壊れてしまった吉村順三設計の最小作品を、改修して文化発信の場にしたい!

2024.09.11 01:26
皇居新宮殿の建築家・吉村順三が親族のために設計したたった10坪の小さな山荘。全ての作品の中で一番小さなこの建築を、解体寸前で買い取り、保存活動に乗り出しました。壊れた部分は設計図通りに改修し、その心地よい空間を公開していきます。いずれは文化を発信するサロンとなったらよいなと活動していきます。自己紹介
みなさまはじめまして。
都内の組織設計事務所で一級建築士として働く辻林と申します。 
建築の意匠設計を10年、建築コンサルを10年ほど担当し、
今は万博のパビリオンの設計チームにおります。
一方、コロナ禍でリモートが普及したことをきっかけに大学院を受験し、
週末と有給を使って大学院生生活との2足のわらじ生活をしております。 
大学院に合格してまもなくこの山荘に出会い、
大学院でも吉村順三の研究を進めています。 

このプロジェクトで実現したいこと
この建物は、皇居の新宮殿を設計した建築家である吉村順三が、
奥様の従姉妹からその母親のために建てたいと依頼され皇居と同じ1966年に設計した、
ご本人とご家族にとっても思い入れのある建物だということがわかりました。
作品集や設計図集にも掲載されており、 
発表されている全ての作品の中で1番小さな建築作品です。 

ご家族が丁寧に使われ当時のままの内部が残っています。 
その空間を守り、 竣工当時とは変えられている外壁を設計図通り元に戻し、 
吉村先生らしいその居心地のよい空間を 
吉村順三が好きな皆様や建築に興味のある皆様に体験頂きたいと思っています。 
第一弾の改修では過ごすことが出来るように。 
第二弾改修、そして将来的には山荘として宿泊出来るところまで持っていきたいと考えています。

アーティストや建築家、 地域の方たちがふらっと立ち寄り、
たった10坪とは思えない広がりと落ち着きを持ったその空間の中で、
親密な会話が生まれ、サロン的な文化発信拠点になれば良いなと考えています。 
尊敬する具体美術の中之島の拠点、グタイピナコテカのように。 
題して仙石原ピナコテカ。 

そして大富豪でなくとも、会社勤めの女性でも文化財の保存活動ができる。 
そんな具体事例になり、これからの社会でストックとして増えていく建物資産を、
もっと素敵に活用していく活動が身近に感じられる一助になりたいと思っています。

プロジェクト立ち上げの背景
2021年10月31日。
軽井沢へスキーに行った帰りのこと。
私は建築士で、時折り建物を見て歩くのですが、
この日は吉村順三が設計した建物を改修したカフェに立ち寄りました。
カフェの収益が建物保存の資金になると知り、
Facebookでスキー仲間へ向けて発信していました。

2日後、
投稿を見た友人から、
こんなメッセージが届きました。
*******
こんにちは!
FB投稿していた吉村順三さん、
昔使ってた別荘の建築士で、
久しぶりに名前を聞いてびっくりした。
*******

え?なんだって?
別荘が吉村先生の設計だって??

聞けばその建物は箱根にあって、もう壊れて使えず、
売却の方向で測量も契約書の押印も終わり、
もうあとは書面が交わされるとこ、と。
来月には解体されるかもしれない、と。

慌てた私はすぐに図書館に走り、吉村順三の作品集を借り、
その中に山荘が掲載されていることを確認しました。
仙石原 ○○邸、と。
その○○邸のお名前は、まさに友人の名字でした。

待って待って、まだ壊されていないのよね、、
間に合ったのですよね、、
それは作品集にも載っている建物で、あなたのお名前が作品集に載っている。
壊れたのなら直せばよい。
なんとか契約を待ってもらえないか。
呆れられるくらい大量のメッセージを友人に送っていました。

2021年11月14日。
願い叶えて頂き、現地に伺いました。
写真の通り、建物は笹の中に。
描き分け描き分け、たどり着いた山荘は、
入り口の階段が温泉の硫黄で朽ちて落ちてしまい、
ベランダの手すりも壊れていました。
吉村先生がこんな外壁のサイディングを使うだろうか、、、
そんなことを考えながら高床の室内に入った瞬間。
うわぁ、と思わず声が漏れました。
あぁ、吉村さんの空間だ、と。

守ろう。なんとしても保存しよう。
確信した私は、買い取りたい旨をお伝えしました。
建物を残してもらえるのなら、と、ご家族は進んでいた契約を止めて下さり、
私が受け継ぐこととなりました。
出会ってからここまでほんの2週間。
そんなこんなで、私はここ仙石原の家を継承することになったのです。

現在の準備状況
屋根に水の漏った跡があり、バルコニーの傷みも昨年の台風で進行してしまったことから、
この春より工務店選びを開始し、先日改修を着手したところです。
改修は2段階に分け、この夏に第一弾を行います。 

《第一弾 2024年夏》 建物がこれ以上傷まないための改修  約500万円
          (屋根・バルコニー・玄関扉・給排水・電気工事・外構の一部 )
《第二弾 2025年春》 竣工当時の意匠に戻すための改修   約500万円
          (外壁・雨戸・外構)
第一弾改修:屋根の着工状況リターンについて
現地での見学会やオンライン見学会のチケットに加え、
ポストカードやミニ写真集などをご用意させて頂きました。
写真集はこの建物を継承した際の、そのままの内外装と共に、
現在進んでいる第一弾改修のミニレポートも掲載いたします。
そのほか、建物貸し切りチケットや、
オーナーの出張セミナーを行うチケットもございます。
ぜひまだ世にあまり知られていない吉村作品をご堪能ください。

スケジュール
7月   外構工事着手
8月   屋根・バルコニー改修 
9月   駐車場施工 
    →クラウドファンディング終了
    →第一弾改修完了、見学会再開
10月~11月  リターン発送

資金の使い道
第一弾改修費 約500万円の一部として充当させて頂きます。

屋根改修費  :約200万円 ※仮設費含む 
バルコニー改修:約35万円
玄関扉・一部内装: 約 40万円
駐車場    : 約85万円 
給排水配管   :約40万円 
電気工事   : 約40万円
諸経費     :約20万円
消費税     :約45万円
CAMPFIRE手数料(17%):約30万円(目標額180万に対して)

御礼とネクストゴールについて
8月15日にこのクラウドファンディングを立ち上げ、
わずか6日で当初目標としていた180万円のご支援を頂きました。
ご支援頂いた皆様、本当にありがとうございました。
大切な建物をお預かりしていることを実感しております。
工事費総額としては500万円かかることから、
また、初めてこのPJをご覧になる方もまだまだ多いことから、
次のゴールとしてネクストゴールにチャレンジします。
見学会のリターンは定員になってしまいましたが、9月以降若干の追加を検討しております。最後に
偶然の積み重なりでこの山荘を継承することになりましたが
その空間の吉村先生らしさは建築に関わる皆さまのみならず、
広く建築やアートが好きな方にも感動頂ける空間だと感じています。
自然に囲まれた景勝地である仙石原という立地に加え、
美術館をたくさん抱える箱根という土地の中で、
新たな建築・アートツアリズムを立ち上げられたらと思っています。
地域社会の大切な拠点として、
また一般人が個人的に文化財保存・建築ストック再生を行った事例として
社会に一石を投じることができれば幸いです。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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