日本語の「話す力」を測るテストで外国人材の活躍をサポートする「PROGOS® Japanese」開発ストーリー。国際的な語学力指標・CEFRをベースに、東京外大との共同研究による品質管理の仕組みを採用

2023.10.30 14:29
バベルメソッド株式会社は、国際的な語学力の指標CEFR (Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment) をベースにした日本語教育プログラムを展開しています。
CEFRでは、文法や語彙などの知識の量よりも 「外国語を使って、何がどのくらいできるか」 が重視されます。そのような行動中心の言語学習観においては、


 「何がどのくらいできるのか」という現時点でのレベルを知ること
 「何がどのくらいできるようになりたいのか」という目標を立てること


が重要です。そこでバベルメソッド社では、CEFRに準拠したオンライン日本語スピーキングテスト「PROGOS® Japanese」を運営し、より効果的な日本語学習をサポートしています(テストの開発は株式会社レアジョブ)。


今回は、テストの開発を決めた株式会社レアジョブの代表取締役副社長・安永成志氏と、株式会社レアジョブの執行役員で当社取締役・深井朋子が、開発に至った想いやサービスリリース後の反響などを振り返ります。
日本語の壁を越えて外国人材に活躍してもらいたい
企業の人手不足が加速する日本では、外国人材の育成が急がれています。厚生労働省の「外国人雇用状況」によると、2022年10月末時点で日本で働いている外国人は前年比5.5%増の182万2725人で過去最高となりました。10年前の2012年と比べると約2.7倍になっています。日本に住む外国人も増えていることから、2019年には、日本に住む外国人が社会生活を円滑に営むことができる環境整備を目的のひとつとして、「日本語教育の推進に関する法律」が施行されました。また文化庁は、外国人が適切な日本語教育を受けられるようにするため、「日本語教育の参照枠」を取りまとめています。これは前述のCEFRをベースにつくられた指標です。文法や語彙といった言語知識より、日本語を使って何ができるかを重視した日本語教育のあり方がかかれています。


しかし、日本語を原因としたコミュニケーションの壁は、日本のビジネス現場に依然として立ちはだかっています。就転職では筆記試験のレベルで日本語力を判断することがほとんどで、入社後に「日本語レベルの高い人材をとったはずなのに話せない」というミスマッチが起きています。また、専門性が高くても日本語が話せない人材だと、管理職に昇進できない、顧客とのやりとりを任せられないといった問題もあります。


レアジョブグループは「Chances for everyone, everywhere.」をビジョンとして掲げ、世界中の人々が国境や言語の壁を越えて活躍できる社会を創造するために、レアジョブ英会話というオンライン英会話サービスの提供をしてきました。そのなかには、「英語を話せる」という抽象的な能力表現をCEFRの基準に置き換えて能力を可視化する「PROGOS®」という英語スピーキングテストもあります。このテストによって、さまざまなシチュエーションで求められる英会話力に明確な基準を定めることができ、英会話習得の学習効率を高めることにつながっています。


英語のスピーキングテストと同様に、日本語のスピーキングテストをつくったら、日本でチャンスを求める外国人と、優秀な外国人材を求める企業や団体とのマッチングを叶える基盤になるのではないか――。そんな想いから日本語スピーキングテスト「PROGOS® Japanese」の開発はスタートしました。


「意識したことは『スピード』です。これは単純に開発のスピードを上げるという意味ではありません。意思決定のポイントを細かく頻繁に設け、プロジェクト全体の進行が無駄なくリズム感を持って進むことを意識しました。初めてのリリースから完全な状態をイメージするのは困難ですし、実際に使っていただくことで得られる反響を基に進化させるべきと考えているので、いち早くリリースすることが開発時の重要なポイントでした」(安永)
「PROGOS® Japanese」の概要
・言語運用力の“国際指標”CEFRに準拠
・東京外国語大学との共同研究により開発
・オンラインでいつでもどこでも受験可能。テスト時間は約20分
・口頭での自由回答形式で、どのくらい話せるかを直接測定
・単なる結果表示だけでなく学習へのフィードバックを重視
東京外国語大学初の産学連携による共同研究事例に
テストのシステムは英語版PROGOSのものをベースとし、テストの問題開発にも英語版をつくったときの知見を生かすことができましたが、問題や評価方法をそのまま翻訳すれば日本語のテストができあがるわけではありません。日本語の言語特性に合わせた調整や、仕上がったテストがCEFRに合致しているかという確認が必要です。この品質管理にかかわる専門的な知見については、CEFR-Jの第一人者である東京外国語大学で投野由紀夫教授にご相談しました。


同大学は「CEFR-J x28 project」として、28の専攻言語についてその達成度を可視化し、学生各自の言語能力の向上に資することを目標とした、新しい外国語学習・教育環境の創造と、グローバル化および複言語・複文化社会への対応を進めています。CEFR-Jを研究の場だけではなく、社会という実践の場へ広めていきたいとお考えの林佳世子学長は、「PROGOS® Japanese」の意義や展望に強くご賛同くださり、同大学で初めての産学連携による共同研究の事例となりました。
テストが変わると学習が変わる。学習が変わると生活が変わる
2022年夏に「PROGOS® Japanese」はささやかなスタートを切りました。開発は株式会社レアジョブが行いましたが、品質管理と運営は、日本語教育事業を営む関連会社のバベルメソッド社が行うことになりました。英語版「PROGOS」の開発と運用にも携わった当社取締役の深井は、英語教育業界では感じなかった、日本語教育業界にある壁に気付いたと言います。


「日本語教育事業を推進していくうえでもっとも大きな課題は、サービスを必要とする当事者と費用を負担する人が異なることが多いということです。英語の試験であれば受験者が受験料を支払うことが多いのですが、日本語の試験では、多くの場合、雇用主が受験料を払います。学習者本人は、日本で就労するためにコミュニケーション能力が必要だと考えていたとしても、企業や教育機関は従来の方法や習熟度基準に縛られているためアセスメントを変えることができない。それでテストが必要な人に届きにくいという課題を強く感じました」(深井)


しかし、地道に日本語教育機関や関連団体、外国人材を雇用する企業などに紹介していくなかで、外国人のコミュニケーション能力に本質的な課題を認識している人たちから「こんなテストを待っていた」という強いニーズやご要望をいただくようになりました。実際に導入した企業や機関からは、「受験した人の日本語学習に対するモチベーションが変わった」「日本語を話す力が明確になり、人事評価に反映しやすくなった」といった声をいただいています。
外国人材を雇用する企業や教育機関と連携し、共生社会を実現する一助に
「PROGOS® Japanese」はこれからも、外国人材の活躍を応援している企業や団体、教育機関と協業していくことで、必要な人に直接届くテストを目指していきます。


「『話す力』を直接的に測るこのテストで一定のレベルに達すれば、日本での生活が楽になる、という考え方が常識になると、外国人材の学習が変わり、実生活で役に立つ日本語力が身に付けられるようになるはず。共生社会を実現する一助となるよう、このテストを多くの人に届けていきたいと考えています」(深井)

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