発売から5年以上経ってるのにいまだ1年待ち! 皆どうしてそんなに「ジムニー」が好きなのか?

2024.01.26 13:00
この記事をまとめると
■発売から5年以上が経過してもいまなお納期が1年以上という人気っぷりを誇るスズキ・ジムニー
■小さくても本物のオフローダーで部品も豊富で実用性も高いとくればジムニーが人気となるのも大いに納得
■海外では5ドアのジムニーも登場してまだまだジムニーの人気は続きそう
みんなどうしてこんなにジムニーが好きなのか?
  昔ながらの本格的なクロスカントリー4WDという伝統を、一途に受け継いでいるスズキ・ジムニー。オフロードや雪道ではさすがの走破性能を誇るものの、市街地や高速道路では乗り心地もいまひとつだし、パワーも十分とはいえないし、ドリンクホルダーもつかない内装は決して便利な装備が揃っているわけではないというのに、20年ぶりのフルモデルチェンジで2018年に4代目となった現行モデルは、いまだに莫大なバックオーダーを抱え、納期も1年以上という人気ぶり。
  なにやら、WEB CARTOP編集部でもジムニーを社用車として購入したらしいのですが、ふと疑問が湧きますね。「なぜ人は、そんなにジムニーが好きなのか?」
  私自身も現行ジムニー所有者なので、今回はその答えを探してみたいと思います。
  まずひとつめの理由は、「小さくても本物」というところでしょう。1970年からの長い歴史を誇る、軽自動車で唯一の本格オフローダーとしての伝統ともいえる、屈強なラダーフレームや長いストロークを確保する3リンクリジットサスなどの基本構造を守りつつ、悪路走破性をさらに高めるべく、フレーム剛性の強化や操舵機構の改良が行われているという、進化し続けるところも魅力なのだと思います。
  その走破性の高さは、荒れた砂漠を走り抜くモンゴルラリーなどでも証明されており、北海道など豪雪地域でジムニーオーナーが多いというのも頷けますね。
  ふたつめの理由は、軽自動車であることでしょう。経済的な面、サイズ的な面、所有欲をくすぐるという面でも、軽自動車であることはジムニーにとってはプラス材料だと思えます。
  ファーストカーとしてだけでなく、セカンドカーとして何か自分用に「遊べるクルマ」が欲しいと思ったときに、いくら楽しそうとはいえ700万円もするジープ・ラングラーにはおいそれと手が出せないものです。でもジムニーなら、新車で200万円前後。購入後の税金も優遇されています。サイズ面でも、市街地の足として乗るには最強なので、通勤車と趣味車を兼ねて乗るという人が多いのも納得です。
  3つめの理由は、いろんなところをイジれることでしょう。内外装がシンプルで、過剰な装備がついていないからこそ、人は自分らしく工夫したくなるもの。アフターパーツだって、フロントグリルなど外装からホイール、サスペンションなど足まわり、ドリンクホルダーや収納ポケットといった内装のグッズ、スピーカーなどオーディオ関連やナビまで山のように売られています。
  それをコツコツと自分らしくイジっていく楽しみ。これもジムニーの魅力なのです。
走っても楽しいし実用性だって十分
  4つめの理由は、自分の手足のように運転できるようになりたいと思わせる、意外に一筋縄ではいかない運転の難しさがあるところ。ターボエンジンはスズキの軽自動車でお馴染みの「R06A」型で、5速MTと4速ATがあり、もちろん全車4WDで、従来通りの副変速機付きパートタイム式。
  低速トルクがあまりないこともあって、発進直後はヨッコラショという感じで、2速、3速とシフトアップしていっても、普通に運転しているとそんなに余裕のある加速フィールではありません。
  でもこれが、だんだんとコツをつかんで運転するようになると、スムースさやパワーのゆとりが生まれてきて、ジムニーがイキイキと走っているように感じられます。こうなってくると、楽しさ倍増。副変速機はなかなか街なかでは使うシーンがないですが、オフロードや雪道で使ってみると、また違った楽しさが味わえます。これが病みつきになるところでしょう。
  5つめの理由は、意外に後席が使えるという実用性。日本のジムニーは3ドアなので、家族のクルマとして買うには躊躇してしまうかもしれませんが、乗り降りだけちょっとガマンすれば、じつは後席のスペースはけっこう広く、大人ふたりでも快適に座れます。左右のタイヤハウスのちょうど真上になるところが、バッグ置き場としてもピッタリなので、狭さを感じないのです。
  ラゲッジは横開きのバックドアで、開閉するときにスペースは取りますが、フラットで荷物は積みやすいと思います。後席を倒せば大荷物でも大丈夫。グレードによってシート表皮が撥水加工になっているなど、アウトドアでも汚れを気にせずガンガン使えるのもいいところですね。
  ということで、みんながジムニーを大好きな理由を大きく5つ挙げました。また、現行モデルに限っては、デザインがモダンにカッコよくなったことで「ひと目惚れ買い」も多いようですね。ボディカラーもオシャレなので、色で迷う人も多いと聞いています。
  さらに、納期が長いことは一概に悪いことでもないようで、ディーラーのスタッフに聞いた話では、ジムニーが納車された日に次のジムニーを注文していく人がいるのだとか。ジムニーは人気なので中古車の買取価格が高く、だいたい1年半くらいで次のジムニーが納車になるころ、最初のジムニーはほとんど価格の下落なしで買取店に売り、新車に乗り換えることができるのです。すごい強者がいるものですね。
  海外では5ドアのジムニーが登場して、日本でも出るのか、出ないのか、ヤキモキしている人も多いようですが、ジムニー人気はまだまだ続きそうです。

あわせて読みたい

運転支援だらけで運転がつまらない……なんて感じてないか? あるぞ「クルマとガッツリ対話できる」運転の楽しいクルマ5台
WEB CARTOP
型式指定認証不正で新車販売現場は混乱する……と思ったらそうでもない! コロナ禍以降の「長納期慣れ」で消費者は意外にも冷静だった
WEB CARTOP
株式会社PAY ROUTEがインドの企業とファイナンスセキュリティ向上を目的とした共同研究を開始
antenna
メルセデス・ベンツGクラス【海外試乗記】
webCG
軽トラがアメリカで人気爆発!! アクティが150万円以上で売買って本当!? 高値で取引されるワケ
ベストカーWeb
コミュニティスペース「REJECT HUB」オープン
PR TIMES Topics
スズキの軽自動車の車種一覧! 魅力や特徴、選び方を徹底解説
WEB CARTOP
悪路なんて走らないしアウトドア趣味もない! それでも人気のSUVでしか得られないメリットを探したらけっこうあった!!
WEB CARTOP
『岡田謹製 あんバタ屋』阪急うめだ本店にて期間限定で出店
PR TIMES Topics
ジムニーは日常にちょっとした楽しみを加えてくれる、そして「旅に出ろ」と背中を押してくれる車です
roomie
テリオスキッド人気にあやかって登場した「テリオスルキア」! 車高を下げて2WD化……って人気部分を消して大失敗した残念なクルマ
WEB CARTOP
スイカ好き革職人がつくった「スイカのキーケース」発売
PR TIMES Topics
ダイハツ[ロッキー]復活!! 物価高時代の頼れる味方スズキとダイハツの小型SUVを一挙公開! 
ベストカーWeb
2024年上半期の新車販売台数は昨年割れ! 復活の鍵は「トヨタの納期」と「ダイハツの出荷」回復にあり!!
WEB CARTOP
瀬戸焼の技術で丁寧に作られたマリアンヌ・ハルバーグの人気アイテム
PR TIMES Topics
スペーシアが5月の新車販売でトップに! N-BOXの首位陥落の理由は「ダイハツの不正問題」と「WR-Vの好調」にあり
WEB CARTOP
デザインはジウジアーロ! 走りのテイストはゴーカート! 軽自動車界に衝撃を与えた「スズキ・フロンテクーペ」が傑作すぎた
WEB CARTOP
やっぱクルマはMTだろ! と念願のゲットもあれ? マジかよ……な「ガッカリポイント」のあるMTとその搭載車5台
WEB CARTOP
直近の新車販売ではN-BOXがやや失速気味もホンダ全体は絶好調! 登録車は新型フリードとシエンタの争いが注目
WEB CARTOP