812スーパーファストはひょっとすると最後のV12フェラーリになる!? 後継車は「2024年」に発表予定!

2024.01.02 17:20
この記事をまとめると
■フェラーリ812スーパーファストはF12ベルリネッタの後継車として2017年に発表された
■800馬力の6.5リッターV12エンジンとボディ上面にエアロデバイスを持たないスタイリングが特徴
■812スーパーファストの後継モデルは2024年の初夏に発表されると噂されている
フェラーリ伝統の12気筒FRベルリネッタ
  フェラーリが、それまでのF12ベルリネッタの後継車として、ここで紹介する「812スーパーファスト」を発表したのは2017年のジュネーブショーでのことだった。ちなみにスーパーファストとは、1960年代にフェラーリが流麗なクーペスタイルの高性能GTに掲げていたサブネームで、そのリバイバルはデビュー時には大きな話題となった。800とはフロントに搭載される6496ccのV型12気筒エンジンが発揮する最高出力を示している。
  812スーパーファストのエンジニアリングで、まず注目しなければならないのは、やはりこのV型12気筒エンジンだろう。それはF12ベルリネッタ用の6262cc仕様のエンジンを6496ccに排気量拡大することに始まり、さらに75%ものパーツを新設計した結果として誕生したもの。
  最高出力は前でも触れたとおり800馬力、最大トルクは718Nmと発表されており、レブリミットも8900rpmとF12ベルリネッタからさらに200rpm高められている。
  吸気マニフォールドの連続可変システムなどは、F1マシンのそれを技術的なベースとするもの。燃料の噴射圧が350バールにまで高められたことも見逃せない。
  リヤに搭載され、重量配分の最適化のためトランスアクスル方式を実現するトランスミッションは7速DCT。シフト時間はF12ベルリネッタからさらに30%も低減され、同時にその耐久性も大幅に向上したとフェラーリは説明している。
この空力時代にボディ上面にエアロデバイスを持たない美しさ
  ダイナミックなライン構成で、美しさと高性能ぶりをその第一印象から感じさせるボディは、もちろんフェラーリのデザインセンターによってスタイリングされたもの。その彫刻的なライン構成には未来的な感覚も強く表れているが、同時に気づくのはボディの上面には過激なデザインのエアロデバイスが存在していないことだろう。
  これはこの812スーパーファストも、フェラーリが長年その研究と開発を続けてきたグランドエフェクトカーの理論を採用し、それによってダウンフォースの多くを得る仕組みであることの表れ。
  812スーパーファストではさらにアンダーボディにボルテックスジェネレーターを採用することでドラッグを低減させたほか、前輪の内側とリヤデフューザー内のフラップをアクティブに制御することで、空力効率をさらに高めることに成功している。
  フェラーリから発表された812スーパーファストのパフォーマンスデータをここで紹介しておこう。まず0-100km/h加速で記録された数字は2.9秒、0-200km/hは7.9秒と、その加速が一切衰えないことを物語る。注目の最高速は340km/hとされるが、これらのデータをもって812スーパーファストがスーパースポーツの第一線に並ぶ性能を有するモデルであると結論づけたとしても、それは間違いであるとはいえないだろう。
  812スーパーファストの走りは、コーナリングにおいてももちろん大いに魅力的だ。それを支えるためのシステム、すなわちシャシーの構成もじつに興味深く、サスペンションは前後ともダブルウイッシュボーンのデザインで、瞬時に最適な減衰力を生み出す磁性流体式ダンパーを装備。
  さらに、488スペチアーレに始まったSSC(サイドスリップ・コントロール)は第5世代へと進化を遂げ、F12ベルリネッタをベースとしたスペシャルモデルF12tdfからの直接的な技術導入ともいえる4WSシステムのPCV(バーチャル・ショート・ホイールベース)、さらにはFPP(フェラーリ・ピーク・パフォーマンス)、FPO(フェラーリ・パワー・オーバーステア)と、812スーパーファストにはカスタマーのドライビングをアシストするさまざまなデバイスが搭載されている。
  ちなみにFPPはコーナリング中にタイヤのグリップが限界に近づいていることを、またFPOはコーナー脱出時にパワーオーバーステアになっていることを、フェラーリのロードモデルとしては初採用となる、電動パワーステアリングの操舵力の変化としてドライバーに伝達するシステムだ。
  フェラーリのシリーズモデルとしてトップの座に君臨し続けた812スーパーファスト。その後継車は2024年の初夏には発表される予定であるという。はたしてフェラーリはV型12気筒自然吸気の伝統を次世代モデルにおいても継承するのか。あるいは新たなエレクトリックのメカニズムを搭載してくるのか。その答えはまもなく判明する。

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