【業界初の挑戦へ】トップの行動をも変えた、オールバーズのブランド理念とカルチャー

2024.06.28 09:00
Allbirds 日本代表*の留学宣言。
もしあなたの上司が突然「留学行ってくる!」と宣言したら、どうしますか?


はじめまして。
Allbirdsでマーケティングを担当しております森と申します。
今回は、Allbirds 日本代表*の蓑輪光浩氏が決意したアムステルダム留学と、その行動力を後押しした社風についてご紹介します。
最初に少しAllbirdsについてお話しさせてください。
*2024年5月時点


Allbirdsはサンフランシスコ発の地球に優しいシューズを展開するライフスタイルブランドです。
2014年にブランドが始まり、2020年に日本初上陸。
ふんわり柔らかいメリノウールや、さらりと風を通す爽やかなユーカリ繊維などのこだわりの天然素材による、驚きの快適さを強みに、老若男女を問わず幅広いお客様に愛されてまいりました。


またサステナビリティの観点では「ビジネスの力で気候変動を逆転する」というミッションを掲げています。
2030年までに、商品の素材から廃棄されるまでのライフサイクルにおけるカーボンフットプリント(二酸化炭素換算排出量)をゼロにすることを目標に、日々取り組んでいます。
オールバーズの目標。2023年までにカーボンフットプリント「ほぼゼロ」を目指す。


そんなAllbirdsの日本市場での躍進の物語に欠かせないのが、上陸当初からブランドを支えてきた蓑輪 光浩氏です。
蓑輪 光浩氏、社員からの愛称は「ミッツさん」。
“ブランドの日本代表”と聞いて思い浮かぶのは、オフィスの奥の個室で忙しく働くお硬いビジネスマンの姿ではないでしょうか。
しかし、日本代表という役職のイメージと、蓑輪氏の実際の振る舞いには大きなギャップがあります。
蓑輪氏のこだわりは、できる限りオフィスから飛び出し、店舗で現場社員とのコミュニケーションをとることです。
社員からは「ミッツさん」という愛称で慕われ、彼が店舗に顔を出すと皆が日頃の出来事を報告したり、相談事を話したり、と話題が尽きません。
そんな皆に愛されるみっつさんは、NIKE→ユニクロ→レッドブル→ビル&メリンダ·ゲイツ財団と多種多様な業界を経てAllbirdsに入社しました。
過去には大量消費を煽るマーケティングを担当していた時もありましたが、ビル&メリンダ·ゲイツ財団で社会課題の深刻さを学んだことで、社会貢献に繋がる仕事をしたいという思いを強めたと言います。
「子供や孫にも、スキーして遊んだり海岸で遊んだりして欲しい。四季を感じられる未来であってほしい。」
そのために次の世代への責任を持ち、これまで自分が与えてきてもらったものを、未来にバトンタッチしていきたい。
そう考えていた時、Allbirdsからミッツさんに、日本代表への招待状が届いたのです。
ブランドの定番シューズ Wool Runnerに初めて足を入れた瞬間、彼はこのブランドが持つ大きな可能性を確信し、迷わず招待に応じることにしました。
2023年1月 ミッツさんからの突然の「留学宣言」
Allbirdsで意欲的に活動していたミッツさん。彼はある日突然留学を宣言しました。
「実は、この夏、アムステルダム大学に留学することにした。」
その言葉を受け、オフィスではすぐさま「アムステルダムで何を学ぶのですか?!」「学びをシェアしてくださいね!」とラブコールが飛び交いました。
私はミッツさんの直下で働いていることもあり、当初は驚きもありました。
しかし、その行動力と好奇心こそが、尊敬する「ミッツさんらしさ」を表現していると感じ、強い刺激を受けたことを覚えています。
*
から本編の動画が視聴できます。
留学先のアムステルダム大学
パーパスドリブンな社風は、社員の行動を変える
ミッツさんの留学の目的は、「サステナビリティに関する、グローバル水準の知見を得ること」でした。
彼はAllbirdsでの仕事が始まって以来、サステナビリティに関して貪欲に学んでいました。
ところが、日本におけるサステナビリティの知見は、主に欧米からの情報です。
より多くの質の高い情報を得るためには、日本を出て欧米の一次情報に素早くアクセスする必要があったのです。
目的地に選んだのは、アムステルダム。
アムステルダムは2050年までの完全循環都市を目指して、官民連携してサステナビリティの先陣を切っている都市です。
ミッツさんはこの都市こそ、サステナビリティを学ぶのに最適な土地だと考えました。
プレゼンテーションをするミッツさん
決意を後押ししたのは、Allbirdsのパーパスドリブンな文化
このミッツさんの自費留学は、Allbirdsのパーパスドリブンな文化が後押しし、実現しました。
「気候変動をビジネスの力で逆転すること」をミッションとするAllbirds。
ご存知のように、気候変動という社会課題は、世界中の人々が解決の糸口を探している真っ最中です。
これまでの常識が通用しない分野にミッションがあるからこそ、Allbirdsには、パーパスドリブンな文化が醸成されました。
つまり、白地図に道を描く柔軟性と、新しい分野への高い学習意欲です。
社内のオンライン勉強会の様子


Allbirdsではミッツさんだけでなく多くのメンバーが、気候変動を逆転するという強い目的意識を持ち、私生活でも学び、行動しています。
社内のグループチャットでは、常にサステナブルに関する最新情報が飛び交い、個人的にプロジェクトを起こす社員も大勢います。
彼らの何気ない会話から生まれたアイデアが、実際にAllbirds Japanでのプロジェクトになることもしばしばです。
パーパスドリブンな文化があると、みっつさんの留学に見られるように、社内の学びへの熱量が高まることを実感しています。
日本のサステナビリティに限界を感じ、向かったアムステルダム
さて、新しい知識を得ようと意気揚々とアムステルダムに夏期留学に向かったミッツさん。
現地では期待通りの収穫も、想定外の収穫もありました。ここではその一部をご紹介しますね。
「アムステルダムはプレイグラウンド」
アムステルダムの強みは、市民と政府が同じ目標に向けて動いていること。
市民も政府も、PDCAを意識して動いており、挑戦のための環境が十分に整っていました。
ミッツさんは、行政、民間、市民などの、あらゆる垣根を越えて手を取り合い、一丸となって挑戦する姿勢こそが、サステナビリティの鍵だと認識したと言います。
ミッツさんとクラスメイト
「日本も負けていない」
一方で、想像していたより「日本も負けていない」ことに気がつきました。
みっつさんは、日本よりアムステルダムの方がサステナビリティへの知見が遥かに豊富だろうと想定しましたが、日本とアムステルダムの本質的な違いは、情報量ではなくプレゼンテーションの質でした。
アムステルダムは、人口の半数以上が外国人であり、東京より圧倒的に多様な人種が共存しています。
文化や言語の違う人々をまとめるには、伝えたいことを直感的に瞬時に理解してもらう必要があります。
こうした文化的背景に培われた、端的かつ迅速に情報を伝える力が、アムステルダムの持つ強みだったのです。
「伝える」プレゼンテーションを考えるクラスメイト
留学土産は、業界の常識をひっくり返す挑戦
使用済みシューズのリサイクルの現状
帰国するとすぐみっつさんは、これまで誰もが「しょうがない」と見て見ぬふりをしていた課題に取り掛かりました。


それは、「使用済みシューズのリサイクル問題」です。
ファッション業界の中で、アパレルのリサイクルは少しずつ前進していますが、シューズのリサイクルは、その特有の複雑な構造がネックとなり、一向に変化がありません。
ウールのアッパー、ゴム素材のアイレット、ペットボトル由来のシューレース、何層にも重なる地層のようなソール。
この複雑な構造は、より高いパフォーマンス、より心地よい履き心地を目指した努力の結晶なのですが、シューズが寿命を迎えてリサイクルされるフェーズになると、途端に厄介者となってしまいます。
リサイクルの大前提は、素材ごとの分別です。
シューズを素材ごとに分別しようとすると、手作業でやるしかなく、1足あたり少なくとも3〜5分はかかります。
1足1足にこんなに時間をかけていてはリサイクルの経済合理性が取れず、ビジネスとして成立しないので、基本的に埋め立てて廃棄されてきました。
廃棄シューズを建材にリサイクル
アムステルダムの「挑戦の文化」を目の当たりにしたみっつさんは、すぐにこの業界の長年の課題に挑戦することにしました。


課題解決には、大きく分けて2つのハードルがありました。
1つ目は、分別方法。
2つ目は、分別した廃棄シューズを、何に、どうやって成形するかです。


分別方法は、新東通信社さんとのご縁で、GREEN WORK HAKUBAに参画し、そこで出会った株式会社ごみの学校の寺井さんと東野さんと協力して解決に導きました。


切ったり、砕いたり……飛ばしたり!
廃棄シューズを細かく砕いて、下から強い風を当てることで、重さの違いを利用して、素材ごとに分別することに成功しました。


分別後どうするかも大きなハードルでしたが、色々な方の知見やサポートをいただきながら、少しずつ紐解いていきました。


最終的に出会ったのは
株式会社の大石さん。
fabula株式会社は野菜やコーヒーなどの食品廃棄物を余さず新たな素材に生まれ変わらせている企業です。
言ってみればしらす煎餅のような技術で、廃棄物を乾燥させて粉末状にして、ホットプレスすることで建材などの素材へと変えます。
元々、双方の企業の理念や取り組みに共感していたこともあり、彼らから「廃棄食材+廃棄シューズ」で素材作りに挑戦しないかとご提案をいただきました。
すぐに試作に取り掛かり、完成したのがこちらの素材です。


みっつさんのアムステルダム留学の成果が「業界をひっくり返す挑戦」を生み、開発に導いたのです。


この、廃棄シューズから作られた素材は、廃棄シューズのアップサイクルの未来だけでなく、同じ理念を持つ企業が共感し、協力することで様々な問題を解決できる可能性を示唆します。
活用してくれる仲間を募集中!
競争よりも共創
満を持して完成した廃棄シューズ素材。
白菜を混ぜた素材は、なんとコンクリートを超える強度です。
廃棄食材とシューズが混ざっているため、ランダムなマーブル模様の可愛い見た目に仕上がりました。


この新しい素材、新しい概念を、私たちだけで独り占めするつもりはありません。
サステナビリティに取り組む際の、最重要キーワードは「競争よりも共創」です。
私たちは今回完成した素材をオープンソース化して、より多くの人や企業と共創し、新たな可能性を探りたいと考えています。


例えばこの建材を使って、店舗を丸ごと作るのも面白いかもしれません。
床のパネル、壁の装飾、テーブル、椅子……
可能性は無限大です。


廃棄食材・廃棄シューズで作られた、品質良し、環境良しのこの廃棄シューズ素材。
ぜひあなたの会社やプロジェクトで使ってみませんか?


あなたの発想や想像力と、廃棄シューズ素材の可能性を掛け合わせたら、きっとこれまでにないパワーが生み出せます。
私たちと一緒に「共創」し、ビジネスとサステナビリティを両立させ、より良い未来を目指しましょう。
未来のパートナーからのご連絡をお待ちしております!
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これまでのミッツさんの生い立ち、アムステルダムでの経験、今後のビジョンをYouTubeにて配信中!是非チェックしてくださいね。×


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