体験型博物館「MIZKAN MUSEUM」リニューアルオープンへ込めた想い。5000枚以上のアンケートをもとに、お客様の声も反映し、もっと“たのしい”館を目指して。

2024.02.07 14:00
ミツカングループが運営する体験型博物館「MIZKAN MUSEUM(愛称MIM(ミム)、以下MIM)」は、2024年3月15日(金)にリニューアルオープンいたします。2015年11月にオープンして以来、途中コロナ禍での休館期間もありましたが、約56万人(※1)のお客様にご来館いただきました。
※1・・・2023年12月末時点


リニューアルの内容や込めた想い、今後どのような施設にしていきたいか等、MIMの館長である新美佳久に取材しました。


酢づくりの歴史や食文化を楽しく学べる体験型博物館「MIM」とは
●MIM設立背景
MIMは、ミツカンの酢づくりの歴史や、食文化の魅力にふれ、楽しみ学べる体験型博物館です。創業の地である半田においてミツカングループの歩んできた歴史に触れ、今を感じ、未来につなげる施設として、2015年11月に設立されました。古くから続く運河沿いの黒塀の景観とともに、ミツカンの酢づくりの歴史や、醸造の技術、ものづくりへのこだわり、食文化の魅力などを、伝統・革新・環境を大切に考え、次世代へ伝えてゆく施設です。見てさわって、楽しみ、学べて、また来たいと思ってもらえる体験型博物館を目指しています。
●5つのゾーン・見学コース・年間来館者数
MIMは、「大地の蔵」「風の回廊」「時の蔵」「水のシアター」「光の庭」の5つのゾーンで構成されています。
2015年の開館当初は、5つのゾーンを全てガイドの説明で見学する全館コースのみでしたが、開館して3年目で見学コースを増やし、「大地の蔵」にアプリを導入し、音声で説明を聞いて自由に見学できる仕組みを作りました。このことにより、年間15万人ものお客様にご見学いただける施設となりました。
コロナ禍にMIMの5代目館長へ就任。当時の想い
―MIMは2015年11月にオープンしましたが、現館長である新美は2022年1月に館長に就任。5代目のMIM館長です。

新美:
それまで生活者への調査や商品のデザインを担当する部署にいて、東京で勤務していましたが、人事発令が出てすぐにMIMに来ました。数年ぶりにMIMに足を踏み入れて、1階の中通路を歩いたとき、緊張感が走ったことを今でもよく覚えています。この施設をあずかるのか、これを背負うんだな、と感じました。同時に、やりがいはあるな、と思いました。
MIM1階中通路にて。


最初の仕事は休館から再開館への準備。最短で実現するために奮闘。
―新美が館長に就任した当時、MIMはコロナ禍のため休館中でした。当時は新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行する前。そんな中、再開館へ向けて動き始めていました。


新美:
MIMは休館中でしたが、世間の他の施設は少しずつ再開館を始めていた頃でした。MIMは、大きな投資をしてつくったものであり、有効活用しないともったいない。コロナ禍でも、どのようにしたら再開館できるのか、模索していきました。当時は休館中だったので、スタッフも少人数でした。まずはスタッフを集め、お客様をお迎えするにあたっての教育をして、最短での再開館を目指しました。


―2022年8月16日、ついに再開館の日を迎えました。


新美:
再開館当初はスタッフも少なく、1日3回の見学時間かつ各回1組限定で実施していました。各回1組限定にした理由は、当時は世の中のコロナ感度もまだ高く、他のお客様と一緒に見学することが、お客様にとってリスクに感じてしまうと考えていたからです。


―2022年10月には各回1組で1日8回の見学時間まで拡大。その後、1日8回のまま、各回の組数を増やし、順次拡大していきました。


新美:
今(※2)は1日11回の見学時間を設定し、各回最大30人までご案内しています。MIMはお子様の学校がお休みの時が繁忙期なので、ありがたいことに土日はほぼ満席です。
※2・・・取材当時(2023年12月)
MIM運営で大切にしてきたこと、見えてきた課題
―MIMの使命は3つ。
1つ目は、ミツカンファンを作ること。見学を通し、より深いファンになってもらうのが一番大きな目的です。
2つ目は、地域貢献のため、観光資源として活用していただくこと。
3つ目は、これから将来を担う子どもたちの学習機会の場として活用していただくことです。


新美:
MIMとしての使命はあるのですが、私が運営で特に大切にしていることは、「お客様ファースト」「お客様間の公平感」の2つです。「お客様ファースト」ではあるのですが、1人のお客様のみのご要望をお聞きするだけでは公平感がありません。「お客様ファーストでありながらも、お客様間の公平感を大切にすること」、これが最終的にはミツカンのファンになっていただくことにつながる、と考えています。


ミツカンファンを増やすために、リニューアルを決断。社内外の環境変化にあわせてアップデート。
―2015年11月のグランドオープンから約8年経ち、MIMは2024年3月15日(金)にリニューアルオープンいたします。
新美:
私が館長に就任した当時は、リニューアルするという話はあったものの、時期や予算、展示内容など、全く決まっていませんでした。2015年のグランドオープン以降、社内外の環境もかなり変わりました。MIMの役割をより果たすにはMIMはリニューアルすべき、という課題認識が会社としてあったのです。多くのお客様にご来館いただき、展示物についても、人気の展示、ためになる展示がある一方、お客様があまり接することのない展示もあり、MIMの良いところ・悪いところが見えてきました。


―ミツカンは、10年先の未来を考えた中で、当社の事業活動そのものが、環境、社会、食生活への貢献につながることを実現するために、2018年に「ミツカン未来ビジョン宣言」を策定しました。そして、2019年にはZENB(ゼンブ)ブランド(※3)が誕生し、2023年にはMIZKAN MIRAI LABO(ミツカンミライラボ)(略称MILABO〈ミラボ〉、以下MILABO)(※4)が稼働しました。
※3・・・植物を可能な限りまるごと使った食で、おいしくてカラダにいい、人と社会と地球の健康に貢献する、未来に向けたウェルビーイングな食生活を提案するブランド。2019年3月誕生。
※4・・・ミツカングループの生産工場での実生産を想定した実機レベル(設備・ライン)でのテスト検証をする施設。2023年稼働。


新美:
リニューアルする理由は、社内外の環境変化が一番大きいですね。
社外でいうと、新しい施設がどんどん誕生して、デジタルを駆使したものが増えてきていますし、生活者のデジタルリテラシーもあがってきています。MIMの展示も、時代に合わせてアップデートしていく必要がありました。
社内でいうと、より「未来ビジョン宣言」に沿った形のMIMにしていきたい、という想いもありました。環境変化に対応した施設にしないと、お客様にもご満足いただけないですし、会社の想いも伝わらない、と考えました。


MIMでの体験をきっかけに、お客様が長きにわたってミツカンの商品を手に取ってもらうために。リニューアルで目指した姿


新美:
ミツカンのことを理解していただいた上で、お客様に「MIMに行ってたのしかった!」と思ってもらうことが大事だと考えています。それが、Life Time Value(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)(※5)の向上につながると思っているからです。「MIMがたのしかったから、つゆは“ミツカン追いがつおⓇつゆ”を買おう」とか。そこが目指している姿です。今までよりも、もっともっとたのしんでもらえるMIMを目指しています。
※5・・・一人の顧客から生涯にわたって得られる利益のこと。


―これまでに、実際にお客様の嬉しいお声も聞きました。


新美:
ご見学を終えられたお客様同士の会話で聞こえてきてうれしかったのが、とある有名な施設の名前を出して、「(その)テーマパークみたいにたのしかった!」とおっしゃっていたのを聞いたことです。これを聞いたとき、すごくうれしかった!!リニューアルでは、もっともっとお客様にたのしんでいただける施設にしていきたい、と改めて強く思いました。
5,000枚以上のアンケートを集め、お客様の声をリニューアルに反映


―お客様によりたのしんでいただける施設にしていきたい。そんな想いもあり、2022年8月の再開館以降、ご見学いただいたお客様から、5,000枚以上のアンケートを集めました。


新美:
見学コースの最後のゾーンである「光の庭」にアンケート用紙を設置し、お客様にご記入いただきました。こんなにも多くの方にアンケートに回答いただいたことに、大変感謝しております。アンケートからは、様々なことが見えてきました。


―アンケート結果をリニューアルに反映しました。


新美:
お客様のお声を全て反映するのは難しいのですが、いくつかリニューアルに反映しています。
多かったお声は、「光の庭の見学時間が短い、もっと遊びたい」というもの。ガイドによるご案内のため、今は「光の庭」は15分くらいしか見学時間が取れていないんです。また、「(全体の)見学時間が90分は長すぎる、もっと短時間で見学したい」というお声も。このようなお声に反映し、リニューアルでは、今までの全館コースに加え、ミニコース(※6)も新設いたします。
※6・・・「大地の蔵」および「光の庭」を自由にご見学いただけるコース(滞在可能時間は最大2時間)


リニューアルでの見どころポイント
―一番の見どころは、「光の庭」に新設される「そうぞうファクトリー」「みらいウィンドウ」です。「未来ビジョン宣言」のもと、フードロスなどの社会課題に対して真摯に向き合うミツカンのものづくりの姿勢を、MILABO をモチーフにたのしく疑似体験していただくものです。


新美:
いろいろ工程はあるのですが、簡単に言うと、無駄に捨てられてしまう食材を集めて、自分のオリジナルの未来の食べものをつくろう、というものです。ICチップ内蔵のカプセルを手に取って、それを装置において、食材を集めたり・たたいたり・こねたり・デコレーションしたり、などのアクションを経て、ICチップにデータをためます。最後にカプセルをポストに入れると、未来の食べものとその食べものが醸し出す未来の風景が現れます。
ご見学者のアクション次第で未来の食べものが変わるので、とても面白いですよ!
「光の庭」に新設される「そうぞうファクトリー」


―全体としてのリニューアルポイントは、アプリの導入。アプリを通じて、MIMのARコレクション(※7)を取得できる場所が館内で6カ所あります。
※7・・・スマートフォンを使って取得できる、MIMやミツカンのコレクション画像です。ARの技術を活用して、CGとリアルを組み合わせて撮影して楽しむことができます。館内でも館外でもお楽しみいただけます。


新美:
エントランスでは「味ぽん®」等ミツカン商品のARコレクションをゲットでき、一緒に写真撮影をすることができます。ARコレクションは回したり・拡大したり・縮小したりできるので、例えば、拡大して、味ぽんに抱きついたりする写真も撮れるんです。他にも、「蔵で働く人」や「山車」などのARコレクションもゲットできます。「山車」のARコレクションを作る際には、地元半田市の方々に多大なご協力をいただきました!2023年10月に「はんだ山車まつり」が開催されたんですが、地元の方々がその際に組み立てた山車を撮影のために曳き出してくださり、その時撮った写真をもとにARコレクションを作っているんですよ。地元の方々のご協力には本当に感謝しています。


―館内でゲットしたARコレクションは、帰宅後にも使うことができます。


新美:
MIMのご見学を終えてご自宅に帰られた後も、たのしむことができます。例えば、ペットと味ぽんのARコレクションを並べて写真を撮ったり、夕ご飯のメニューと「蔵で働く人」を一緒に撮ったり、、、たのしみ方はお客様次第で無限大です。


―リニューアルの見どころは他にもたくさんあります。


新美:
個人的に私の一番のおススメは、「大地の蔵」に新設される「あなたも酢づくり職人」です。映像に映し出されるご見学者のアバターを通じて、お酢づくりが体験できるんです。私はデモ版で体験したんですが、本当に面白かった!お子様だけではなく、私のような大人もたのしめる内容になっています。
他にはない、MIMで唯一無二の展示を実現するために。リニューアルにあたって多くの挑戦があった。


―これまで大変なことがたくさんありました。現在も進行中。そして、これからも・・・。


新美:
就任時はリニューアルの具体的な内容が決まっていなかったので、アイデアを出すのも大変でした。アイデアが決まった後も、それを具現化していくプロセスも結構大変なんです・・・。
展示物においては、MIMの展示は唯一無二の展示なので、細部まで決めていく必要があります。どのような機械を使うとか、どのようなオペレーションで実施するとか、ひとつひとつ細かく決めていく必要があるんです。
また、これまでの全館コースに加え、ミニコースもつくるため、運用の仕方も見直す必要があります。受付の対応や、案内の仕方、スタッフの立ち位置など・・・。決めることが多いので、スタッフ一丸となり、各自が役割を持って、リニューアルに向けて奮闘しています。


今後へ向けた想い
―2024年3月15日(金)のリニューアルオープンを控え、最後の大詰めの時期です。


新美:
一度きりではなく、お客様には何度もMIMに来ていただきたいと思っています。MIMがきっかけでミツカンのファンになってほしい。そのためには、MIMが常に向上していかないといけません。建物や展示物などのハード面は費用のこともあり、簡単には手をつけることができません。しかし、ヒト・サービスなどのソフト面は工夫次第ではお金をかけずにいつでも進化することができます。怠けると飽きられてしまうので、更に磨きをかけていきたいと思っています。
ハード面もソフト面も、よりたのしんでいただき、また来たいと思ってもらえる、魅力あふれるMIMにしていきたいと思います。リニューアルオープンにぜひご期待ください!

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