母たちのチャレンジ。地域で繋がりを紡ぎ、その中で開発した商品「熊野やまももシロップ」が導く地域貢献。

2024.02.05 15:03
#ヤマモモ #地域活動#誕生秘話


口熊野かみとんだ山桃会
和歌山県紀南地方にある熊野古道の玄関口・口熊野に位置する「上富田町」。その町に結婚を機に住み子育てをする中で、もっと自分らしく暮らせる何気ない日常や、子どもたちが未来を思い描ける町の実現をめざして発足した町づくり団体「口熊野かみとんだ山桃会」。「自分の立場で少しずつ地域のためにできることをする」、そんな人が増えていき、繋がりができていければ、誰もが自分らしく暮らせ、子どもたちに向けて、未来へとつなぐ町づくりができると信じています。
町木ヤマモモを通じて、自分たちにできることから少しずつ活動を拡げながら地域のために、人との繋がりを紡いできました。
その中で、赤い宝石と呼ばれるヤマモモの可能性を感じて、もっとたくさんの人に私たちの想いと共にこのヤマモモを届けたい、そして私たちと繋がってほしいと「Kumano Berry」を開業。
耕作放棄地でのヤマモモの栽培・商品開発・販売、観光案内所の委託運営、交流施設の運営や地域活動と今では活動が多岐にわたります。
そんな私たちが初めて作った商品「熊野やまももシロップ」。沢山の人の協力がなかったらこの商品は生まれてこなかったと、振り返れば感謝の気持ちでいっぱいです。
このストーリーでは、私たちがなぜ「熊野やまももシロップ」を開発したのか、又、そこから導かれた地域貢献の取り組みを紹介します。
私たちが地域活動を始めたきっかけは、子育てから。
地域に興味を持ったのは、子どもができ、子どもを取り巻く環境に対して思うことができたからです。もっと子どもたちが自分らしく育つ環境を大人が作っていけたらと思ったのがきっかけです。
そしてただ思うだけでなく、私もできることがあれば何か町のために手伝おうと即行動に移しました。とりあえず、その頃上富田町に着任した地域おこし協力隊や観光コンシェルジュに何か手伝えることはありませんかと会いに行きました。
 それと同時に、ママ友数名にも一緒に活動しないかと声をかけました。皆、何ができるのかわからないけど協力しようと私も入れて5名のママ友が集まりました。そして、知り合いの商工会青年部の方や農家の方など数名にも声をかけ、町民の有志が集まりました。
 まずは、町の良いとこや課題をあげるワークショップをしたり、地域の人のお話を聞いたりして何をすれば良いのか話し合いを重ねました。
町木「ヤマモモ」の魅力を伝える地域活動を、地域と共にPR。
そんな活動の中で上富田町の町木が「ヤマモモ」だと知りました。
「ヤマモモ」のことを調べていくと赤い宝石や幻の果実と呼ばれているらしく、なかなか希少な果実だと知りました。
一粒、一粒が赤い宝石と呼ばれる「ヤマモモ」のように、人も、一人ひとり可能性を秘めた宝石です。
私たちの想いに通じる「ヤマモモ」に魅力を感じ、「ヤマモモ」を通じて地域に貢献できないかと考え、皆でこの「ヤマモモ」を使った活動を始めようと決めました。2015年、この時に、口熊野かみとんだ山桃会が発足しました。
 当初、会長にはその当時の上富田町商工会の青年部長に兼任して頂きました。途中で、仕事が多忙のため私にバトンタッチすることになります。
 設立当初は、現在の様に「ヤマモモ」の商品を開発して販売までする想定ではなく、まずは「ヤマモモ」を知り、地域の人にも知ってもらい、上富田町と共にPRしていく活動をしました。
 具体的には、「ヤマモモ」の現状を知るために、町内の農家さんと町会議員と一緒に先進地である徳島県小松島市に視察に伺いました。
 JA東とくしまを尋ね「ヤマモモ」の栽培方法・出荷状況を確認し、生産者にもお話を伺い栽培地も見学しました。そして、町内の「ヤマモモ」を扱うお土産店や菓子販売店等にも寄りお話を伺いました。近年は、「ヤマモモ」の栽培農家も減少しているとのこと。栽培農家さん曰く、「ヤマモモより椎茸の方がお金になる」と。2018年農林水産省データによると、日本の「ヤマモモ」生産量1位徳島県12.8t(シェア85.9%)、2位高知県1.6t(シェア10.7%)、3位兵庫県0.5t(シェア3.4t)となっています。この数字を見ても「ヤマモモ」の流通量が少ないとわかります。それに、2021年からの、私たちの収穫量が1.6tだったのを鑑みても全国でも「ヤマモモ」が商品作物の主流ではないと推測できます。
PRのためには、上富田町の道の駅で開催されているかみとん市に出店したり、ヤマモモ収穫&シロップづくり体験を開催したり、又、町内の団体に「ヤマモモ」を活用して協力をして頂きました。
「熊野やまももシロップ」の誕生。地域との繋がりの中で、地元企業の協力で実現した商品化。
それから、更にPR活動をするには何か「ヤマモモ」を使った商品がある方が良いのではないかということになりました。
しかし、私たちには商品開発の知識も資金もなく、どうしたものかと色々な人に相談する中で、地域の為になるならと、地域の梅加工会社さんが無償で協力をしてくれると申し出てくれ、この地域で家庭でよく作られているシロップを商品にすることにしました。
自分たちが、地域で収穫したヤマモモを使って何度も試作をし、もう少しヤマモモらしさがでないかや酸味が欲しいなど、こちらの意見も聞いて頂き、とうとう瓶詰めしたものができあがりました。ラベルは自分たちでデザインをし、その出来上がった瓶詰めのヤマモモシロップをみんなで手にとった時はなんとも言えない気持ちになりました。「熊野やまももシロップ」の誕生です。
「熊野やまももシロップ」を市場に出すべく「Kumano Berry」を開業。学校給食で子どもたちに提供されるなど事業を拡大。
「熊野やまももシロップ」を市場に出すにあたり、この時に代表になっていた私が開業届を出し、屋号をKumano Berryとして本格的に市場参入を始めました。
Kumano Berryは得意なことを持ち寄ってママ仲間で運営しています。
2018年10月には、地域で活動している団体との信頼も出てきたこともあり、朝来駅構内にある口熊野かみとんだ観光案内所の委託運営も受けました。
 本格的に一般にこの商品を販売できたのは2019年からです。この商品は、2020年にプレミア和歌山の認定も頂き、上富田町のふるさと納税の返礼品にもなっています。そして、上富田町内の小中学校の学校給食でも提供してもらい、町内の子どもたちにも町木「ヤマモモ」を知ってもらえるようになりました。
 現在、小売商品として熊野やまももシロップの他に熊野やまももジャム・熊野やまももドロップと商品のラインナップも増やし、2022年には、実が欲しいという声に応えて厳選したヤマモモの実も数量限定で販売しました。又、小売りだけではく、卸販売も始めています。
 商品の主な販売場所は、運営する観光案内所内や白浜空港売店・道の駅くちくまの・キイテラス売店等主に地元です。サントリージャパニーズジン翠(SUI)ともコラボで和歌山県内の飲食店限定ですが熊野やまもも翠ジンソーダも提供されています。観光案内所ではテイクアウトで熊野やまももジュース等が飲めるようにし、「ヤマモモ」を知らない人にも気軽に試して頂いてます。
子どもたちに熊野やまももシロップを使ったお寿司とフルーツポンチを提供
ヤマモモを通して進む地域貢献。
「ヤマモモ」の実を確保するために、地域の「ヤマモモ」の買取りもしています。当初からジワジワと「ヤマモモ」を販売してくれる人が増えてきています。皆さん、毎日朝から収穫してお昼ごろまでに買取り場所に運んできます。今までただそこにあった「ヤマモモ」が少しでも収入になり、毎日楽しいわと言いながらカゴいっぱいに「ヤマモモ」を持ってきます。これは、地域の高齢者の小さな生業や生き甲斐づくりに貢献できているのではないかと考えます。
 又、収穫や選別・洗浄作業もできるだけ、時間が拘束されるお子さんのいる方や作業所にお願いしています。それから、関係人口づくりに積極的に県外の方にもお手伝いに来て頂いています。今まで、神奈川県、愛知県等遠くからお手伝いにきて「ヤマモモ」に初めて触れてもらい、お互いに良い時間を過ごしています。
 耕作放棄地も借り受け、整地し「ヤマモモ」の栽培も始めています。
小学校の地域学習で「ヤマモモ」のお話をさせてもらえるようにもなりました。子どもたちも「ヤマモモ」からできる商品を考えてくれたり、夏休みの自由研究で「ヤマモモ」を調べる子がいたり、上富田中学校のパソコン部で「ひょうたんせんぱいのヤマモモ狩りゲーム」作成・子ども議会では、議題として「ヤマモモ」を生かしたイベント開催や商品開発を挙げ、町内の子どもたちの中でも、上富田町といえば「ヤマモモ」の認識が生まれていると感じます。
それから「ヤマモモ」事業での収益を口熊野かみとんだ観光案内所の運営にも還元しています。
 案内所内では、おさがり会として、子ども用品の寄付を受け、それを必要な人に無料・50円・100円でお譲りするコーナーがあり沢山の人にご利用頂いています。また、あっそdeえきなかまるしぇを毎月第3木曜日13ー16時開催し毎回10店舗程出店し賑わっています。
継続する挑戦。「熊野やまももシロップ」開発から協力の和を広げ進める地域貢献の未来へ
「熊野やまももシロップ」の開発にチャレンジしてから、地域内外と繋がりをもち、地域に貢献できる活動を一歩一歩続けてきました。全てが、私たちにとって未知のチャレンジでした。でも、周りの協力があったから、ここまでこれました。これからも、更にチャレンジしていきたいと思いますので、応援をよろしくお願いします。
Kumano Berryのホームページ
熊野やまももシロップの購入先
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