当代随一のマシンデザイナー「エイドリアン・ニューウェイ」の本気! 12億円の2人乗りF1のようなRB17の全容

2024.10.14 19:30
この記事をまとめると
■グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでレッドブル「RB17」が発表された
■デザイナーはレッドブルを離れたエイドリアン・ニューウェイ
■RB17の生産台数はわずかに50台で価格は600万ポンド(約12億円)
「RB17」はF1マシンではなくサーキット専用車になった
  それはかつて、アストンマーティンとレッドブル・レーシングとの提携によって誕生した、アストンマーティン・ヴァルキリーの後継車ともいえる存在なのかもしれない。
  2016年に「AM-RB 001」のプロジェクトコードを掲げ、アストンマーティンのデザイン責任者、マレック・ライヒマン、そしてレッドブル・レーシングの、同じくエイドリアン・ニューウェイを指揮者として開発が進められたそのモデルは、開発の遅れや生産時間の長さを理由に2021年までデリバリーが遅れたものの、最終的には計画どおり150台の限定生産(ほかに80台のスパイダーと40台のサーキット専用車、AMR Proがある)が行われた。
  今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでレッドブル・アドバンスド・テクノロジーから発表された「RB17」は、たとえるのならば2シーターのF1マシンと表現することも可能な、究極のサーキット走行専用車だ。
  デザイナーはもちろんオラクル・レッドブル・レーシングのテクニカル・オフィサーである、エイドリアン・ニューウェイ。ニューウェイは2025年の第一四半期をもってレッドブルを離れ、新たにアストンマーティンのF1チームに活躍の場を見出すことになったから、したがってRB17は彼にとってはレッドブル時代の最後の作品となる。
  RB17という車名は、そもそも2021年シーズンのF1マシンに使用される予定だったものだが、この年のF1GPは新型コロナ感染症の影響で、基本的に前年度のシャシーをもち越すレギュレーションで開催された。レッドブルもそれに従いRB16Bを投入。翌2022年シーズンには新型のRB18をデビューさせたため、RB17は未使用のまま欠番となっていた。それが今回復活したのである。
販売台数はわずか50台で約12億円
  RB17は、F1のレギュレーションに縛られないため、とても自由な発想で設計されたハイパーカーだ。そのボディデザインは、もちろんエイドリアン・ニューウェイの手によるもので、彼らはそれを「パフォーマンスの究極形」と評するが、たしかにこのRB17が実際に実現するL/D、すなわちダウンフォースとドラッグの比率は、自動車よりも航空機のそれに近い数値となっている。
  ダイナミックで複雑な曲面を組み合わせ、そしてどれもが確かな機能をもつディテールの造形。ニューウェイは、「RB17」は自宅やガレージに飾りたくなるような芸術作品でもある」と語るが、まさに性能と美が共存するそのスタイルは、このRB17にとっては最大の魅力といえるのかもしれない。
  ミッドに搭載されるエンジンは、じつに1万5000rpmをレブリミットとする4.5リッターのV型10気筒自然吸気。これがホンダ製であるのならば、さらにその話題性は高まるところだが、RB17で選択されたのはコスワース製だ。ギヤボックスはカーボンファイバー製の6速。さらに200馬力のエレクトリックモーターが組み合わせられることで、最高出力はトータルで1200馬力に。また、このエレクトリックモーターはスターターやリバースギヤの役割も果たす。
  このパワーユニットは、ドライバーとパッセンジャーの快適性向上のためマウントを介して搭載され、そのため走行中のキャビンはとても快適な空間に演出される。その一方で、リヤのV型10気筒エンジンのサウンドは効果的に取り入れられ、カスタマーはいかにもF1マシンをドライブしているかのような興奮に包まれるという。
  前後のサスペンションは、これも1993年を最後にF1では禁止されたアクティブサスペンションを使用。重量は900kg未満、最高速は350km/hというから、そのパフォーマンスは間違いなくF1のそれに匹敵するものだ。
  RB17は、もちろんカスタマーの希望によってボディカラーや内装の仕様などを自由にアレンジできる。生産台数はわずかに50台。価格は600万ポンドというから、日本円に換算して約12億円。それでもそのオーダーリストには、早くも多くの人物の名前が、あるいは50人分の名前が連なっていることも想像に難くない。

あわせて読みたい

タグ・ホイヤーがレッドブル・レーシングのF1参戦20周年を祝し、限定コラボウォッチを発表
Esquire
並み居るF1ドライバーを従えて全開ドライブ! レースの「セーフティカー」のドライバーって誰がやってる?
WEB CARTOP
戸籍を調べて驚愕! 実際にあった相続トラブル
antenna
空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイが来季アストンマーティン入り! 輝かしきキャリアで再認識する近代F1への貢献度
NumberWeb[モータースポーツ]
タグ・ホイヤー、レッドブルのモーターレーシング カルチャーを象徴しF1参戦20周年を祝うリミテッドエディションを発表
PR TIMES
「相続ナビ」で相続を手軽に! 事例とともに対処法を解説
antenna
【F1 2024】第22戦ラスベガスGPでフェルスタッペンの4年連続チャンピオン決定、メルセデス1-2フィニッシュ
webCG
エアロダイナミック・デザインの最初期の一台。エキュリー・ベルテッリの「1923年製アストンマーティン・レーザーブレード」
CARSMEET WEB
ハーゲンダッツ ジャパン創業40周年記念「40年分のしあわせを運ぶ電車」順次運行
PR TIMES Topics
ポルシェにとってもファンにとっても「GT」は特別な称号! とはいえややこしすぎる911の「GT」と名の付くモデルを整理してみた
WEB CARTOP
テーマは「勝利の方程式:チャンピオンと挑戦者たち」! 2025年「フェスティバル・オブ・スピード」
CARSMEET WEB
「真鯛薫る七草粥」を1日限定で販売
PR TIMES Topics
F1から市販車までなんでもござれの天才エンジニア! 「ゴードン・マレー」の業績があまりに凄すぎた
WEB CARTOP
2000馬力超えのバンをメーカーが作るとか正気か! パイクスピークで1位に輝くフォードの「魔改造バン」がガチすぎて笑う
WEB CARTOP
医療現場では選ばれてきた新商品「グアー豆食物繊維がとれるゼリープラス ライチ」発売
PR TIMES Topics
F1好き必見! 特別なウオッチフェイスを搭載したオラクル・レッドブル・レーシングとのコラボモデルがタグ・ホイヤーから登場
WATCHNAVI Salon
ホンダF1、60年の激闘史! ビジュアルで振り返る『Honda F1 PERFECT BOOK』12/3発売
PR TIMES
【ねんりん家】おめでたい紅白カラーの「初春のストレートバーム」販売
PR TIMES Topics
6億円越えでも即完売! 一生に一度は拝んでみたい1000馬力超、最高300km/h超のスペシャルマシン
OCEANS
10cm程度のステッカーでも年間1億円以上! F1マシンのスポンサー料は文字通りケタ違いだった!!
WEB CARTOP