"品質にこだわって欲しい"、「日本オリーブオイルソムリエ協会」が取り組むオリーブオイルの品質の違いを知ってもらうための活動とは

2024.06.12 11:12
日本オリーブオイルソムリエ協会は日本最大のオリーブオイルの専門機関です。世界でも唯一となる、消費者・ユーザーの立場に立った教育、専門研究・啓蒙普及活動を行っています。
オリーブオイルは健康のために、体のためにオリーブオイルを選ぶ方が多く、もっとも人気のあるオイルのひとつです。


サラダ、パスタに使うだけではもったいない!
和食、例えばお漬物や煮物に少しかけることで、コクが出て風味がアップします。
ジントニックや濁り酒など、ドリンクと合わせるとオリーブオイルの持つハーブの香りが加わってさらに美味しくいただけます。
オリーブオイルの潜在性は無限大なのです。
そこで今回は、オリーブオイルを取り巻く近年の状況をお伝えしながら、当協会が2012年から継続的に開催している「国際オリーブオイルコンテスト」について、開催の経緯や背景とともにご紹介いたします。
干ばつと温暖化、輸送費の値上げと円安によるトリプルバンチ、価格が高騰するオリーブオイル
この20年で日本人にとってかなり身近になってきたオリーブオイルですが、価格の高騰が大きく報道されています。中には、2、3倍になったという情報もあります。
オリーブの最大の生産国は全世界の40%以上を生産するスペインです。そのスペインをはじめとする、ギリシャ、イタリアなどで生産量が激減してしまいました。
気候変動による干ばつ、温暖化が主要な原因とされています。


オリーブは他の植物よりも水を必要とせず、乾燥している地域でも栽培がおこなわれてきました。雨がほとんど降らない地域もあり、中には年間降水量が100ミリ以下という栽培地もあります。
それでも、オリーブが育つためには要所要所で水が必要で、冬場に降った雨水を貯めて凌いできたわけですが、この2、3年は、頼みの冬場にも雨が降らず、カラカラの秋冬が続きました。


ただでさえ、干ばつによる不作なのに、ウクライナの戦争で輸送費が跳ね上がり、それにくわえて昨今の円安によるトリプルパンチ。
さすがに、小売価格に大きく反映せざるを得ない状況となったわけです。
他の油と混ぜて価格を抑えた、「ブレンドオイル」登場
そこで、登場してきたのは、ブレンドオイルです。
これは、オリーブオイルと、他の安価な油を混ぜることで価格を抑えるために作り出されたオイルです。


オリーブオイルは化学的な工程がいっさいなく、オリーブの実を搾ったままの自然食品であるのに対し、化学薬品を使用して精製を行った油を混ぜることは、果たして良いことなのかは正直悩むところです。
オリーブオイルの価格と品質の関係性
どんなものにも言えることですが、安いことには理由があります。以前のストーリーでも紹介していますが、安いオリーブオイルの中には、腐った果実などを搾ったものや、搾り取る量を増やすために高熱で長時間攪拌して搾油するため、加熱臭や酸化臭がついて質の悪くなったものがあります。


腐った果実で搾ったオリーブオイルが、普通に高値で販売されていたり、ネットなどで過剰な広告によりそれらしく宣伝し、高額で販売されているオイルをみかけることも多くあります。


逆に、「企業努力」により価格も抑えながら高品質であったり、有機栽培などの付加価値のついた素晴らしい商品を販売する良心の生産者もいます。
健康や体のために品質の良い物を選んで欲しい
価格の安さだけで選びがちなオリーブオイルですが、個々に風味が違うオリーブオイルですから、好みの風味を見つけ価格を含め納得したものを選ぶとよいでしょう。
そして、なによりも品質の良いものを選んでいただきたい。


今回のテーマでもある、健康や体のために食するものが、品質が悪いオリーブオイルではあってはならないのです。
風味インデックス:こんなにたくさんの風味が感じられるオリーブオイル
風味や品質を測定するための機械は存在するのか?
以前から品質偽装問題も取り上げられていますが、このところ企業側、販売業者等からのお問い合わせが多いのが、オリーブオイルの風味を簡単に機械測定することはできないか?というものです。


これについては、随分前から研究開発は進められてきていて、一部の風味を簡易的に測定することはできるようになったのですが、複雑なオリーブオイルの風味や品質欠陥を正確に測定することは現在の技術では難しいのです。


例えば、オリーブオイルに多く含まれるポリフェノール類という成分がありますが、総ポリフェノールの含有量を調べることはできます。それにより苦みがどれぐらい強いのかもある程度はわかります、しかし、ポリフェノール類は苦い成分ばかりではなく、まったく味に関係しないポリフェノール類もあるため、総ポリフェノール類量から正確な風味を推定することはできません。


また、ミネラル類やビタミンEなどの成分も、科学的に量を測定することはできても、風味との関係はわかっていない部分も多くこうした測定値だけで風味を判定することは困難です。


機械で風味を「科学的に」測定できないからといって、オリーブオイルの品質や風味測定ができないのか?と言われれば、決してそんなことはありません。オリーブオイルの風味官能評価法は、今から30年以上前にその技術が確立し、世界中に優れたテイスターが高い技術で品質の測定を行っています。


やはり最後は、人の五感が一番、ということです。
どうやって品質や風味を見極めたら良いのか?
では、家庭や調理の現場でオリーブオイルの品質や風味の見極めはできるのでしょうか?
「品質」の見極めには、テイスターの人たちが積む一定の訓練が必要ですが、たとえば料理に使うための風味の見極めであれば、ほんの少しのポイントを学ぶだけで、すぐに風味の違いがわかるようになります。そして風味の違いを活かせることができれば、なにより料理が何倍も美味しくなります。


これは、飲食店の皆様にもぜひお伝えできたらと強く思いますが、風味のひどい、品質の劣ったオリーブオイルを使うと、お料理そのものの味も悪くなってしまいます。
食材を厳選し〇〇産直送です!などと食材にこだわる方にこそ、オリーブオイルにもこだわってほしいわけです。
基礎から学びたい人から販売者向けまで、協会が開講する品質を学べる講座
オリーブオイルを知るための資格講座として、日本オリーブオイルソムリエ協会では、オリーブオイルを基礎から学べる講座を開講しています。毎回、テイスティングを行い、品質の良いもの悪いものの違いもご理解いただけるように進めています。
オリーブオイルソムリエの他にも、販売者向けの協会認定オリーブオイルアドバイザーの資格講座も開講しています。


有資格者のお店で品質がわかっている専門家のアドバイスを受けて購入されることも、高品質のオリーブオイルを楽しむための近道です。
オリーブオイルは香りが大切
コンテストでの受賞履歴も選択肢の一つ
品評会コンテストの受賞履歴は、商品を選ぶための大きな目安になります。しかし、ここで注意したいのは、どのコンテストでも良いわけではありません。
もっとも重要なのは、誰が主催者であるか?ということ、そしてどんな審査員がジャッジしているのか?ということも極めて重要です。またエントリーしている国に偏りがないこと、そうしたすべてのデータを公表していること、などを見ればそのコンテストがより客観的で正確な審査を心掛けていることがわかります。
厳しいと話題に。世界でも最上位クラスの国際オリーブオイルコンテスト『OLIVE JAPAN®』
『OLIVE JAPAN®』は2012年より日本で開催されている日本でもっとも歴史のある国際オリーブオイルコンテストです。今では世界でも3本の指にはいる規模のコンテストに成長しました。


世界一審査が厳しいコンテストとも言われています。他のコンテストでは、もっと良い賞をもらえたのに、なんでだ!などのクレームが入ることも・・・
そんな声も、世界各国からOLIVE JAPAN®に招聘された審査員のメンバーを見ると、納得してくれるのです。


オリーブの世界で知らない人がいないほど著名で、なおかつ実績と実力がある審査員が主要な生産国や消費国から集まったコンテスト、それが『OLIVE JAPAN®』なのです。
『OLIVE JAPAN®』開催のきっかけは
OLIVE JAPANが初めて開催されたのは2012年、12年前になります。日本はオリーブの生産国と呼べるほどの生産量はありません、その反面消費量はというと、年間7万トンを超える年もあるほどで世界の中でもとても大きな市場です。


そんな消費大国の私達だからこそ、公平で正確なコンテストを主宰すべきではないか?とスタートしました。


多くの主要な生産国の生産者たちに、日本という重要な市場を知ってもらいたい、という思いもありました。
開催に向け「日本市場」の知名度の低さが課題に。日本流の「品管」技術と高い「食」の安全性コンプライアンスのPRでコンテスト実現へ
スタートした12年前は、日本人がオリーブオイルなんてわかるのか?と揶揄されることもありました。コンテストに送られてくるオリーブオイルのサンプルが明らかに欠陥風味のあるものや粗悪品のものも多くあり、中には前年度に収穫した古いものや、売れ残った商品を持ち込む輸入者もいたほど。まあ、市場の新参者への「洗礼」をきっちり受けたわけです。


しかし、最先端のコンテスト運営技術をスペインやイタリアから導入、審査員も開催初年度から主要生産国でも評価の高いテイスターをそろえたことで、すぐにそうした誤った見方は一変、『OLIVE JAPAN』コンテストで評価された商品が他のコンテストでの評価の目安になるほどにまでなりました。


さらに『OLIVE JAPAN』では開催当初からすべての審査結果や審査員のコメントを出品者へフィードバックするといったサービスを世界で初めて導入、また2021年には、わかりにくい風味の特徴を「風味インデックス」として表記できるように審査結果に付して提供する、といったサービスも始めています。
世界中から選ばれたオリーブオイル『OLIVE JAPAN2024』受賞者発表
今年2024年の受賞オイルの発表が6月10日に行われました。
審査会実行委員長 多田俊哉


世界各国から、エントリーされた766品の中から、選ばれたオリーブオイルは下記の通りです。


最優秀賞(PREMIER)はこちらの8品です。
金賞(ゴールド)、銀賞(シルバー)などその他の受賞オイルは、下記のページをご覧ください
味見して選びたい方に向けた、テイスティングが出来る展示販売イベント『OLIVE JAPAN® SHOW まるしぇ』開催します!
ぜひご自身で味見をして選びたいという方には、『OLIVE JAPAN® SHOW まるしぇ』があります。毎年、受賞したオリーブオイルのみが展示販売されるまるしぇは、世界中でもOLIVE JAPAN®ただひとつです。


最優秀賞、金賞、銀賞の高品質オリーブオイルが並ぶ楽しいイベントです。ほかにも、オリーブオイルと相性の良い、ワイン、ソルト、はちみつ、雑貨などが展示販売されます。


今年は、2024年6月28,29日(金・土)の2日間、コートヤードマリオット銀座東武ホテルにて開催します。
入場無料で、販売されるすべてのオリーブオイルをテイスティングいただけます。高品質の美味しいオリーブオイルをお楽しみいただけるチャンスです。
まるしぇ会場ではオリーブオイルのテイスティンができます

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