同じようなのゴムの塊に見えるけどなんでそんなに違う? 同サイズでもタイヤの価格がピンキリなワケ

2023.11.28 13:00
この記事をまとめると
■同じサイズでも価格の高いタイヤと安いタイヤがある
■原材料や構造、使われている素材や研究費などによりタイヤには価格差が生じている
■高いタイヤが必ずしもその人・クルマにとっていいタイヤとなるとは限らない
高いタイヤが必ずしも適しているとは限らない
  地面と接している唯一の部品であり、クルマを構成している部品のなかでもっとも重要と言われることも多いタイヤ。そんなタイヤにはさまざまなブランドや銘柄があり、価格もさまざまな訳だが、見た目に大きな差はない。それだけに価格差にピンと来ない人もいるだろう。高いタイヤと安いタイヤの差はどこにあるのだろうか? その秘密を紹介する。
車種によって求められる性能が異なる
  ひとことに自動車用タイヤと言ってもその目的や目標はさまざまだ。サマータイヤとスタッドレスタイヤでも大きく異なるわけだし、商用車用と乗用車用でも大きく異なる。これだけ見てもわかるように、タイヤに求められる性能というのは、ユーザーが乗っているクルマによって大きく異なってくるわけだ。
  たとえば我々にとって身近でイメージがしやすい乗用車用のサマータイヤに絞ってみても、車重が軽い軽自動車向けタイヤと重たいSUV向けタイヤでは開発目標が異なってくる。スポーツカー向けとミニバン向けでは製品のコンセプトも異なってくる。このように、ターゲットとする車種やユーザー層に求められる性能を実現しようとすると、使用する構造や材料は異なってくる。この構造や材料の差が価格差となる訳だ。
価格を決める要素
  ではタイヤの価格を決める要素はどんなところにあるのだろうか? タイヤの価格は研究開発費、原材料費、製造費、輸送費などさまざまな要素が絡み合って決められる。このなかでもその違いがわかりやすいのが開発費や原材料費、製造費などだろう。直近で話題になったところでいえば、原材料費と製造費だ。
  世界情勢の変化により、天然ゴムや石油化学系の材料が値上がりしたことにより、タイヤの価格も値上がりした。最近は合成ゴムを採用して天然ゴムを使わないタイヤなども登場してきているが、タイヤが求める性能によって使用する材料が異なる。求める性能によってあえて高い材料や技術を使わないことだってある。これが、価格が異なる理由のひとつだ。
  また、タイヤは年々進化している。新技術や新たな原材料を使用すれば開発費用は高くなる。スポーツタイヤであればサーキットでのテスト走行も増えるし、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤは寒冷地や積雪地でのテスト走行が必要だ。このようにして求める性能によって行わなければならない試験や開発内容も異なる。試験や開発内容が異なるとタイヤの価格も異なるのは当然だ。
  また、輸送費という面で言えば、近年は国産メーカーでも一部タイヤは海外で製造する例が増えてきている。このような場合は輸送費もコストとしてかかっているのだ。
価格だけでは最適なタイヤは決められない
高ければいいって訳じゃない
  ここまでタイヤの価格差が生まれる理由を紹介してきたが、どんなクルマにも高いタイヤを履けばいいという訳ではない。序盤に「タイヤに求められる性能は車種やニーズによって異なる」と述べたが、たとえ高いタイヤであっても、自身の求める性能を実現したタイヤでなければ、“良いタイヤ“とは言えないだろう。
  わかりやすい例でいえば、全然サーキット走行をしないユーザーがハイパフォーマンスなスポーツタイヤを装着しても、乗り心地が固くてロードノイズがうるさいと思うだけだろう。また、サイズが合っているからという理由で、セダン向けのタイヤをミニバンに装着するなど、設定車種とは異なるジャンルのクルマに装着しても、その真の性能は発揮できないだろう。
  近年のタイヤは燃費や乗り心地、静粛性やスポーツ性能など、全体的に性能が高まりつつあるが、それぞれの銘柄で追求した性能は全部ではない。自身が乗っている車種と求める性能を実現しているか否かをしっかりとチェックしてタイヤを選ぼう。

あわせて読みたい

第823回:スポーティーなのにラグジュアリー? ダンロップの新作タイヤ「スポーツマックス ラックス」を試す[エディターから一言]
webCG
独自のパターン設計により RV特有のふらつきと偏磨耗を抑制!「ブリヂストン レグノGR-X IIIタイプRV」
CARSMEET WEB
【KEEN】歩くために開発されたソールユニット搭載の 『UNEEK WK 』
PR TIMES Topics
IONIQ 5 NがJAPAN EV OF THE YEAR 2024で優秀賞を受賞
ラブすぽ
ブリヂストンだから、助けられる命がある。災害時に消防隊員の想いに 寄り添うタイヤができるまで。
PR TIMES STORY
記念日入りテディベア『coco365バースデイベア』の限定販売開始
PR TIMES Topics
最近純正装着が増えているアジアンタイヤってどうなの?! 装着後1年経過したリアルなレビュー
CARSMEET WEB
クムホがサマータイヤ「エクスタHS52」に新サイズを追加設定
webCG
パリの老舗手芸ブランド「Maison SAJOU」と初コラボ!SAJOUの世界観が詰まったウエア登場
PR TIMES Topics
「KUMHO ECSTA HS52」の“ハイバランス”を味わう[クルマも道も選ばぬ万能タイヤ 「KUMHO ECSTA HS52」を試す<AD>]
webCG
「新型MINIクーパー」は大谷翔平選手のCMでおなじみの「シンクロウェザー」に履き替え!【吉田由美の新・MINIミニ大作戦】
CARSMEET WEB
夏の特別なクッキーボックスが今年も登場
PR TIMES Topics
大金をかけずに愛車の乗り心地をグッと良くする部品はこれ…新車購入後に愛車の性能を高める最も確実な方法
PRESIDENT Online
住友ゴムが新経営戦略を発表 ダンロップブランドの強化とタイヤのプレミアム化を推進
webCG
OFFICE DE YASAI新商品「1/3日分の野菜が摂れる 具だくさん豚汁」
PR TIMES Topics
高性能タイヤ「ピレリPゼロ」が第5世代に進化 電気自動車向け技術を採用
webCG
外したスタッドレスタイヤの保管は平積み?縦置き?どちらがよいの?
FORZA STYLE
三菱アウトランダーPエグゼクティブパッケージ(4WD)【試乗記】
webCG
ハイパフォーマンスブレーキパーツブランド WinmaXレーシングキャリパーシリーズにスイフトスポーツ(ZC33S)用SP4SSを追加・発売開始
PR TIMES