軽自動車並のボディに1000馬力のモーター! F1マシンよりも速く走った衝撃のBEVが市販される

2024.03.11 17:30
この記事をまとめると
■グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでヒルクライム最速を記録したマクマートリー・スピアリング
■2025年から82万ポンド(約1億5580万円)で100台限定販売される
■マクマートリー・スピアリングは1000馬力を誇るEVでダウンフォースを得るのための大型ファンを備える
グッドウッドでデビューした最速ヒルクライムマシン
  2021年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、多くのゲストを前に堂々たるデビューを飾った一台のコンパクトなBEVスポーツ。それは、伝統のファンカーの技術をBEVという最新のメカニズムと組み合わせて復活させようとした、イギリス・グロスターシャーに本社を置くマクマートリー・オートモーティブ社が製作した、「スピアリング」と呼ばれるモデルだった。
  ちなみにスピアリングとは、アイルランドの公用語のひとつであるゲール語で「雷雨」を意味する言葉。創始者のデビッド・マクマートリー卿がアイルランド出身であることから、あえてゲール語のネーミングが与えられたという。
  スピアリングが初めてグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのヒルクライムに臨んだのは2022年のこと。それまでの記録は1999年にニック・ハイドフェルドがマクラーレンのMP4/13で記録した41秒6。非公式タイムではVWのID.Rがロマン・デュマのドライブで39.9秒とういう記録を残しているが、スピアリングはその記録をさらに更新、39.8秒というタイムを達成したのだ。
  それから12か月の開発期間を経て、スピアリングはさらに最新のスペックへと進化を遂げた。正式なネーミングも「スピアリング・ピュア・トラックカー」となり、それが意味するとおり、サーキット走行専用車として、あるいはグッドウッドのようなヒルクライム競技の専用車として、2025年から100台の限定車として販売が開始されることになったのである。
  掲げられるプライスタグは82万ポンド、現在のレートでは約1億5580万円に相当する。
大型ファンによりボディを地面に吸い付ける
  スピアリング・ピュア・トラックカーは、外観の写真を見ても一目瞭然であるように、非常にコンパクトなボディを持つモデルだ。ボディサイズは全長×全幅×全高で3450×1580×1002mmという数字なので、日本の軽自動車の規格をわずかに超えた大きさと考えてもらえればよいだろう。
  そのデザインはまさに刺激的なことこのうえない。大きな抑揚を持つ前後フェンダーや、リヤウイング、そして逆にコンパクトにデザインされたモノポストのキャビンなど、その独創性もまた大きな魅力といえる。
  そして、このスピアリング・ピュア・トラックカーの速さの秘密として触れなければならないのが、最初にファンカーと紹介したように、ダウンフォース・オン・デマンド・システムを搭載していること。車体後端に設置された大型ファンがボディ下面を流れてきたエアを強制的に排出することで、強力なダウンフォースを得るこのシステムが発するサウンドはかなりのボリュームになるというが、それもまたドライバーには大きな刺激となるのだろう。
  ちなみにこのダウンフォース・オン・デマンド・システムも、従来のものよりファンの効率は15%向上、重量も14%削減、配線ループの重量も35%低減することを実現したという。
  モリセルとの共同開発による60kWh分のリチウムイオンバッテリーシステムは、シングルシーターのドライバーを中心にU字型に配置。エレクトリックモーターはツインで搭載され、最高出力は1000馬力。もちろん後輪を駆動する。前後のタイヤは、以前使用していた19インチ径から18インチ径にサイズを変更。トレッド幅はフロントで270mm、リヤで300mmに拡大された。
  マクマトリーによれば、スピアリング・ピュア・トラックカーは、シルバーストーンサーキットを、ラップタイムレコードのペースで10周し、その後わずか20分の急速充電で再び走行に戻ることができるという。これは、バッテリーと冷却システムの両方にも改良が加えられた結果にほかならない。
  2022年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードからさらなる正常進化のための作業を続け、まもなく正式なデビューを飾るスピアリング・ピュア・トラックカー。ぜひともその走りを体験してみたい一台である。

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