故人の想いに寄り添う遺品整理。家族との思い出を写真で残す「遺言フォト」で遺品整理業界に新たな価値を創造。

2024.09.22 13:00
株式会社カラーリスタは、関西エリアを拠点に生前整理や遺品整理を中心とした事業を展開する会社です。お片付けだけではなく、遺品を撮影してアルバムを制作する「遺言フォト®️」や、終活に関する情報を提供する総合メディア「終活図書館」など、家族の心に寄り添ったサポートを提供しています。


私たちは、「後悔をなくす」というミッションを掲げ、生前整理や遺品整理に向き合う方々の「後悔のない選択」を実現することを目指しています。今回ご紹介する遺言フォト®︎は、「家族の想いに寄り添ったサービスを提供したい」との思いから誕生しました。


このストーリーでは、サービス開発者である代表の鈴木と取締役の前谷が制作秘話やサービスに込めたこだわりなどをお伝えします。
作業効率だけではない、現場で気づいた遺品に込められた故人の想い
鈴木:私が遺品整理の事業を始めたのは2019年です。「遺品整理」の仕事を知ったのは、前職の広告代理店で営業職をしていた時でした。元々、日本の中古品などを海外に輸出してリユース、リサイクルをする事業に携わりたいとの思いもあり、独立して事業を立ち上げました。


独立当時は、作業現場に着くなり「いかに早く片付けを終わらせるか」という意識が強く、効率ばかり重視していました。そんな中で前谷と出会い、彼女の視点に大きな衝撃を受けました。


前谷が「遺品整理の現場を知りたい」と手伝いに来た際、几帳面に並べられた本棚や、細かいヘアピンなどの雑貨が箱に丁寧に収納されている様子などを見て「ここに住んでいた人はきっと几帳面な方だったんでしょうね」と、故人に対する想いを語り始めたのです。それまでの私は、作業効率ばかりに気を取られ、故人の想いに目を向けていなかったことに気づかされました。この経験が、遺品整理における想いの大切さに気づくきっかけとなりました。
初めての現場同行。故人の生活空間で想いを馳せた
前谷:鈴木に出会うまで「遺品整理」という仕事を知りませんでした。聞き馴染みがなく「そんな仕事があるんだ」と新鮮な気持ちになったのを覚えています。仕事内容に興味を持ち、手伝いに行かせて欲しいと頼みました。そして、初めて現場に同行した際、想像していたイメージとは全く異なり驚きました。


私の遺品整理に対するイメージは、不衛生でゴミ屋敷のような場所だと思っていました。しかし、実際に訪れた現場は、想像よりも綺麗で、生活感がありました。さらに、本棚に本がきちんと並べられ、小物が種類ごとに小さなケースに丁寧に収納されている様子を見て「ここに住んでいた故人は、きっと几帳面な性格で、本当は自分で片付けたかったのかもしれない」と感じました。
看護師時代、患者様と関わりで培われきた視点と発想がサービスのきっかけに
前谷:私自身、元々看護師として働いており、病棟で様々な患者様と関わってきました。言葉を話せない方との関わりなど臨床での経験から、仕草や表情など、観察によって察するスキルが身についていました。そのため、遺品整理の現場を訪れたときも自然と観察の癖が出たのだと思います。


また、病院で亡くなる方を見送る時もありましたが、いつも「故人の家族に何かできないか」と、もどかしい気持ちを抱いていました。基本的に病院は、亡くなった方へのエンゼルケアなどの処置は行いますが、ご遺体はすぐに葬儀会社に引き渡され、その後、故人の家族との関わりもそこで終わることが多いです。病院勤務時代は、ご遺族の心のケアまではできなかったため、心に寄り添ったサービスを提供したいと考えていました。
サービス化に向けて取り組んだこと
鈴木:前谷から「遺品に込められた想い」を形に遺したいという提案を受け、私も賛同しました。前谷の話を聞き、私自身も”片付け”だけではなく、気持ちに寄り添ったサービスを提供したいと強く思いました。


すぐにサービス化に向けて試行錯誤の日々が始まりました。どうすれば想いに寄り添えるのか、ただ写真を撮影するだけなら誰でもできるのではないか、私たちにしかできないことは何か、など様々な視点から議論と試行を重ねました。撮影方法などはプロのカメラマンの協力を得て、画角や構図などの研究を進めました。


試作を進めるうちに”気付き”もありました。お客様に思い出のエピソードを教えてもらうことで、初めて写真の意味が生きるのだと。ただ綺麗に写真に残すだけでは、思い出に寄り添っているとは言えない。私たちがサービスを通して実現したいことは、思い出のエピソードや風景、物などの写真を含め、家族や故人との思い出を形に残すこと。完成したアルバムを見て、家族や故人が過ごした時間の記憶を思い出し、前向きな気持ちになってほしいという思いで取り組みました。
遺品に込められた「想いを紡ぐ」というメッセージを込めたサービス名
鈴木:遺言フォト®︎のサービス名は、「家族や故人の想いを遺す」という思いが由来です。大切な物や遺品には、家族や故人の想いが込められています。私たちは、その想いは家族に向けた「遺言」のようなものだと考えています。


例えば、生前整理であれば、大切にしている物のエピソードを伺いながら写真に残すことで、「なぜ大切にしているのか」を家族に伝えることができます。また、遺品整理であれば、遺族が故人との思い出を辿りながら、「故人の生きた証」を家族で共有するきっかけにもなります。このように家族や故人の想いを写真に残して伝えたいとの思いから「遺言フォト®︎」と名づけました。


また、ロゴには、写真を象徴するカメラのイメージを採用しました。さらに、中央のハートのモチーフは、家族や故人の「想いを紡ぐ」という意味合いがあります。ハートの色味にもこだわり、希望や暖かさを意味するオレンジ、そして、安心やリラックスなどを意味するグリーンを採用しています。
ご家族との会話で、故人に寄り添いながら行う撮影
前谷:撮影中はお客様と会話をしながら、和やかな雰囲気で進めることを心がけています。緊張感ばかりでは話が弾まず、リラックスした状態で思い出を辿れないためです。例えば、故人がお気に入りだった部屋を撮影するときは、部屋のどこで過ごしていたのか、どんな風に過ごしていたのか、など具体的に教えてもらいながら話を引き出していきます。故人との思い出を感じられる写真を残すためには、お客様の記憶に残る風景を表現する必要があるためです。


時には故人との記憶が蘇り、涙を流されるお客様もいます。私たちもお客様の気持ちに共感し、一緒に涙を流すことも少なくありません。ただ話を聞く、自由に話してもらうのではなく、私たちはお客様の話を聞いて、自身で想像し、「どんな写真を残したら思い出として残せるか」という視点で撮影を行っています。
写真アルバムは持ち歩きやすいサイズに。表紙には思い出の一枚を
鈴木:写真アルバムは20cm×20cmの正方形で手に取りやすいサイズにしています。身近な場所に置いて、いつでも見返してほしいとの思いからです。実は、サービス開始当初のプロダクトは、卒業アルバムほどのサイズでした。写真のサイズが大きい方が良いかと思っていましたが、「家族に見せるときに持ち運びにくい」などの声もあり、現在のサイズに改良しました。


また、アルバムの表紙にもこだわりがあり、お客様にとって思い出深い写真を表紙に採用しています。サービス名とロゴや名前が入った表紙も考案しましたが、思い出の写真が表紙の方が、アルバムが目に入った時に家族や故人を想起できると思いました。実際にお客様からは「表紙が思い出の写真だから、リビングに飾っても違和感がない。時々見ている」とのお声もいただきました。
アルバムの細部にまで、懐かしさや思い出が蘇る工夫を
前谷:アルバムに納める写真にも色味などを調整し、ひと工夫を加えています。色味を調整する理由は、思い出が蘇る「懐かしさ」を演出するためです。写真の彩度を押さえ、セピア色に近い加工を施すことで、落ち着いた印象を与えることができます。また、暖かみのある色合いは、思い出を呼び起こし、繊細で情緒的な繋がりを感じさせてくれます。アルバムを開き、写真を見た時に「懐かしさ」を呼び起こし、家族や故人との繋がりを感じてほしいとの思いがあります。


さらに、アルバムに配置する写真も、撮影した順番に配置するなどの意図があります。お客様がアルバムを見返した時に、撮影時に話した思い出のエピソードを辿れるようにするためです。例えば、故人のご自宅を撮影した場合は、一番最初に撮影した思い出の品から始まり、次に各部屋、そして最後に玄関、外観、などのようにストーリーを描くように配置しています。アルバムの写真を順番に見てもらうことで、思い出をより想起できるような工夫を施しています。
思い出の空間を写真に残す遺言フォト®︎。生前整理やご自宅の売却時にも役立てていただきたい
鈴木:ご遺品整理をされる際はもちろん、両親の施設への引越しに伴う生前整理、長年住まれたご自宅の売却、解体前の思い出に寄り添えたらと思っています。整理が終わったお部屋は、物がなくなりスッキリした空間になる反面、同時に家族や故人の存在感も消えてしまうような、そんな寂しさを感じる方も少なくありません。だからこそ、遺言フォト®︎を通して、故人が過ごした自宅の風景、家族で過ごした思い出の部屋、故人が見た景色、お気に入りだった場所など、思い出に囲まれた空間を写真に残し、思い出に寄り添うお手伝いをしたいと考えています。
「前向きな気持ちになれた」とのお声も。故人との思い出を辿ることで、遺品整理後の心境にも変化が
鈴木:実際にご利用いただいたお客様からは、遺言フォト®︎を通して「前向きな気持ちになれた」などの心境の変化に対する言葉をいただいています。


ご遺品整理を依頼いただいたとあるお客様は、療養生活を送るお母様を支えながら過ごした自宅の整理に取り組まれていました。お会いした時には「思い出が詰まった自宅の片付けが辛い」と涙ながらに話をされていました。お母様との思い出の空間を片付けてしまうことで、喪失感が増し、精神的にも辛そうな状況でした。そこで、片付けの前にお母様の過ごした空間や思い出のご自宅の風景を撮影。たくさんの思い出のエピソードを伺いながら、時間をかけて一緒に思い出を辿っていきました。その後、無事に片付けも終わり、完成したアルバムを手に取り、「カラーリスタさんとの思い出が、私たち家族の時代の終わりをとても良い思い出にしてくださり感謝しています」と。さらに「仕事も復帰して前を向いて進んでいこうと思います」と、心境の変化に関するご報告もいただきました。


私たちが出会ったときは、涙ながらに話をされるお客様も少なくありません。しかし、遺言フォト®︎を通して、お客様の気持ちの変化を感じることで、役に立てたと実感し嬉しく思います。
ミッションは「後悔のない選択」をサポートすること。遺言フォト®️を通じて、家族や故人に寄り添っていく
鈴木:最近の遺品整理業界では様々な業界からの参入もあり、業者数も増えています。多くの業者がホームページに「お客様の心に寄り添う」や「心の整理をお手伝いします」といった言葉を掲げていますが、これらの言葉を具現化できていないように私たちは感じています。遺品整理業界全体において提供される主なサービスの内容が、不要品の仕分け作業や片付けの業務です。整理サービスを求めるお客様によっては、「気持ちの整理がつかず、荷物の整理が辛い」と感じておられる方もいます。このようなお客様に対して、私たちは、真の寄り添うサービスが提供できているのか、と疑問に感じます。


生前整理や遺品整理は、故人と家族にとって大切な時間だからこそ、気持ちに寄り添うことを体現した「遺言フォト®︎」は、遺品整理業界にとっても必要なサービスになると私たちは考えています。今後は、私たちの想いに共感してくれるお客様はもちろん、同業者、他業者の方々は代理店という形で「遺言フォト®︎」の価値を広げていきたいです。


前谷:私たちのミッションにも掲げているように、生前整理や遺品整理に向き合う方々の「後悔をなくす」を体現していきたいです。私たちは、生前整理や遺品整理は大切なライフイベントの一つであり、家族や故人との思い出を通して感謝を伝える”恩返し”の機会であると考えています。また、物理的な片付けだけでは、家族や故人と向き合う時間や心の整理ができず、「本当にこれで良かったのか」と片付けが完了した空っぽの部屋を見て後悔される方も少なくありません。


私たちは、遺言フォト®︎を通して、家族や故人と向き合う時間に寄り添い、生前整理や遺品整理に取り組む方々の「後悔ない選択」をサポートし続けたいと考えています。


インタビュー・編集:カラーリスタ広報部


【会社概要】
株式会社カラーリスタ
代表取締役:鈴木 聡
伊丹営業所:兵庫県伊丹市荒牧6-18-26
宝塚営業所:兵庫県宝塚市中筋7-5-12-02
ホームページ:
遺言フォト®️サービスページ:

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