【試乗】ニュルで仕込んだスポーツタイヤ! グッドイヤーの新モデル「イーグルF1アシンメトリック6」の実力を徹底チェック

2024.06.21 07:00
この記事をまとめると
■グッドイヤーがリリースした新作「イーグルF1アシメトリック6」に試乗した
■グッドイヤーの本気度はニュルブルクリンクに拠点を構えたことからも察せられる
■スポーツタイヤとしての資質とプレミアムタイヤとしての上質感を高めている
2019年にモータースポーツに復帰を果たしたグッドイヤー
  ニュルブルクリンク近郊に、世界の自動車関係のメーカーが集結する、通称”ニュル村”がある。世界一過激なテストコースと称されるノルドシュライフェで走行を繰り返すための拠点として、走りに一家言もつメーカーが、テニススタジアムのようなガレージを構えるているのだ。
  そのニュル村に、グッドイヤーが看板を掲げたときに、すでに狼煙の予感はあった。走りの性能を高めるためにはノルドシュライフェを徹底的に走る必要がある。ガレージはそのために欠かせない設備だ。走行しては開発し、開発しては走行する。それを繰り返すためには、なくてはならない施設だからだ。
  となれば、グッドイヤーがリリースした新作「イーグルF1アシメトリック6」も徹底してニュルブルクリンクを走り込んだことに違いなかろう。
  イーグルF1アシメトリック6はイーグルF1アシメトリック5の進化版となる。プレミアムとスポーツを高度にバランスさせている。ひたすらグリップを追求した「イーグルRSスポーツSスペック」や「イーグルF1スーパースポーツ」に迫るスボーツ性能を込めておきながら、乗り心地などのプレミアムフィールを得ているのだ。
  トレッド面は左右非対称であり、コーナリング中に荷重が強く加わる外輪の接地面積と剛性を確保し(といっても極端ではないが……)、ドライとウエットの性能を両立。スポーツタイヤとしての資質を高めている。横溝を細かくしたことで、タイヤが空気を切り裂くときの共鳴音を抑えたという。これはプレミアムタイヤとしての上質感が狙いだろう。
  タイヤの軽量化は転がり抵抗に貢献する。さらには新開発の樹脂を配合したらしく、それによっても燃費性能も高めているという。ただ、グリップが高ければ許される時代ではない。開発の狙いは新時代にマッチしている。サイドウォールのラウンド形状を改めたのも、空気抵抗の元凶となる乱流を減らすためだという。これらによって、転がり抵抗のラベリングが、これまでより増えている。環境性能も高いというのだ。
ウエット性能と剛性感の高さにグッドイヤーの本気を感じる
  実際に走って劇的な進化を感じたのは、ウエット性能である。排水性の悪化もなく、ステア応答性も頼もしい。安易なアンダーステアに陥ることも少なかった。ウエットグリップはポリマーの依存度が高い。おそらく新樹脂配合のゴムが路面を捉えているからに違いない。
  ブレーキ性能も高かった。60km/hからの急制動を新旧で計測したところ、イーグルF1アシメトリック6はイーグルF1アシメトリック5に比較して、停止距離のベストが14.62mから13.68mに短縮した。体感できるほどの差ではないが、1m手前で止まれるか止まれないかは、無傷で終われるか怪我で入院するかの違いでもある。無視できない差であろう。
  パイロンスラロームした限りでは、ポリマーが作用するような強烈なグリップ感はなかったが、タイヤの剛性感は際立っており、ハードに攻め込んでもケーシングが捻れる素振りはなかった。ひとことで表現するならば、「硬い」印象である。
  一般道でも、乗り心地の硬さを意識させられた。プレミアム性を求めて開発したとはいえ、安意に乗り心地を追い求めることはせずに、走りの剛性感を残しているのだ。
  グッドイヤーはニュル村に拠点を構えたことが証明しているように、モータースポーツに積極的に参戦を開始した、そこで得たノウハウが注がれていることに疑いはない。

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