エアの注入はケージに入れる! 移動式のリフトも存在! 知られざる「巨大トラック」のメンテ事情

2024.02.25 17:30
この記事をまとめると
■トラックは乗用車よりもハードに使われることが多い
■トラックはハードに使われるぶんだけメンテナンス性を考慮した構造を採用している
■トラックの整備について詳しく解説する
車体を持ち上げて整備することも多い
  トラックは乗用車よりもハードに使われる。ということは、メンテナンスもそれだけ必要、ということになる。一般的な車検整備や故障修理だけでなく、部品の摩耗や劣化による寿命により交換となる作業も乗用車より頻度は多い。そのため、トラックはタフな作りがされているだけでなく、メンテナンス性も十分に考えられた構造になっているのだ。
  現代のクルマは二柱リフトで整備することが前提になっている。それはジャッキアップポイント(クルマをリフトアップさせる際に支持する場所)がリフトのアームをかける場所であり、ジャッキで上げたらリジッドラック(固定台、通称ウマ)で支えるところがなくなって、困るクルマも珍しくない。
  トラックも車体を持ち上げて整備することは多い。シャシーはボディ(荷台)を載せてしまうと上から整備することは難しくなるし、足まわりやエンジン以外は車体の下側からメンテナンスするのが一般的だ。
  トラック用の整備用リフトは乗用車用のように工場に設置するタイプのほか、移動式もある。移動式は、工場内で自由に使いまわせ、また運送会社へ出張整備できるという斬新なシステムもある。4つの柱が独立しており、持ち運んでトラックに合わせて設置し、4基を通信で連動させて車体を持ち上げるのだ。
  実際に見てみると、何もない路面の上にリフトが置かれて大型トラックが持ち上がっているのは、奇妙にも見えるし、不安定にならないのか不安も感じる。しかし、海外では実績のあるシステムらしく、問題はないようだ。
  大型トラックは乗用車と比べてタイヤも大きくて重いから、タイヤ交換やパンク修理も重労働で、危険を伴う作業だ。最近はタイヤを車体から脱着する際にもジャッキを使ってサポートすることで、メカニックひとりでも安全に作業できるようにしている。
  タイヤ交換後の空気注入作業も、バーストによる被害を防止するためにもケージに入れて空気を充填することが推奨されている。
  ホイールナットを締め込む際にも、乗用車と比べて高い締め付けトルクが要求されることから、サポートするブラケットを隣のナットに当て、締め付けトルクの反動をメカニックが押さえ込まなくてもいいものが登場している。
  一方、小型トラックは、使われ方によっては意外とシビアで、整備する側にとっても大きな負担となることもある。
  配送用に使われる小型トラックなどは、24時間3交代制で、ドライバーが代わる代わる運転して荷物を運び続けるような使われ方をすることもある。そうなると、修理やメンテナンスの時間をなるべく短くすることが要求されるのだ。
  配送環境だけでなく、整備工場も24時間体制を自社で確保しているところもあるほどだ。車検整備や修理を夜間に行なって、昼間の稼働率を確保している企業もある。小型トラックは、大型トラックのように100万kmまで使われることはないものの、使われ方によっては大型以上にハードに使われているのだ。

あわせて読みたい

タイヤの歪みは心の歪み⁈ きちんとしないと後が怖いぞ……みんな知らないアライメント調整ってなーに?
ベストカーWeb
大型車メカニック育成方針を大転換! 三菱ふそうがドイツ式の専門職業訓練プログラム導入へ
ベストカーWeb
dアニメストアCMに須田景凪氏の新曲起用
antenna
「ドライブ中の緊急事態に備えよう!ニシノ NT-1、普通車専用の強力なパンク修理キットが登場」ファインピースが取り扱い開始
PR TIMES
進化とは転がることと見つけたり! 「タイヤの日」に思うこと
ベストカーWeb
地域の風景に触れる観光体験!ドローンフォトツーリズムを始動
PR TIMES Topics
超重大事故にも繋がる「トラックの脱輪」は20年で1188件も発生! 規定トルクで締めているのに「ホイールナット」の緩みが発生するワケ
WEB CARTOP
重大事故にも繋がる大型車のタイヤ脱落! 発生が「冬季」に集中する理由とは?
WEB CARTOP
はちみつビューティーブランドHACCI「モイスト リップエッセンス BEE KISS」の新色登場
PR TIMES Topics
桁違いのパワーだぜ!! トラックはオイルの量も半端ない!? 普通車とは比べ物にならないヤバ過ぎるスペックを解説
ベストカーWeb
大型トラックの脱輪事故の96%は左後輪! なぜ極端に偏るのかトラック専門誌が解説!!
WEB CARTOP
糸のいらない不思議なミシン・縫わずに描く「ニードルパンチミシン」
PR TIMES Topics
ファンにはちょっと残念! 国産トラックメーカーの統合が進みこの先「実質2社」になる可能性
WEB CARTOP
「ホイールナットが手で緩むんですけど……」 若き「学生整備士」が地域を救った!! 八丈島から日本を変える愛車無料点検イベントってなんだ
ベストカーWeb
東急の新しいデジタルチケットサービス「Q SKIP」の魅力
antenna
思い入れのあるボロボロのクルマ……って車検は通せる? じつは車検に通っても安全なクルマとはいえなかった!
WEB CARTOP
タイヤに釘が刺さったら…すぐ抜く? 抜いちゃだめ?? 知ってるようで知らないパンク対処法
ベストカーWeb
酒文化を醸していくプロジェクト「はじまりの学校」ブランド初の新商品4種を発売開始
PR TIMES Topics
鉄チンが当たり前だったトラックにアルミホイールの波がきた! 乗用車とは比較にならないメリットが存在する
WEB CARTOP
数十万円の車検費用が「激安」の数万円になる可能性も! 費用面で嬉しい「ユーザー車検」は「おいしい話」ばかりじゃない
WEB CARTOP
あなただけの特別な香りが作れるワークショップを開催
PR TIMES Topics