データ分析から生まれた、熟成段階ごとの魅力を引き出すワイン選び。年号ワイン.comが提案する『ワインの13段階の飲み頃』検索の開発ストーリー

2024.02.15 10:53
年号ワイン.comの実店舗とネットショップを運営する(株)和泉屋 栗原周平


弊社、株式会社和泉屋は常時1,000銘柄のワインを揃えるヴィンテージワイン専門店『年号ワイン.com』(
)を2000年より運営しております。


当社で取り扱うワインは長命な銘柄が多数含まれております。中には数十年から100年という驚くほど長い時間を掛けて熟成するものもあり、また飲み頃を過ぎた後でも古酒ワインとして特別感のある美味しさが喜ばれてきました。


多様なヴィンテージのワインを提供する当社らしい取り組みとして、2023年11月にはワインの新たな選び方のお薦めと検索機能をリリースしました。この取り組みを通じ、生産直後から大古酒になるまでのとても長い過程を13の熟成段階にワインを分類し選ぶことが出来るようになったのです。


これはスタッフ総勢6名の小さな会社が挑んだ、「熟成ワインの段階ごとの楽しみ方」をデジタルの活用によって世に送り出すまでの開発ストーリーです。
アルコールが飲めないSEが授けてくれた熟成ワイン文化への新たなアプローチ
1855年からのタイムラインが連なる接客スペースにてヴィンテージワインを販売


弊社は、スタッフ6人の小さな会社です。1998年頃に店頭で行っていた年号ワインをお探しするサービスが人気と評判になり、現在に至ります。社内では皆が同じ一部屋で仕事をしており、それぞれが担当する作業を熱心に進めています。


ある日のこと。ソムリエが登録しているワインの飲み頃データを分析していたシステムエンジニアからの質問から、開発はスタートしました。


SE:「熟成期間のパラメーターを0から100まで設定したのですが、ワインに何か違いがあると思いますか?」


ソムリエ:「えーっと、それはどういうこと?」


SE:「わかりやすく言うと、飲み頃期間の前半にあるワインと、後半にあるワインとでは、どちらの段階がおすすめですか?」


ソムリエ:「うーん、どちらも美味しいですよ。味や色、香りには大きな違いが出てくるけど。」


SE:「分析すると、飲み頃期間の前半にある商品は201点あります。飲み頃期間の後半にある商品は319点あります。この銘柄の飲み頃期間の平均は12年間で、こちらは45年間で……。」


社長:「あっ、それ面白いね!そこまで分析すると、熟成ワインの文化の開発だ。ラベルには書かれていない熟成度合いを細かく段階に分けて、欲しい人にお勧めするのはコンピュータにしか出来ないしね!データが多すぎて、多分、まだ誰もやってなかったと思うし。」


職場に降って湧いたようなアイデイアに、社長をはじめ皆が色めきました。
普段の社内の様子


実はもともと、検索機能のバージョンアップと使用言語の載せ替えを以前から進めており、全工程を3フェイズに分け、足かけ2年間で終える大がかりなプロジェクトが進行している最中でした。作業を進めながらもあっという間に月日が過ぎてゆき、開発マネージャーが企てたリリース予定を何回も修正していました。


そんな追われた日々の中での予想外の解決方法に、社長を始めスタッフ全員の気持ちも新たになりました。そしてこれが、ワインの新しい選び方『13段階の飲み頃から選ぶワインの検索機能』が産み落とされた瞬間でした。
13段階の飲み頃とは
この新機能では、ワインの説明や味わいの表現を日々考えているソムリエと、デジタル化を進めるにあたり頼りにしているシステムエンジニアの理想とが融合できています。
HP内に設置した、ご希望の飲み頃でワインが探せる検索画面


熟成段階を以下のように細かく分類したことで好みの熟度でワインを選べるようになりました。未来に飲み頃が始まる:長命なワインは生産後のすぐは硬くて美味しく飲めません。今が飲み頃(前半):飲み頃開始から20%くらいまでの前期でフレッシュさが特徴。充分に飲み頃:飲み頃の20%~40%の時期で「飲み頃」と言えます。落ち着きもあります。飲み頃の真ん中:飲み頃40%~60%の時期で飲み頃のど真ん中にあります。今が飲み頃(後半):開始から60%~80%の時期で飲み頃感が溢れます。飲み頃の最終盤:飲み頃開始から80%~100%の期間で終盤にあたります。古酒として若い:飲み頃を過ぎて1~2年目では古酒感がまだ薄い状態です。古酒入門向き:飲み頃を過ぎて3~4年目は古酒の風味を帯びており古酒ワインの入門に向きます。古酒のまとまり:飲み頃を過ぎて5~6年目は古酒らしさが形成されています。熟成感を愉しむ:飲み頃を過ぎて7~8年目では古酒としての熟成が味わえます。古酒としての円熟:飲み頃を過ぎて9~19年目は古酒ワインのピークです。人生を回顧させる:飲み頃を過ぎて20年~29年すると人生のような価値を帯びます。壮大な大古酒:飲み頃を過ぎて30年~のものは稀少品です。


なお、ワインの飲み頃については、世界的なワイン評論家ロバート・パーカー氏が始めた『ワインアドヴォケイト(
)に掲載されている評論家による飲み頃開始と終了の予想時期に加え、当社ソムリエの予想も商品ごとに登録しています。


13段階の飲み頃についての詳しい解説は当社HPをご覧ください。
・飲み頃ワインを探す
また社内で意気投合が進んだ結果、幸いリリース期限ぎりぎりの2023年11月15日に公開することが出来、同時にこちらのプレスリリースを発行しました。


・【通販 EC】ワインの新しい買い方!「13段階の飲み頃からワインを選ぶ」全国初の検索機能を熟成ワイン専門店の年号ワイン.comがリリースしました
新たなワイン選びに立ちはだかる、認知の壁。切り口を活かせる環境を探していくことも必要。
しかし、このワインの選び方は全国初となる新しいツールです。世に広まり、最終的にはワイン購入時の選び方として一般化するには人々に理解してもらう必要があります。


リリース以来、出来る限りのこととして、ソムリエは飲み頃段階ごとでの味わいの解説に加えてお薦めシーンを自社サイトの専用ページに詳しく説明を付けました。WEBデザイナーは誰でも直感的に使える検索画面の作成。ワインに合わせたしきい値の再構やデータ抽出はプログラマーへ戻すなど、社内での修正を繰り返してきました。


気付けばリリースからは3ヶ月が過ぎ、利用者様からは感心の声を頂けるようになりましたが、残念ながら未だにあまり知られていないのが実状です。この切り口でワインを提供してくれる飲食店探しなど実際に飲める環境を整え、こういう楽しみがあるという認知を広く獲得するさらなる努力が必要だと痛感しています。
人生100年時代にマッチしたヴィンテージワインの魅力。より豊かなライフスタイルの提案を目指して。
長い人生と同じような時間軸を持つワインを販売するのが当社のミッション


ワインは流行の移り変わりが激しい商材です。生産地は年々増え、スポットライトを浴びる新たな生産者が時流に乗って紹介されます。


話題になっているワインを手にする、そんな喜びもありますが、人生の中で起きるライフイベントに合わせた「買う人が主体になるワイン選び」を私たちは引き続き推奨してゆきたいと思っています。


人生と同じくらい熟成期間を有する長命なワインもあり、飲み頃期間が過ぎた後も古酒ワインとして楽しめる特徴も有しているからです。


厚生労働省から2022年に発表された日本人の平均寿命は女性が87.09歳、男性が81.05歳です。100年を超えて生きることは稀なことではなくなっています。


この長い人生を豊かに過ごすためにも、「人と同じような時間軸を持つワインで自分や相手をねぎらい、未来への希望を共有するワインライフのご提案」が年号ワイン.comを設立した2000年当初からのミッションです。
ワインは時間を掛けてじっくり熟成し、人生に伴走してくれる飲み物


長命なワインは一年間という単位で熟成が進み、人の成長と同じようなスピードでボトルの中で変化します。そうであるからこそ節目の時や記念日に同じヴィンテージのワインを開けて口にできるときの興奮や幸福感は特別です。


また節目や記念日でなくてもワインを13段階の熟度で選べるようになった新しいこの切り口でもワインライフを楽しんでいただけたらと思っています。


そして熟成は未来に向かって今も私たちと一緒に進んでいます。現在の「今年」の分だけでなく、2025年、2026年など、「未来のあの年に飲み頃を迎えているワイン」の検索を先日公開しました。
新機能をさらに追加。HP内で近未来10年間分の飲み頃銘柄も探せます。


来年以降の「未来にも飲み頃中のワイン」についての詳しい解説は当社HPをご覧ください。
・2027年が飲み頃のワイン(3年後に記念日を迎える方に)
・2025年から2034年が飲み頃のワイン(近未来の10年間分)
11月19日はいい熟成ワインの日
熟成ワインを楽しむきっかけの日としていただけたらと考え、当社では11月19日を熟成ワインの記念日として登録しています。昨年同様、今年も何か企画ができれば思っております。


・11月19日はいい熟成ワインの日
・【記念日登録】11月19日は「いい熟成ワインの日」の記念日と認定。熟成ワインを扱うヴィンテージワイン専門店『年号ワイン.com』を運営する和泉屋の申請は(社)日本記念日協会にて正式に登録されました。
会社概要
株式会社和泉屋(創業1959年)
埼玉県朝霞市幸町1-5-2

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