中・韓メーカー「BYDとヒョンデ」は成功してる? 現在の状況を調べたら「ヒョンデはこれから」「BYDはかなり驚異」だった

2023.10.30 17:30
この記事をまとめると
■中国メーカーのBYDと韓国メーカーのヒョンデの日本市場での動向を探った
■それぞれ現在展開する車種は少ない
■BYDのアット3は日本車の驚異となる売れ行きだといえる
日本の電気自動車の市場規模から考えるとBYDは売れている
  今、輸入車で注目されている新興ブランドは、中国のBYDと韓国のヒョンデだ。BYDは1995年にバッテリーメーカーとして創業され、自動車の製造は2000年以降に開始した。手掛けるのは電気自動車だ。
  ヒョンデはかつて日本で乗用車の販売を行った時期もあるが、ピークの2000年代前半で、1カ月平均登録台数は200台程度に留まった。そのために2010年以降は、事実上撤退していたが、再び取り扱いを開始した。以前のヒョンデはエンジン車を輸入したが、現在販売されているのは電気自動車のアイオニック5とコナ、燃料電池車のネクソだ。
  BYDは、前述のとおり電気自動車のアット3とドルフィンを扱う。アット3は2023年1月に発売され、コンパクトSUVのドルフィンは9月に投入された。果たしてこれらの新興車種は、どの程度販売されているのか。
  BYDの直近の登録台数を見ると、2023年7月が78台、8月は89台、9月は189台に増えた。ほかの輸入車ブランドに比べると、アルファロメオなどと同程度で、ジャガーやシボレーよりは多い。ドルフィンの発売は2023年9月だから、上記の3カ月間は、大半がアット3の登録台数で占められる。
  ちなみに国産の電気自動車は、リーフの1カ月平均登録台数が400台前後で、ソルテラは50台程度、bZ4Xはリース専用車で40台くらいだ。日本で電気自動車が苦戦する状況を考えると、従来型からの乗り替え需要がないにもかかわらず、BYDの売れ行きはおおむね堅調といえる。9月に登録台数が189台に急増するあたり、販売状況に偏りは見られるが、日本の電気自動車市場は前述の通り小規模だから、足場を築くチャンスでもある。
ヒョンデはフリート販売に力を入れていく
  どのような人達がBYDアット3を買っているのか、販売店に尋ねると以下のように返答された。「アット3の在庫は十分に用意され、約1カ月で納車できる。好みに合った仕様がなくても、納期は長くて3カ月程度だ。お客様は年齢層を含めて幅が広く、下取り車も電気自動車のリーフからフォルクスワーゲンゴルフまでさまざまだ。以前の電気自動車は、一戸建てのお客様が圧倒的に多かったが、アット3ではマンションに住んで公共施設などの急速充電器を使うケースもある。価格の安さが決め手になっている」。
  BYDアット3は、全長が4455mm、全幅は1875mmのミドルサイズハッチバックで、駆動用リチウムイオン電池の総電力量は58.56kWhだ。1回の充電により、WLTCモードで470kmを走行できる。価格は440万円だが、申請を行うと経済産業省による85万円の補助金が交付される。この金額を差し引いた実質価格は355万円だ。
  ちなみにリーフは、ボディサイズがアット3に近い。60kWhのリチウムイオン電池を搭載するe+Xの価格は525万3600円で、補助金交付額の85万円を差し引くと約440万円になる。つまりアット3は、リーフe+Xよりも実質的に約85万円安く、装備は逆に充実する。この買い得度の強さがアット3の決め手だ。
  一方、ヒョンデの登録台数は、2023年7月が15台、8月が20台、9月が36台とされる。今の登録台数は少ないが、販売店では「エニカのカーシェアやレンタカーを含めて、販売に力を入れる」と言う。
  アイオニック5の標準仕様は、58kWhのリチウムイオン電池を搭載して、WLTCモードにより498kmを走行できる。価格は479万円で、経済産業省による補助金交付額は65万円だ。補助金を差し引いた実質価格は414万円になる。これもリーフに比べて安いが、BYDアット3の実質価格が355万円に収まるのは、やはり説得力が強い。

あわせて読みたい

BYDの“軽”が日本に上陸 エコカー補助金の陰に潜む“監視リスク”
ITmedia ビジネスオンライン
BYDのフル電動SUV「シーライオン7」の事前予約注文受け付けがスタート
webCG
【数量限定】アウトドアシーンで活躍する合成香料フリーのオーガニックボディスプレー発売
PR TIMES Topics
アウディQ4スポーツバック45 e-tron Sライン(RWD)【試乗記】
webCG
自動車評論家の渡辺慎太郎が試乗した5台の注目輸入車とは? 後ろからグイグイと押してくる“FR万歳” みたいな感触が潔い! 
ENGINE Web
レモンピールとバターの香り豊かな「ウィークエンドシトロン」販売開始
PR TIMES Topics
アジア圏メーカーの勢いがすごい! 中国のBYDと韓国のヒョンデおすすめEV5選
GetNavi web
第62回:いい加減、ワタシたちはBYDやヒョンデと向き合うべきじゃないのか!?(後編)[カーデザイン曼荼羅]
webCG
オリジナルメッシュパッケージでそのまま洗える新感覚のパックウェア登場
PR TIMES Topics
「これぞ神コスパEV」おしゃれ便利で300万円以下ってマジ?韓国から来た“ヒョンデ インスター”がちと安すぎる!『小沢コージの遊べるクルマ』
MonoMaxWEB
中国BYDがホンダの世界販売台数を上回る…中国勢大躍進の裏でEV強化を図るホンダの勝算と懸念
集英社オンライン
まるで花束みたい!「母の日限定オリジナルバウムクーヘン」
PR TIMES Topics
第61回:いい加減、ワタシたちはBYDやヒョンデと向き合うべきじゃないのか!?(前編)[カーデザイン曼荼羅]
webCG
BYDが新型電気自動車「シーライオン7」の販売を開始 価格は495万円~572万円
webCG
BYDシーライオン7(RWD)/シーライオン7 AWD(4WD)【試乗記】
webCG
韓国ヒョンデのEV「インスター」に試乗して感じた日産「サクラ」、三菱「eKクロスEV」、BYD「ドルフィン」との違い
ダイヤモンド・オンライン
BYDが「ドルフィン」と「ATTO 3」を値下げ 300万円を切るエントリーモデルも設定
webCG
話題のクルマを品定め!で、実際どうなのか?〈BYD〉シーライオン7
Safari Online