コンパクトの常識を超えるMの本気 BMW「M135 xDrive」

2025.05.02 12:00
プレミアムSUVやクーペの魅力も捨てがたいが、日常使いを想定すれば、扱いやすいサイズに実用性を凝縮した“オールマイティな一台”もガレージに備えておきたい。そんなニーズに応えるのが、BMWの最小クラスとなる「1シリーズ」だ。現行モデルは、2024年後半にフルモデルチェンジした第4世代となる。
その中でも、BMWらしいスポーティな走りにフォーカスした最上級グレードが「M135 xDrive」。BMWに詳しい人なら、このネーミングだけでピンとくるだろう。「M」はBMW M社の手によるチューニングを示し、「35」はかつての3.5リッター級を意味するハイパフォーマンス仕様、そして「xDrive」はBMW独自の4WDシステムを表している。
搭載されるのは、300psを発揮する2.0リッター直列4気筒ターボ。ベテランドライバーの中には「BMWといえば直6」と思う人もいるだろうが、ダウンサイジングが主流の今、4気筒は6気筒の代替ではなく、新しい選択肢として成立している。
外観は、グリル内の“Mバッヂ”を除けば控えめ。だが、ドアを開ければ様子が一変する。そこにはホールド性の高いバケット形状のMスポーツシートが鎮座しており、ドライバーの心を一瞬で高揚させる。ステアリングを握った瞬間から、「これはただの“ちょっと速い1シリーズ”じゃない」と気づかされるだろう。
走り出しでスロットルを軽く踏み込むと、体を押し出すような強烈な加速が訪れる。低回転からしっかりとトルクを感じられ、スピードのノリも実に滑らか。先代の8速ATに代わって採用された7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)は、ギアのつながりがよりシャープになり、加速の気持ちよさを一段と引き上げている。
高速道路への合流、ワインディングの立ち上がり、ストップ&ゴーの連続、どのシーンでも力強く、そして的確に応える。ハンドリングもBMWらしい俊敏さをキープ。太めのステアリングをわずかに切るだけで、車体がすっと向きを変え、ドライバーの意図に忠実に反応してくれる。ただしそのぶん、サスペンションは引き締まっており、路面状況によっては硬さを感じる場面もある。だがそれも、「走りのBMW」を求める人にとっては歓迎すべき特性だろう。移動時間が、運転する時間に変わる――そんな感覚を味わえる。
先進運転支援についても抜かりはない。ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)をはじめとしたADAS(先進運転支援システム)は上位モデル同様の完成度で、渋滞時のハンズオフにも対応。さらに、荷室は見た目以上に広く、週末の買い出しから小旅行まで、ユーティリティにも不満はない。
スポーティな走行性能と、xDriveによる高いスタビリティを重視するならM135 xDriveは間違いなく有力候補となる。一方で、もっと穏やかな乗り心地を求めるなら、エントリーグレードの「120」や、2025年2月に登場したディーゼルモデル「120d」も視野に入ってくる。
かつての3シリーズが今や中型セダンに近いサイズ感となった今、現代の1シリーズは“コンパクトの正解”として、あらゆるライフスタイルにフィットする選択肢だ。
BMW M135 xDrive  車両本体価格: 714万円(税込)ボディサイズ | 全長 4370 X 全幅 1800 X 全高 1450 mmホイールベース | 2670 mm車両重量 | 1570 kg排気量 | 1998 ccエンジン | 直列4気筒 ターボ最高出力 | 300 PS(221 kW)最大トルク | 400 N・mトランスミッション | 7速DCT(デュアルクラッチ)お問い合わせ先
www.bmw.co.jp
Text : Takuo Yoshida

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