12気筒の伝説が再び蘇る フェラーリ「12チリンドリ」登場

2024.07.05 19:14
5月3日、F1グランプリが開催された米国のマイアミでフェラーリのニューモデルが発表された。電気が幅を利かせている昨今なので、「12(ドーディチ)チリンドリ」という車名を聞いてほっと胸をなでおろしたファンも多いはずだ。チリンドリはイタリア語でシリンダー(気筒)を意味する。
長大なフロントボンネット下に搭載しているのは最高出力830psを誇る6.5リッター、V12自然吸気エンジン。「F12ベルリネッタ」や「812スーパーファスト」の血統を受け継いだフラッグシップモデルの最新版ということになるが、今なおエンジンに電動化システムを用いることなく、またターボなどの過給機にも頼っていないあたりが逆に新鮮と言える。
発表されている型式は「F140HD」。ということは2000年代初めにスーパースポーツ「エンツォ フェラーリ」に搭載されて登場したV12エンジンの最新版ということになる。組み合わせられる8速DCTのギアボックスも、先代モデルと言うべき「812コンペティツィオーネ」から受け継いだものとなるはずだ。
今回、エンジンとともに話題になっているのが、スタイリングだろう。古くからのフェラーリファンであれば、左右のヘッドランプの間が黒っぽいパネルで覆われた姿を見てすぐに「あ、デイトナだ!」と気づくはず。1968年にデビューした2シーターモデル、デイトナことフェラーリ「365GTB/4」がそのモチーフになっているのである。
フェラーリはこれまでも自らの華々しいアーカイブからデザインのヒントを得てきているが、今回ほど明確に過去のモデルへのオマージュを示した例は珍しい。また、クーペとスパイダー(オープン)の2モデルが同時に発表された点も、これまでにないトピックとなっている。
現代のフェラーリはV8エンジンを車体中央(ミッドシップ)に搭載したモデルが高い人気を誇っているが、メーカーの伝統と照らし合わせればV12エンジンを搭載した2シーターモデルこそが主役という事実は揺るがない。12気筒ならではの甲高い排気音がもたらす官能性能も唯一無二のものだ。
多くの自動車メーカーと同じように電動化に対する取り組みも行っており、2030年にはBEVをリリースすると宣言している。一方で、今回の12チリンドリに代表されるように、伝統的なV12エンジン搭載モデルをリリースし、その魅力をどうやって後世に伝えていくかということにも考えを巡らせているに違いない。
クーペは年末、スパイダーは来春のデリバリー開始になるという。以前は812コンペティツィオーネが純粋なV12エンジン搭載の2シーターモデルの最後になると言われていたが、ストーリーは続いていたのである。伝統的でしかしモダンなスタイリングを与えられた最新モデルの上陸を待ちたい。
フェラーリ 12チリンドリ  車両本体価格: 未定ボディサイズ | 全長 4733 X 全幅 2176 X 全高 1292 mmホイールベース | 2700 mm車両重量 | 1620 kgエンジン | V型12気筒 NA(自然吸気エンジン)排気量 | 6496 cc最高出力 |  830 ps(610 kW) / 9250 rpm変速機 | 8速 DCTお問い合わせ先www.ferrari.com
Text : Takuo Yoshida

あわせて読みたい

【スクープ】2段重ねテールパイプが最強の証し! アストンマーティン「DB12」至極の「AMR」が出現!
CARSMEET WEB
ゴルファーに贈る万能SUVの新基準 BMW「X3 M50 xDrive」
BRUDER
大人のためのご褒美となる限定プリンを発売
PR TIMES Topics
洗練されたデザインにオープントップの楽しさを|フェラーリ・ドーディチ チリンドリ スパイダー海外試乗記
octane.jp
オープンで味わう12気筒の歓び。フェラーリ 12チリンドリ・スパイダー試乗記
Esquire
よもぎサロンyomogystにてクラシエ漢方研究所監修のカラダととのう「おまもりドリンク」を販売
PR TIMES Topics
【試乗リポート】フェラーリ12チリンドリ・スパイダーは何がスゴイのか?
LEON.JP
フェラーリ12チリンドリ・スパイダーにポルトガルで試乗! “人馬一体感”は、常に風と音を身近に感じているスパイダーの方がより強くなる
ENGINE Web
【ホテルニューオータニ】日光天然氷とホテルの厳選素材で作り上げた究極の「新江戸かき氷」
PR TIMES Topics
走りも時代も、余裕で超えていく ベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」の真価
BRUDER
エレガントなデザインが魅力のオープンスポーツ!「フェラーリ・ローマスパイダー」
CARSMEET WEB
夏の特別なクッキーボックスが今年も登場
PR TIMES Topics
フェラーリ 12チリンドリ、デザインの未来と伝統を融合し「THE CAR DESIGN AWARD 2025」を受賞
Esquire
コンパクトの常識を超えるMの本気 BMW「M135 xDrive」
BRUDER
【おかしの館はしだて】看板商品「もち入り丹後の”あんぱん”」新記録を達成
PR TIMES Topics
トミーテックから「フェラーリF512 M」がミニカー化!1/64スケールでエンジンも再現!!【LE VOLANT モデルカー俱楽部】
CARSMEET WEB
車重1トンに5リッターV8搭載の新型スポーツカー「ミニャッタ・リナ」誕生! イタリアの新興メーカーの挑戦とは
CARSMEET WEB
「バガブー×コンゲス スロイド」限定コラボレーション発売
PR TIMES Topics
新型BMW M2クーペ MTも選択可 3リッター直6から480psを絞り出す
RESENSE
フェラーリGTC4ルッソT(FR/7AT)能あるフェラーリは意図的に爪を隠す
RESENSE