四半世紀もサイズは同じだしパワーも64馬力! ずっと規格が変わらないけど軽自動車はメチャメチャ進化していた!!

2024.01.05 11:40
この記事をまとめると
■現行の軽自動車の規格は1998年から四半世紀も変わっていない
■64馬力の自主規制は1987年から現在まで続いている
■軽自動車は数十年前のモデルと比較にならないほど進化しており、これからも進化を続ける
軽自動車ってずっと同じ規格だけど進化してるの?
  いまや日本において新車販売の4割近くを占めるまでに至った軽自動車。ボディサイズやエンジン排気量制限を受けた規格のなかで、独自の進化を遂げ、日本人が必要とする機能をできるかぎり凝縮し、なるべく安価に販売。そうしたパッケージングが人気につながっているのだろう。
  見方を変えると、グローバルモデルとして開発されたコンパクトカーがボディを大きくしていく一方、軽自動車はサイズが限られていることで、とくに古い街並みの細い道や狭い駐車スペースにおいて使いやすさをキープしていることが支持されているという見方もできる。
  とはいえ、軽自動車の規格というのは長らく変わっていない。全長4.3m・全幅1.48m・全高2.0mという現在の軽自動車規格に変わったのは1998年秋のことである。つまり、四半世紀も規格は見直されていないのだ。
  さらにいえば、軽自動車のエンジン排気量が660ccとなったのは1990年1月のことである。元号でいうと平成2年とかなり昔の話である。もっとさかのぼると、軽自動車のエンジンが最高出力64馬力と自主規制されるきっかけとなった初代アルトワークスが生まれたのは1987年、昭和62年のことだ。
  軽自動車の排気量が550ccだった昭和の時代から最高出力が変わっていないというのは、あまりにも進化をしていないという風に感じるかもしれない。
  では、エンジン排気量が660ccで、最高出力が64馬力(47kW)に自主規制されている軽自動車のパワートレインは、何十年も進化していないのかといえば、まったくそんなことはない。
  平成初期と現在の軽自動車を同じコンディションで乗り比べることは難しいが、筆者の記憶でいえば完全に別物となっている。NAエンジンであっても現在の軽自動車は圧倒的に余裕があり、静かで快適で、なおかつリニアにパワーを味わうことができる。
  その理由としては、エンジンメカニズムの進化が挙げられる。具体的には、燃料噴射制御・可変バルブタイミング機構・ダイレクトイグニッションといった要素が主なところだ。
  平成初期ではキャブレター仕様も珍しくなかった燃料噴射システムは、いまではインジェクションのコンピュータ制御が当たり前になっている。制御プログラムについても25年前とは比べものにならないほど緻密だ。
  さらに、スパークプラグの点火制御についても、かつては機械式のデスビに頼っていたが、現在ではコンピュータ制御のダイレクトイグニッションとなっている。これにより、点火時期の絶妙なコントロールが可能となったのは大きい。
  また、カムシャフトを動かすことでバルブタイミングを調整する機構も、ほとんどの軽自動車に備わっている。これも燃焼の最適化につながるものだ。
ミッションもすごかった!
  このように、エンジンの進化も大きいが、さらに燃費と快適性の向上に貢献しているといえるのがトランスミッションだ。
  平成初期の軽自動車においてはATの主流は3速タイプで、エンジンを高回転まで引っ張ってシフトアップするという制御になっているクルマも多かった。
  しかし、ご存じのように現在の軽自動車においてはCVTが主流となっている。無段変速による滑らかな加速、巡行時にはエンジンを低回転とすることでノイズを抑え、燃費改善にもつなげている。
  CVTの乗り味やフィーリングについては賛否あるが、こと軽自動車のトランスミッションとしては非常に優秀で、軽自動車のパワートレインを洗練させたキーデバイスになったといえるだろう。
  スズキや日産/三菱が広く採用しているマイルドハイブリッドも燃費改善に効いている。ちょっとしたモーターアシストであっても、660ccと限られた排気量のエンジンにとっては非常に有効で、電動化によって軽自動車の走りが進化した点も見逃せない。
  今後の軽自動車は、フル電動パワートレインのEVが増えていくと予想される。そうなると、ますますスムースで静かな走りを味わえるようになるはずだ。軽自動車という規格は大きく変わらなくとも、クルマとしてのレベルアップは確実に果たしていくことが期待できる。

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