同じようなマシンで闘ってるのにどうしてあんなに差が付く? レースの「遅い」「速い」は何で決まるのか

2024.07.07 17:30
この記事をまとめると
■レースシーンではトップと最下位に大きなギャップがつくことも珍しくない
■似たシルエットのマシンでも速さの差は大きいがその最大の理由はパフォーマンスの違いにある
■マシンのパフォーマンスに大きな違いが生じるのはセッティングの違いが大きい
同じようなスペックなのに速さに違いがあるレースマシン
  F1やスーパーフォーミュラなどのフォーミュラカーはもちろんのこと、スーパーGTのGT500クラス、GT300クラスなどのGTカーにおいても、レースシーンでは常に激しいポジション争いを展開。タイムアタックによる予選はもちろんのこと、一堂にスタートを切る決勝でも各マシンは激しいバトルを展開しているが、トップにつけているマシンと最下位にいるマシンとでは、大きなギャップがつくことも珍しくはない。
  各カテゴリーに参戦しているマシンは、いずれも似ているようなシルエットだが、なぜそこまで大きな差が生まれるのか? その最大の理由はやはり、マシンのパフォーマンスの違いといえるだろう。
  世界最高峰のフォーミュラレース、F1ではタイヤこそピレリのワンメイクでコントロールされているが、マシンに関してはフェラーリ、メルセデス、アストンマーチン、マクラーレン、ウイリアムズ、レッドブルなど計10社のコンストラクターがオリジナルマシンを投入。さらに、パワーユニットに関しても、ホンダ、メルセデス、フェラーリ、ルノーの4社がエンジンを供給していることも大きなポイントだといえる。
  当然、コンペティションであるがゆえに開発競争が激しく、その開発能力や技術力がマシンのパフォーマンスを左右しており、タイム差に現れてくるのである。
  このことは世界最高峰のスポーツカーレースであるWECや日本発の国際レース、スーパーGTでも同様である。
  とくにスーパーGTは、GT500クラスにトヨタがGRスープラGT500、ニッサンがZ NISMO GT500、ホンダがシビック・タイプR-GTを投入するほか、GT300クラスは国際規定モデルのFIA-GT3に加えて、スーパーGT独自のGTA-GT300/GTA-GT300MCなど複数の車両規定を採用していることからさまざまなマシンが参戦。
  しかも、スーパーGTはブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップに加えてGT300クラスにはミシュランも参入していることから、マシンおよびタイヤの特性の違いがリザルトに直結している。
  とはいえ、スーパーGTにおいてじつにユニークなポイントがBoPを採用していることで、リザルトに応じてサクセスウエイトを搭載するなど性能調整を実施。これにより、特定のマシンによるワンサイドゲームが防止されている。
セッティングのよし悪しによりパフォーマンスに大きな差が生じる
  一方、アジア最高峰のフォーミュラレース、スーパー・フォーミュラはパワーユニットこそ、トヨタ/ホンダの2社が供給しているものの、マシンはダラーラ製の「SF23」のワンメイクで、タイヤもヨコハマのワンメイクコントロールを実施している。
  前述したほかのカテゴリーよりも性能格差の少ない環境にあるが、それでも予選ではトップから最下位まで数秒の差がつくほか、決勝でも1分以上の大差がつくことも少なくはない。やはり、このタイム差はマシンのパフォーマンスが大きく影響している。
  そして、マシンのパフォーマンスを生み出しているのが、マシンのセッティングにほかならない。
  通常、フォーミュラカーは前後のウイングでダウンウォースを変更できるほか、サスペンションに関してもジオメトリーやダンパーの減衰力、バネレートなどを変更可能。さらにブレーキのバランスからエンジンの特性変更、さらにタイヤの空気圧までセッティング項目は多岐に渡る。
  しかも、どの項目も細かい調整が可能となっていることから、各チームは路面状況に合わせてピンポイントのセッティングを実施。その良し悪しがハンドリングに大きな影響を与えることから、ワンメイクの要素が多くても、マシンのパフォーマンスに大きな違いが生じている。
  とはいえ、いくらマシンが完璧な状態であっても必ずしも勝てるわけではない。ときとしてマシンをコントロールするドライバーやピット作業を担うメカニックの“ミス”がリザルトを左右。それがマシンを使ったヒューマンスポーツ、モータースポーツの魅力であり、ドラマチックなバトルが展開されるのである。

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