひくん』
文:田村 朗 絵:長谷川 綾
原案:遠山 敦子(元駐トルコ共和国日本国大使館大使)
翻訳:駐日トルコ共和国大使館
編集・発行:かまくら春秋社
本の登場人物の名前である「あさひ」と「ヒラル」は、日本語で「朝日」とトルコ語で「新月」をあらわす単語です。日本国旗の日の丸とトルコ国旗の新月を象徴しています。
2023年はトルコ建国100周年の年でした。また本年は日本・トルコ外交樹立100周年の記念すべき年にあたります。
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トルコ=トルコ共和国
首都アンカラ。面積約78万1千平方キロ、人口約8,470万人。アジアの西のはずれにあります(一部ヨーロッパを含みます)。14世紀以降、オスマン‒トルコ帝国として栄えました。1923年トルコ共和国に。初代大統領はケマル・アタチュルクです。
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ここでトルコと日本との間の助け合いの歴史をご紹介します。1890年〈明治23〉エルトゥールル号の沈没事故
トルコは親日国として知られています。そしてトルコ人は1890(明治23)年におこった事故をいまでも語り継いでいます。
130年以上も前、トルコから軍艦エルトゥールル号で日本へ使節団がやってきました。
しかし1890年9月16日、日本からトルコへ帰国途中の軍艦エルトゥールル号は台風のために和歌山県の樫野崎灯台付近で沈没。500人以上が亡くなるという大事故が起きます。
オスマン帝国海軍「エルトゥールル号」の写真
灯台のある大島村(現在の串本町)は村をあげて救助にあたり69人の乗組員を救助しました。生存者は明治天皇の命により日本の軍艦でトルコへ送りとどけられたのです。
1985年〈昭和60〉イラン・イラク戦争中、トルコ政府による日本人救出劇
1980年から始まったイラン・イラク戦争。1986年3月17日、イラクのフセイン大統領が、48時間後以降イランの上空をとぶ飛行機をすべて撃墜する宣言を出しました。
1985年3月日本人を運んだトルコ航空のDC-10イズミル号
この時、イランの首都テヘランには日本人200人以上が取り残されていました。その日本人を救うため、トルコ政府は2機のトルコ航空機をテヘランに派遣して、日本人を救出してくれました。
1999年〈平成11〉トルコ北西部地震
1999年8月17日、トルコ北西部で発生したマグニチュード7.6の地震は37秒もの間ゆれ続け、1万7000人あまりが死亡し、およそ60万人が家を失いました。
この地震で日本政府はトルコの被災民救援のため、プレハブ500戸を自衛隊の艦船でトルコへ輸送しました。
トルコに向かうプレハブを搭載したコンテナを載せた自衛艦
2011年〈平成24〉東日本大震災
2011年の東日本大震災では、トルコ政府が救助チーム32人を派遣します。
宮城県内でおよそ3週間の救助活動を行ったほか、缶詰およそ6万個、水およそ18.5トン、毛布およそ5,000枚が宮城県や福島県の被災地に届けられました。
活動期間は約3週間で、海外の救助隊の中で最も長かったとされています。
100年以上にも及ぶ両国間の助け合いの歴史、そして心の交流を、いま生きる子どもたちに知ってもらいたい。そしてこの国際交流が次の100年、その次の100年と続いていくことを願い、この本の出版と配布の支援を決意しました。
絵本の体裁はAB版、ハードカバー、32ページ(オールカラー)。
また日本語とトルコ語を併記し、両国の子どもたちが楽しめます。
トルコ語の翻訳は駐日トルコ共和国大使館に全面協力いただきました。
表紙だけではなく、全ページにトルコ語訳が掲載されています。
巻末には、絵本への理解を深めるための「解説」がつき、原案となった元駐トルコ共和国日本国大使である遠山敦子さんのエピソードを紹介します。
遠藤さんは、1999年8月17日トルコ北西部で発生したイズミット地震の時、駐トルコ共和国日本国大使館大使を務めていました。
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遠山さんは当時、日本の大使としてトルコに駐在していました。地震が起きたときはトルコの首都アンカラの大使公邸にいました。イズミットから300キロほど離れているアンカラは夜中にゆったりと揺れました。
遠くで大きな地震が起こったに違いない。目をさました遠山さんは、とっさにそう思いました。
夜があけると遠山さんは大使館にかけつけました。時間がたつにつれて大きくなる被害状況に、「地震大国の日本は何とかトルコのために役に立ちたいし、トルコに恩がえしをしなくては」という思いがつのります。
というのは、1985年、トルコと国境を接するイラクとイランの戦争がつづくなか、イラクによるイランの首都テヘランへの空爆をまえにトルコ政府は危険をおかして飛行機をとばし、テヘランに取りのこされた200人以上の日本人を間一髪、救出するという出来事があったからです。
(絵本のあとがきより一部抜粋)
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両国の友情の歴史を伝えるこの絵本を、トルコと日本の図書館に寄贈します。
・トルコ大使館へ1,000冊寄贈(トルコ国内で大使館が配布予定)
2024年12月に絵本が完成後、トルコへ本をお送りします。配布先の選定についてはトルコ大使館が行うことをご快諾いただいています。
・日本全国の図書館約3,300館に寄贈
都道府県立図書館:59館
市区立図書館:2,603館
町村立図書館:630館
2024年12月に絵本が完成後、上記の図書館にお送りします。図書館への寄贈については、過去に図書館への寄贈の経験を有する編集・発行担当のかまくら春秋社と協働で行います。
その寄贈にかかる費用をご支援いただけると幸いです。
出版、寄贈までのスケジュールは以下を予定しています。
2024年
11月 クラウドファンディング終了
12月上旬 絵本完成
12月下旬 日本全国の図書館へ絵本の寄贈
トルコへの絵本の寄贈(トルコへの輸送のタイミングは、トルコ大使館と調整して最終決定)
リターン発送開始
※日本の図書館及びトルコへの寄贈の完了については活動報告でお伝えします。
この絵本をつくっているさなかの2023年2月6日、トルコ南東部でマグニチュード7.7と7.6の大きな地震がつづき、日本はいち早く救援隊や医療チーム、専門家チームを送りました。
たくさんの犠牲者がでた悲しい出来事ですが、トルコと日本の強いきずなは、いまでも続いています。
それはエルトゥールル号の沈没事故から続いているのです。
「分断される世界」という言葉が聞かれるようになる、この時代だからこそ、両国の歴史をしっかりと伝え、残していきたいーそう願って、絵本を一冊いっさつ丁寧に届けていきます。
ご支援、ご協力をどうぞお願い申し上げます。