ガソリン代高騰のあおりでカローラクラスが激減! 変わりゆくアメリカのレンタカー事情

2024.07.18 06:20
この記事をまとめると
■20代のころから毎年9月末に2週間ほどアメリカに滞在することをライフワークにしてきた
■ここ数年はガソリン代の高値傾向でトヨタ・カローラクラスの車両がレンタカーでは品薄気味
■アメリカのレンタカーは日本に比べてスタッフがかなり柔軟に車両を割り当ててくれる
恒例の南カリフォルニア・レンタカーひとり旅を計画中
  筆者にとって20代のころから恒例となっているものに、「南カリフォルニア・レンタカーひとり旅」というものがある。大学3年生のときに貯めたバイト代をはたいて、50日間ほどアメリカ大陸をひとりでウロウロしていた。その旅のフィナーレがロサンゼルス周辺でレンタカーを借りてドライブすることであった。それ以降、その楽しさが忘れられず、社会人になっても、そして「アラ還(もうすぐ還暦)」となったいままで、毎年9月末に2週間ほどロサンゼルス地域を訪れ、レンタカーでフラフラすることを続けている。
  2024年もそろそろ9月が近くなってきたので、航空券やホテルなどを手配し、レンタカーの予約をすることとなった。筆者はコロナ禍で経営破綻したものの、全米最大手ともいっていいレンタカー会社のゴールドメンバーというものになっている。
  ゴールドメンバー特典はいろいろあるようだが、筆者が注目しているのは空港から連絡バスに乗りレンタカー会社の営業所へ行くと、カウンターでの手続きなしで指定された駐車ゾーンに置かれているレンタカーから好きな車種を選び、そのまま出かけることが可能となっているところ。営業所出口にあるゲートで免許証とクレジットカードを渡すと、スタッフがフロントウインドウにあるコード番号を機械で読み取るぐらいで駆り出し手続きが終了してしまうのである。
  アメリカでの一般的なレンタカーの借り出しは、営業所に到着するとカウンターで手続きをすることになるのだが、感覚的には新型コロナウイルス感染拡大後は、より長蛇の列になっていることが多いようだ。カウンターで手続きしていたころは「日本車でいいか」と、カウンターのスタッフが日本人だからなのか気を使って配車してくれるのだが、筆者が「アメリカ車にしてほしい」というと、「なぜアメリカ車にこだわる? 日本車は優秀じゃないか」と聞き返してくるので、「日本車は自分の国で所有して乗っている。アメリカに来たのだからアメリカ車に乗りたい」と告げると、「なるほど」とばかりにアメリカ車を配車してくれた。
  日本車を所有することはある意味ステイタスなのか、「この前、(ローン審査が厳しいのだが)日本車を買うことができて毎日乗っているよ」と話しかけられたこともある。
  それこそ20~30年前ならば、ミドルサイズセダンクラスでアメリカ車ならば、大抵はコラム(コラムシフト)ATにベンチシートが定番だったので、筆者は必ずアメリカ車を要求していた。
  ところがゴールドメンバーになると、指定された車庫内に停まっているクルマを自由に選ぶことができるようになった。車種だけではなく走行距離の少ない、導入してそれほど時間の経っていない車両も吟味できる。タイミングが悪くお気に入りの車両がない場合には、しばらく待つこともできるので、時間をかけてもかなり納得できる車種を選ぶことができ、筆者としては大変助かっている。
  ここ数年はガソリン代の高値安定傾向の影響もあるのか、トヨタ・カローラクラスの車両がレンタカーでは品薄気味なのが目立っている。レンタカーにまわす余裕がないほど「小売り」で十分すぎるほど売れているようなのだ。変わって台数が多めなのがトヨタ・カムリクラスのセダンやトヨタRAV4クラスのクロスオーバーSUVとなる。
  ここのところのハイパーインフレ傾向でレンタカー料金も高めとなっている。そこでガソリン代も意識し、燃費のいいカローラセダンクラスを予約しようとするのだが、検索すると今年についてはカローラクラスのセダンはレンタル車両紹介コーナーにはなく、かろうじてコンパクトクロスオーバーSUVクラスだけが掲載されていた。しかも、過去にはカローラクラスよりカムリクラスのほうは料金が安かったこともある。これは燃費性能の差によるところが大きいと考えている。
レンタカーでも燃費のいいカローラサイズは品薄
  筆者は砂漠地帯を中心に滞在中トータルで4000kmほど走ることが多く、燃費性能はそこそこ意識しながらも、長距離走行のことを考えて快適性を重視してカムリクラスをメインに乗っている(最近は結果としてガソリン代で悲鳴をあげることにもなっているが……)。ガソリンエンジンにおける燃費性能は、絶対的に日本車が優れている。そう考えると、カムリや日産アルティマを選びたいところだが、アメリカ車を運転したいという気もちもあるので、アメリカ車を選ぶ事が多い。
  しかし、いまどきはカムリサイズのアメリカンブランドのセダンはシボレー・マリブのみとなってしまった。そのマリブも1.5リッター4気筒ターボを搭載しており、以前よりは燃費性能も向上しているので(それでも同クラス日本車には及ばない)、その点では砂漠地帯でも安心して乗ることができる。
  さらに驚いたのは、カムリサイズセダンの料金の安さである。例としてカムリサイズセダンクラスの1日(24時間)の料金が79.32ドル(約1.3万円)のとき、同サイズSUVは109.97ドル(約1.8万円)、カローラクロスサイズのSUVで91.92ドル(約1.5万円)、日産キックスサイズで83.29ドル(約1.35万円)となっていた。ちなみにテスラ・モデル3サイズのBEVの料金は134.78ドル(約2.2万円)となっている。
  また、傾向としては、仮にセダンやコンパクトハッチバックで予約しても、日本以上にSUVの人気の高いアメリカでは指定したクラスの車両がないことも多い。プレミアムブランドやミニバンなど、特殊なクラスは別として、大まかなサイズわけは行われているが、ボディタイプについてはかなり柔軟に貸し出しているようであった。デトロイトでは市内移動だけなので、コンパクトハッチバックをセレクトしていたのだが、貸してくれた車両はキックスであった。
  日本ではけっこう貸し出しは厳格なようにも見えるが(車種選択すると料金が高くなったりもする)、2020年に札幌を訪れたときには、トヨタ・ヤリスクラスをエントリーしていたのだが、スバル・インプレッサG4(セダン)が当たって驚いてしまい、スタッフに「ホントにこれでいいの?」と聞いた経験もあるが、これはまれな例といえるかもしれない(まわりにヤリスや同クラスハッチバック車が多いのに)。
  ただ、アメリカのほうが、カウンターで受け付けをしても、スタッフがかなり柔軟に車両を割り当てており(以前はゴールドより上級となるプレミアムメンバークラス用駐車スペースのカムリ[走行距離が少なめなど程度がいい]を配車してもらったこともある)、柔軟性のレベルとしてははるかに高いように見えた。
  少し本筋は異なるが、返却した際に空港へのシャトルバス乗り場まで距離があるところにクルマを停めることがあった。手荷物が多い様子を見かねたのか「大変そうだから俺が送って行ってやるよ」と、そばにいたスタッフが近くにあった返却されたばかりの大型SUVで空港まで特別に送ってくれた。これもある意味柔軟性の現れとも考えている。去り際に名前を伝えられ「俺に親切にされたと会社にメールしておいてくれ」といわれた。顧客満足度向上に貢献したとしてポイントが高まるようであった。
  コロナ禍での極端なレンタカーの稼働減による大幅な減車や、その後の半導体不足などによる生産遅延問題なども収束傾向に向かうと、いまはセダン系もよく見かけ、コロナ禍前に近いバラエティに富んだ車種ラインアップになってきているようにも見えるが、相変わらずカローラサイズは品薄な状況が続いているように見える。
  2024年9月の旅行では、14日間を7日ずつにわけて2台借りることにしており、いまからどんなクルマに乗ろうか思いをめぐらせている。排気量がだいぶダウンサイズされてきているのは個人的には残念にも思うが、カムリサイズぐらいの大きさのほうがアメリカでは使い勝手がいいと感じており、そろそろアメリカンブランドのSUVにしようかなとも考えている。

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