38台だけの究極オートクチュール アストンマーティン「ヴァリアント」

2024.08.23 12:40
自分のためだけにあつらえた最上級の「オートクチュール」は、クルマでも可能なのだろうか? なかなか難しい、と答えざるを得ないのが現実だ。それでも…“超”がつくほどの高級ブランドであれば、違う世界を見られるのかもしれない。
真っ黒なフロントグリルに浮かぶ2つの丸い目玉。リアエンドには、ボディと一体型の大型スポイラーが立ち上がる。英国のアストンマーティンが7月のヒルクライムイベントで披露した風変わりな一台は「ヴァリアント」と名付けられている。強烈な印象を残すこのモデルは、世界で38台だけ生産販売される予定だ。そのうちの一台は、すでにF1ワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソの元に納車されることが決まっている。
2ドア2シーター。最高出力745psの5.2リッター、V12ツインターボエンジンは、ベースとなった「ヴァラー」よりも30psほど出力が引き上げられている。組み合わせるトランスミッションは、走り好きのアロンソの注文により6速MT(マニュアルトランスミッション)のみとなる。
F1ドライバーが注文したパワフルなエンジンに適応するボディに求められるのは、見た目よりダウンフォース(地面に押し付ける力)なのかもしれない。つい巨大なリアウイングに目が行ってしまうが、フロントのエアダムからサイドシル、ホイールカバーに至るまで、市販車では例がないほど緻密な形状のエアロパーツがカーボンファイバーにより形成されている。
室内も、無駄なものをそぎ落としたレーシングライクな意匠になっている。軽量なカーボンファイバー製のバケットシートに加え、シフトレバーはカバーが排されたスケルトンタイプで軽量化に貢献している。
アストンマーティンというブランド名は、エンジニアのライオネル・マーティンが、貴族階級のパトロンのために仕立てたワンオフのレーシングカーで「アストン・クリントン・ヒルクライム」に勝利したことに由来している。だとすれば、トップレーサーのわがままを具現化したヴァリアントもまた、最もアストンマーティンらしい一台と言える。
アロンソへの納車は決まっている。この究極のオートクチュールを手にすることができるのはあと37人。いったい誰なのだろうか?
アストンマーティン ヴァリアントエンジン | V型12気筒 ツインターボ最高出力 | 745 ps(548 kW)最大トルク | 735 N・m変速機 | 6速 MTお問い合わせ先www.astonmartin.com
Text : Takuo Yoshida

あわせて読みたい

【社内外のブレーン】になる!新しいコンサルティングの形
antenna*
「9月の注文開始に向けて先行公開」フォルクスワーゲン パサートが激進化、ボディタイプはヴァリアントに一本化
MonoMaxWEB
1000馬力オーバーの純エンジン量産車も存在! じつは1リッターで1000馬力のエンジンも作れるってマジ!?
WEB CARTOP
【SPECIAL】“LE LABO” City Exclusive Collection
Lula JAPAN
アルピナらしく仕上げられた完成形 BMWアルピナ「B3 GT、B3 GTツーリング」
BRUDER
F1ドライバーの理想を実現! アストンマーティンが限定モデル「ヴァリアント」を日本初公開
webCG
マルチ機能エクササイズステップ台「ROOMSTEP」発売
PR TIMES Topics
アロンソ選手からの挑戦状 !? 過激な仕上がりのアストンマーティンヴァリアント
octane.jp
アロンソのオーダーによる限定モデル「ヴァリアント」も初公開!アストンマーティンの豪華ラインナップ、グッドウッドで勢揃い
CARSMEET WEB
ソーダ専門店 SODA BAR シーズンドリンク「巨峰ソーダ」発売
PR TIMES Topics
12気筒の伝説が再び蘇る フェラーリ「12チリンドリ」登場
BRUDER
レーシング一歩手前の興奮を公道で マセラティ「GT2 ストラダーレ」
BRUDER
【CHAVATY】日本の美味しいフルーツとティーを掛け合わせた秋限定メニュー登場
PR TIMES Topics
フェラーリが新型V12エンジンモデル「12Cilindri」を公開
MEN'S EX
アストンマーティン・ヴァラーを体感!110台限定スペシャルアストンの乗り味やいかに?
octane.jp
フェラーリの新たなフラッグシップ「12チリンドリ」が日本初登場
MEN'S EX
フェラーリ、V12エンジン搭載の新型スーパースポーツカー「12 Cilindri」が日本初上陸!
GOETHE
【跳ね馬のDNAを完璧に体現】フェラーリの“12気筒”という名の新フラッグシップ「ドーディチ チリンドリ」日本上陸
MonoMaxWEB
究極の自然吸気V12ユニットを開発するためにフェラーリが駆使した技術的アプローチとは?「最新のフラッグシップモデル12チリンドリ」【自動車業界の研究】
CARSMEET WEB