1000馬力のチューニングカーよりも600馬力のスーパーGTマシンのほうが圧倒的に速い! クルマの速さは何が影響しているのか?

2024.09.28 11:40
この記事をまとめると
■1000馬力オーバーのチューニングカーは最近珍しい存在ではなくなった
■スーパーGTを走るマシンよりも馬力があるが全体的な速さは劣る
■GTカーは空力やタイヤのスペックが市販車とは段違いだ
GTマシンの速さは段違い
  日本のチューナーの技術探求力には目を見張るものがあり、いまや1000馬力オーバーのナンバー付きチューニングカーを作れるショップもいくつもある。
  当然、サーキットだって全開で走れる信頼性もあるわけだが、そのラップタイムはどれほどレーシングカーに迫っているのか。富士スピードウェイで比較してみると、R35GT-Rのチューニングカーで、最速クラスになるとラップタイムは1分40秒。平均時速でいうと164km/hだ。
  一方、国内最速のハコ車のレーシングカー、スーパーGTの富士でのレコードを見てみると、ラップタイムは1分25秒台!
  チューンドカーのR35GT-Rの最高出力が、1100馬力なのに対し、GT500のマシンは名前の由来どおり、エンジンパワーはその半分の550馬力(以上)ぐらいしかない。それなのに、15秒もの大差をつけてレーシングカーが速いのはなぜなのか。
サーキットを最速で走るために設計されたのがレーシングカー
  まず、チューニングカーの強みは、エンジンパワーと最高速だが、エンジンパワーは2倍になっても、最高速は1.4倍にしかならないというデータがある。これは速度の二乗に比例して、空気抵抗が大きくなるためだ。
  スーパーGTもマシンは、いまやフォーミュラカーにも匹敵する空力マシンで、空気抵抗を極力減らしながら、ダウンフォースを得ることに成功している。チューニングカーでは、そこまで空力を突き詰めていないので、パワーはそれほどアドバンテージにはなっていない。
  次にボディ。メーカーのエンジニアに聞いたところ、ボディに関しては昔から「ボディ2乗の法則」があり、エンジンパワーが2倍になったら、ボディ剛性は4倍にしなければならないと教えられてきたとのこと。
  レーシングカーは、カーボンコンポジットなどをふんだんに使い、重量を増やさずにボディ剛性をこれでもかと強化しているので、ボディ剛性は十分あるが、1000馬力オーバーのチューニングカーのボディが、ノーマル状態から4倍のボディ剛性をもっているとは思えないので、ボディがそのパワーを受け止められずに、どこかでパワーが逃げてしまう。
  そしてタイヤ。スーパーGTは大手タイヤメーカーがしのぎを削りながら、開発競争を繰り広げているので、そのグリップ力は強力無比。
  対するチューニングカー(=ナンバー付き)には、市販のラジアルタイヤという制約がある。減速Gやコーナリングの横Gでは、スーパーGTだと3G近くかかることがあるが、ラジアルのチューニングカーでは1Gちょっと。
  エンジンが強力で、加速力はあったとしても、Gフォースが2.5倍から3倍もあれば、ボトムスピードが圧倒的に違う。スーパーGTの富士での平均速度は時速193km/h。チューニングカーの平均速度が164km/hなので、それがそのままタイムの差に表れているわけだ。
  ちなみに高速コースとして知られる富士スピードウェイの全開率は57%(F1マシンの場合)。チューニングカーであれば、おそらく全負荷・全開は10%程度なので、1000馬力のパワーが生かせるのも全体の10%ほど。したがって大事なのはピークパワーよりもむしろドライバビリティ。全体のつながりのよさといってもいいだろう。
  そのほか、車重の軽さ(GT500の最低重量は1020kg)、ブレーキのキャパシティ、前後重量バランス、重心高、ジオメトリなど、すべてが、サーキットごとに最適化されているレーシングカーと、雨の日も晴れの日もストリートも走れるチューニングカーを同じ土俵で語るのはナンセンス。
  むしろナンバー付きで、1000馬力で、スーパーGTの15秒落ちというチューニングカーの底力に、もっと驚いてもいいぐらいだ。

あわせて読みたい

GTでありながらスーパースポーツ! 新型マクラーレン「GTS」は日常づかいすら可能な「全方位」に優れたモデルだった
WEB CARTOP
伝説のためのタイヤアップデート。「ポルシェ・カレラGT」のタイヤダイナミクスがさらに向上
CARSMEET WEB
「相続ナビ」で相続を手軽に! 事例とともに対処法を解説
antenna
177台のマクラーレンが集結!「マクラーレン・トラックデイ・ジャパン2024」が富士スピードウェイで開催
CARSMEET WEB
ジェームズ・ボンドが選ぶにはワケがある! アストンマーティンの最新DB12【試乗記】
GOETHE
日常に彩りを与えるnarumiyashiroのdessert plate展示販売開始
PR TIMES Topics
6億円越えでも即完売! 一生に一度は拝んでみたい1000馬力超、最高300km/h超のスペシャルマシン
OCEANS
このご時世に「電子制御なし」「電動化なし」の1070馬力純エンジンスーパーカーが爆誕! 「操れるドライバーはいるのか」レベルの恐るべき中身
WEB CARTOP
【品川プリンスホテル】Strawberry Garden アフタヌーンティースイーツコース
PR TIMES Topics
バカッ速ポルシェをさらに怪物化! 世界の超メジャーポルシェチューナー4選と衝撃の作品
WEB CARTOP
毎年恒例のファン感謝イベント「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2024」開催される
webCG
戸籍を調べて驚愕! 実際にあった相続トラブル
antenna
デロリアンとフォードGTをEVで蘇らせた! 単なるEVコンバージョンじゃないリンクス・モータースの激熱な「新車」
WEB CARTOP
打倒ランボルギーニ、ニュルブルクリンク最速! GT3のさらに上をいく「ポルシェ911」とは
GOETHE
divan「アードワーズチョコレート」新商品「アールグレイ」も加わりアソートで登場
PR TIMES Topics
公道も走れるレースカー!? マセラティ GT2 ストラダーレが登場
ドライバーWeb
1275psのシステムトータル出力と1340Nmのトルクという驚愕のスペックを持つスーパースポーツ!「マクラーレンW1」が発表
CARSMEET WEB
【ラ・メゾン・デュ・ショコラ】バレンタインコレクション「パリ サンヴォール」発売予定
PR TIMES Topics
ドリキン土屋圭市さんも太鼓判を押す「しなるホイール」! ホイール交換でまるで走りが変わるホンダアクセスの「MS-050」っていったい何だ?
WEB CARTOP
多くの日本人が知らない名門スポーツカーメーカー! 活動休止中の「アスカリ」のクルマが放つヤバすぎる魅力
WEB CARTOP
ヒルトン京都「ストロベリーハーベスト デザートビュッフェ」開催
PR TIMES Topics