「今の収入に満足していますか?」物価上昇、給料が増えない”ガラパゴス”日本で、未来に繋がる英語力の重要性を説く【前編】ーキャリア支援と英語教育を組み合わせた「エイテン」とは?

2024.06.03 11:00
日本でキャリア支援×英語教育の事業「エイテン」をスタートした竹井佑介
現代の日本へ、未来への期待とともに警鐘を鳴らす
竹井佑介は、ロサンゼルスを拠点に活動する社会活動家でありビジネスマンです。彼は、ロサンゼルス在住の日本人を対象に英語教育を行ってきました。そして、人材紹介業と連携して、英語学習を転職サービスの一環として提供する新しいサービス「エイテン」を2024年5月から開始しました。


このサービスは、日本を拠点として展開されますが、竹井は日本だけでなく、海外拠点と広範な海外人脈から得た洞察力を活かし、英語教育ビジネスに参入します。新ビジネスは現代の日本に向けた警鐘と、未来への大きな期待が込められています。


今回は、株式会社NEXTLEVEL代表・竹井が、英語事業を展開するきっかけとなった背景や経緯を振り返りながら、【前編】では新サービス「エイテン」を通じて伝えたい英語学習の重要性について、【後編】では英語力とキャリアアップの関係についてご紹介するとともに、これから目指す未来への展望をお話します。
「エイテン」が提起する、所得と英語力の関係性
竹井は、英語事業の経験を経て、人材紹介業に進出する理由を「英語学習の難しさ」と語ります。


「英語を学ぶ上で最も難しいのは、モチベーションを保つことです。さまざまな調査で明らかになったことですが、誰もが英語学習を続けることは難しいのです。それにはやはり明確な目標が必要なんです。例えば、『こんな会社で働きたい』や『キャリアを伸ばしたい』といった目標があると、学習のモチベーションも高まります。特に若い人のなかには『ワーキングホリデーに行きたい』といった具体的な目標を持つ人もいます」


「入社して、例えば1年以内にTOEIC800点が取れなければ契約通り1年で不採用になる条件付き採用とするところもあり、転職した後も英語学習を続けることが必要になります。入社後半年、あるいは1年で契約のなかにあるスキルを身につけないと人材紹介報酬を払う必要がないということもあります。エイテンでは転職、入社後にも英語学習を続けられるサポートも行います。この点は一般的な人材紹介業とは全くことなるポイントになります」


竹井は、企業にもモチベーションの重要性があるといいます。


「転職を考える人たちが、ビジネス英語力を身につけることで、企業から求められる人材になれる可能性があります。そのため、企業側も英語学習を支援することが必要なのではないかと。また人材紹介サービスを通じて、企業間に相談をしながら、例えば人材紹介料を150万円に設定した場合、そのうちの120万円を英語学習費用として充て、残りの30万円を転職者に転職の「お祝い金」として支給することで、転職者は希望する企業に転職でき、実質無料でビジネス英語の学習ができます。企業側の負担が増える分けでもなく、意欲ある人材を獲得できます。日本人の所得を上げるためには、英語力は必要不可欠だと私は考えます」
本気でビジネス英語を学ぶための「エイテン」、転職・転勤をターゲットにする理由
「英語を学ぶ人たちの中には、転職や就職のために学んでいる人が多いことに気づきました。例えば、転職するためにTOEICのスコアを目標にしている人や、昇進のために英語が必要だと考えている人が多いですね。実際、私がフィリピンで英語を学んでいたとき、ほとんどの生徒が転職を目指していました。以前は外資系企業への転職が主流でしたが、最近では日本企業でも外国人の上司や部下が増えてきています。また円安の傾向や金利の差から、外国との取引を増やす企業も増えています。これらの要因から、ビジネス英語がますます重要になっているのです」
はじまりはフィリピン留学での先生との出会い 労働環境を良くしたいと考え始めた英語事業
「2013年、私がフィリピンのセブ島で英語留学をした際、担当の先生であるKathは非常に優秀でした。彼女は日本で働くチャンスを得て、日本で英語の先生として活躍しました。私も時々彼女と連絡を取り合っていましたが、コロナ禍で対面授業がすべて中止に。その結果、英語の先生としての需要がなくなり、Kathは生活費を賄うことが難しくなりました。Kath以外にも、学校側が通常3年間取得できる就労ビザを1年間に制限したり、簡単にクビにできない日本の仕組みから逃れるためにビザを更新しないといった学校が増えました。彼らは帰国資金が足りずに借金をしたり、強制送還されたりする人もいたんです。1年間のビザ更新だけでは、常にリスクがつきまとうため、日本での生活が不安定になってしまったんです。そんな状況から、私は何か役に立てることができないかと考えるようになりました」


「フィリピンの英語学校は、授業料の安さを売りにしていますが、現場の先生たちは薄給で重労働を強いられているという現実があります。先生たちの給料を少しでも上げて、良い労働環境が作れたらいいのではと考えて2022年、本格的に英語事業を拡大することに決めたのです」
働く意識の違いによる人材確保の難しさ、私たちにしかできない事を考え続ける
「日本人の働く意識とフィリピン人の働く意識は全く違います。メンタルが落ちこむとすぐ辞めちゃう。結婚や妊娠でお祝いした後に、急に辞めてしまうことも。日本では考えられないことが起こります。窃盗も多く、手癖が悪い人がいるのは、フィリピンではよく耳にします。そんなこともあって、先生たちの人材確保には苦労しました」


「日本国内でいえばやはり競合が多いことです。英語教室だけで言うならレッドオーシャンですから、単なるサービスや規模で勝とうとするのはそもそも無理がありました。私たちにしか出来ない英語事業とは何か。この数年ずっと考えてきたことです」
TOEICの点数が採用条件に、世界で共通されているビジネスは英語で会話という認識
海外でビジネスの話をするときの共通言語は英語。普段はミャンマー語やタガログ語を話しているミャンマー人やフィリピン人も、ビジネスや投資の話になると皆、英語を話します。


「韓国の例でいうと、韓国は英語ができないと就職先がないのが実情です。韓国はかなり早い段階からLGやサムスンでは、TOEIC900点以上が採用条件になっていました。日本では初めて楽天、ユニクロがTOEIC630点以上を入社条件に入れた時期です。受験、就職激化の韓国では、ソウル大学のような国内トップ大学を狙うよりも、英語力と実力をつけて海外の大学に行った方がいいという傾向もあって、そのまま海外の企業に就職する人も多くなってきました。そのため世界中にチャイナタウン同様コリアンタウンが出来ているのです」
契約書が突然英語に ますます減少する日本語だけの仕事
最近、竹井が聞いた日本企業のエピソードを紹介します。


「実際にお客様から聞いた話ですが、貿易関係の会社員が契約書をまとめる仕事をしていて、ある時突然契約書が英語になってしまい、パニックになったという話を聞きました。つまり、日本語だけの仕事が減少しているのです。仕事の単価も下がり、円安の影響もあり、売上を上げるためには、苦肉の策で、英語が話せる先輩をリーダーにして、翻訳アプリを使って仕事を進めているとのことです。このようなケースはますます増えるでしょうね」
グローバル時代の今、日本語だけのガラパゴスで情報弱者になる状況
「私たちは日本語で全てを理解できてしまいます。古い歴史の資料もすべて日本語で読むことができます。しかし、フィリピンや他の新興国では、中学校以上は英語での教科書が主流で、専門書でも母国語ではないことが一般的です。日本人は過去に先達たちが翻訳してくれたおかげで多くの恩恵を受けてきました。しかし、グローバルで戦う時代になったいま、日本人は英語が出来ないために海外の情報に直接触れることができず、気づけばガラパゴス化が進んでしまったのです」


「言い換えれば、日本語だけを話していると、情報が偏り、意見が同じで議論にならないことも起きます。日本人にありがちな“周囲と並ぶ”“私も同じ意見”という同じ考えの人が集まり、気づかないうちに情報弱者になっていると気づいてほしいと思いますこの状況に気づいてほしいと思います」
キャリアアップをしないとクビになるアメリカ、日本と違う職が奪われるという危機感
「日本人は、職が奪われる感覚がアメリカや外国と比べても少ない。私はアメリカに3年暮らしている経験から、アメリカ人はキャリアアップや資格を取らないと、いつクビになるかわからない危機感が強いです。移民を嫌がる人が多いのも自分のポジションが脅かされると考えるからです。Apple社は、Apple自動車事業を辞めるにあたり、約600人が一瞬でクビになりました。Googleやマイクロソフト、テスラも同じようなことが起きています。アメリカではキャリアアップをしていかないと“もう君はいらない。変わりはいる”と、すぐにクビにされまてしまいます」
能力がある外国人が日本に多くやってくる、必要になってくる英語が出来るマネージャー
「実は、日本でも海外からの技能実習制度が終了したので、今度はさらに能力ある人材を入れて3年で技能を学ばせて、そのまま日本で働いてもらう体制に変わるようです。すると外国の方が大勢日本に来るようになり、彼らのマネージャーが必要になってきます。そこで『日本語しかできません』となると、同じ能力のマネージャーならば、英語ができる方が採用されることになります。要は何十年も前に、アメリカが経験したことを日本人がこれから経験することになるのです」
ガラパゴスから脱却へ、英語力が急務だからこそ啓発したい「リスク」と「可能性」
竹井は「日本人の伸びしろが、むしろチャンスだ」と感じています。


「これまで述べてきたように海外の状況を目の当たりにしていますので、日本人はガラパゴス化から脱却し、海外成長を取り込むためにも英語力を上げることが急務であると肌で感じています。またその「リスク」と「可能性」を広く啓発したいのです。そして英語力の底上げを図って日本を全力で応援したいのが私の考えです。英語を学ぶことで日本は強くなると信じています。勤勉な人が多い日本人。もう可能性しかないですね」
大事なのは歴史から学ぶ事、当時の日本にあった勤勉さ
竹井が生きるうえでとても大事なこととして意識し続けていること。それは歴史を学ぶことです。


「日露戦争で有色人種が初めて白人に勝ちました。当時はバカにされて、アジアは植民地にされて当然だという見識でしたが、そうではないことを日本が証明したのです。日本人から学べと、日本に注目。当時の日本人がやっていたことは、勤勉であること、愛国心、国を守るための力があり、そんな気概があったのです。ところが今となっては愛国心がなくなり、自分以外のために頑張る志も、他者や国を想う姿勢もなくなってしまったかのように感じます。敗戦後は急速に復活して世界2位の経済大国にまで昇りつめ『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という本がアメリカでベストセラーになり世界から一目置かれましたが、その影もまた薄くなってしまい、実際、ロサンゼルスにある日本人街リトルトーキョーも消滅する可能性の高い街に選ばれました」
文献を通し学ぶ先人の誇り、素晴らしい礎を忘れずに継承していく
「二宮尊徳は、裕福な家庭で生まれましたが、過労からはやくに両親を亡くし、おじさんの家に引き取られます。彼は勉強したくて油を燃やした灯りで本を読んでいましたが、お前は労働力として家に入れたのだと油を使うことを禁じられてしまいます。そこで耕作放棄地に菜種を植えて、それらを収穫して油を採収し、火を灯して本を読んだのです。たいへんな苦労ですよね。しかしまた勉強をする暇があったら、体を休めてより仕事をするように叱られた尊徳は、今度は薪を背負いながら本を読み勉強したのです。その勤勉な姿が銅像になって全国の小学校などで見られます」


「江戸時代は飢饉が何度も起きましたが、尊徳の周りは全く食料に困らなかったのです。なぜなら耕作放棄地に捨てられていた稲を植えて収穫し、そこで貯めたお金で独立した尊徳は、耕作技術が高く、またたくさん獲れた年には蓄えておくよう、周りの人たちに教えてあげていたのです。そのことが小田原のお殿様の目に入り、尊徳は村の復興、財政の立て直しを任され次々と実績を出し、結果的に約600の村を復興させたと言われています。自分のことよりも国のために頑張ろうと働く姿が日本人の理想像であるとして、銅像が建てられました。苦しい境遇の中でも文句を言わずに、やることをしっかりとやって結果を出した二宮尊徳はとても素晴らしいと思います」
「『武士道』を書いた新渡戸稲造も大好きです。日本は宗教教育が無いが、どうやって道徳を教えるのかとたくさん聞かれたため、それを解説するために英文で書いたのが『BUSHIDO : The Soul of Japan』です。1900年に英文で刊行されたのち、名著としてドイツ語やフランス語にも翻訳され世界中で読まれました。日本語訳は1908年に出版され現在まで読み継がれています」


「第一次世界大戦で戦勝国になった日本は、国際連盟の常任理事国に選ばれ、新渡戸稲造は事務次長に就きました。そこで最初に日本が世界中に向けて発信したのが『人種平等宣言』です。黒人とか白人とか黄色人種、みんな同じ人間であるというもので、ほとんどの国が賛成したのですが、アメリカとイギリスが、そんな大事なことは、多数決では決められないと一方的に却下しました。その経緯から白人至上主義はそう簡単に変わらない現実に絶望したという話も残っています。日本が『人類平等主義』を世界へ初めて発信したことは、日本人として誇るべきことだと思います。このような“和を以て貴しとなす”日本ならではの平和につながる活動は私も絶対にやっていきたいと思っています。先輩たちの誇りをちゃんと取り戻し、継承していきたい。先輩たちの素晴らしい礎があって今があるということを忘れちゃいけない、そう考えています」


以下より【後編】もご覧いただけます。



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