ドライバーはもちろん事業者にも罰則あり! トラックの過積載は「懲役刑」の可能性もある重罪だった

2023.12.12 17:30
この記事をまとめると
■トラックの違反としてよく耳にする「過積載」
■積載重量は道路交通法によって厳しく定められている
■違反した際の罰則について詳しく解説する
過積載の程度によって行政処分が変わる
  トラックの積載重量は車体の大きさと車軸の数、架装されたボディの重量によって決まってくる。小型トラックであれば1tから2t、中型であれば2.5tから6tくらい、大型は6.5tから10tくらいが一般的な積載量だ。しかし、トラック自体の積載能力にはまだ余裕がある。それは毎日のように重量物を運んでも壊れないタフさ、路面のギャップなどによる衝撃にも耐える強度を備えており、規定重量を積み込んでも安全に走るためには強度に余裕が必要だからだ。
  ちなみに日本のトラックはたくさん積み込んで毎日荒れた道を走っても丈夫で壊れない、と海外でも人気だ。中古トラックも輸出され、日本の過積載以上に積み込んでいるシーンも珍しくない。
  それでもやはり過積載は避けるべき重要な要件。道路を傷め、車体も不安定にしてブレーキ性能を低下させるから、非常に危険だ。そのため、道路交通法ではトラックの積載重量について厳しく定めている。
  一方、トラックドライバーに対しては、過積載の程度によって行政処分が変わってくる。大型車の場合、超過分が最大積載量の5割未満までは違反点数が2点で反則金が3万円だが、5割を超えると違反点数は3点となり反則金は4万円となる。
  もしも10割、つまり最大積載量の2倍を超えると違反点数は6点となり累積点数がなくても免停処分を受けることになる。そして反則金ではなく、10万円以下の罰金もしくは6カ月以下の懲役刑に処されるのだ。普通車(中型以下のトラック)では違反点数が1点から3点で、10割を超えても3点までで、反則金は3万5000円となる。大型トラックより罰則は軽減されているが、2度の10割超えで検挙されれば、やはり免停処分となる。
事業者にも罰則がおよぶ
  免停や罰金は、運転に生活がかかっているトラックドライバーにとって、死活問題となるだけに、過積載はリスクの高い荷運びとなるのがわかるだろう。しかも過積載で検挙されるとドライバーだけでなく、トラックの使用者(所有者)である事業者にも罰則がおよぶ。過積載を防止する措置を取らせるとともに、3カ月を超えない範囲で、該当車両の使用停止処分が課せられるのだ。
  この行政処分は、過積載の程度や台数、違反歴によって増減されるが、この命令を無視してトラックを稼働させたことがわかった場合、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金、使用制限の標章を剥がしたり汚したりすれば2万円以下の罰金または科料、過積載を命じたり容認すれば6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金が課せられる。
  さらに、過積載になることがわかっていて荷物を運ばせた場合、荷主や元請けも罰せられることになるのだ。これは無理な条件であることがわかっていながら発注し、運ばせた場合、警察署長から「再発防止命令」が出される。1回目であればそれだけで済むが、再び同様の発注をした場合、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金に課せられる。
  荷主の無理な要求、運搬効率を高めるための過積載は減少傾向にはあるものの、検挙数はそれなりにはある。
  ちなみに軽トラックの積載重量は350kgだが、米農家の繁忙期にはその3倍くらいの収穫物を積み込むこともあり、軽自動車メーカーはそれに耐えるだけの強度を持たせていると聞いたことがある。農家の収穫期に農協周辺で取り締まりをしたとは聞いたことはないから、これはやむを得ない状況として黙認されている可能性が高い。
  農家は収穫期、目一杯農作物を積み込むこともある。写真は沖縄の離島でのシーンだ。さすがに離島ではカンカン(過積載に対する取り締まり)は実施していないので、文字どおり積めるだけ収穫しているのだろう。

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