素晴らしい海や自然に囲まれた、長崎県・五島列島。株式会社AKO internationalは、そんな五島列島・福江島 大浜で古民家を再生させ「自然体験と英会話の学び」ができるグローバルゲストハウス「AKO HOUSE(アコウハウス)」を通じ地域のコミュニティを盛り上げようとしています。
代表のアーロン・ニコラス・サットンは、伐採寸前だった土地の守り木「アコウの大樹」を救うと同時にその敷地内にあった古民家を購入しました。地域も人も元気にするという夢を実現するべく、現在、6月の開業に向けクラウドファンディングサイトにてプロジェクトを実施中です。
代表のニコラスから、アコウの大樹との出会いや、人とのつながり、ゲストハウスにかける思いをお話しします。
世界6周の経験も。五島列島の自然や人々に惹かれ、移住を決意
ニコラスはアメリカ、カリフォルニア州の出身で、若いころは「ピースボート」のスタッフとして働き、世界を6周しました。世界中を旅する中で、日本人の妻と出会い、彼女の出身地である長崎県の五島列島・福江島に来て、自然や人々の素晴らしさに感動し移住を決心しました。
大学院まで教育学を学んでいたこともあり、現在は、英会話教師や教育委員会の一員として働きながら、愛する家族とともに頑張っています。移住してきた五島で、不思議な縁に導かれて出会ったのが、家の近所にあるアコウの大樹です。
この木は地域を長い間見守り、シンボル的存在であるにもかかわらず、過疎化で伐採されそうになっていました。
地域のため、そして島のために、この木は守らなければならない。そう感じたニコラスは、敷地の古民家とともに木を買い取りました。そしてアコウの大樹を守り、同時に古民家を再生させて、「自然体験と英会話の学び」ができるゲストハウス「AKO HOUSE(アコウハウス」をつくろうとしています。
樹齢約250年の守り木・アコウの大樹が伐採の危機に
今回のプロジェクトは「アコウの大樹」との運命的な出会いから始まっています。それは、いつかたくさんの人を幸せにする、そんな物語のきっかけでした。
アコウの大樹は、五島の家から歩いて2分、石垣の小道のわきにあります。樹齢は推定250年。巨大で、たくさん伸びた枝の広がりも、枝から地面に伸びる新たな根の姿も壮観。まさに生命の力を感じさせる木です。この地域の守り木でもあり、神秘的なパワースポットでもあると感じます。
2020年12月18日、ニコラスはランチ休憩で、自分の英会話教室から自宅へと歩いて帰っていました。ちょうどアコウの樹を通りかかると、工事をしている音がします。見ると、雄大なアコウの大きな枝を1本ずつ機械で切っていました。
その光景にショックを受け、あわてて解体業者に話を伺うと、土地の持ち主の依頼を受け、アコウの樹を根元から切り倒し、更地にすると言うのです。
居ても立ってもいられず、ニコラスは「どうか、木を切るのを待ってください!!」と言ってしまいました。すぐにアコウの樹の隣に住むおばあさんに声をかけました。おばあさんは「子どもの頃から、みんなで登ったり遊んだりした思い出の木で、その後もずっと毎年やってくる台風からも家を守ってくれているんだ」と話してくれました。この木は、ずっと集落を守ってきた木なのです。
私財を投じ、アコウの大樹と220坪の土地・古民家を買い取った
おばあさんが木の持ち主を知っていたため、連絡を取ることができました。彼は「10年以上五島を離れており、今後五島に戻る予定もありません。家も土地も、そしてアコウの樹も管理できないのです。すでに解体業者と契約をしており、時すでに遅しです」そうおっしゃいました。
それでもあきらめきれず、翌日、解体業者の社長と話をしました。その方はとても優しく、アコウの樹の価値を理解している人でした。彼は「木も含めて家を解体する契約を結んでいますが、もしこの木が守られるのであれば、とりかかった工事の代金だけいただければ大丈夫です。契約の違約金などは一切必要ありません」と話してくれました。
2021年4月8日、こうしてニコラスは、アコウの大樹を含めた220坪の土地と古民家の持ち主になりました。とんでもない衝動買いでしたし、後からお金の心配が湧き上がりましたが、それでも、この木はどうしても守った方がいいと直感したのです。
あの日、あのタイミングで、アコウの樹の道を通らなかったら、この木はもうこの世に存在しませんでした。そう思うと不思議な縁があると感じています。
アコウの大樹がつないだ縁をさらに広げていきたい
ニコラスの衝動買いは人づてに広まり、NHKのニュースや新聞の記事にもなりました。「応援する!」というありがたい声もたくさんもらうようになりました。ならば、アコウの木がつないでくれた縁をきっかけに、島を訪れる人も、島の人も集落も、みんながハッピーになれる「この場所にしかできない施設」をつくりたい、という夢が生まれました。
古民家を修復し、グローバル・ゲストハウス「AKO HOUSE(アコウハウス)」として再生させるという夢です。敷地にあるアコウの大樹も守り、シンボルツリーにして、ひとつの大きな樹の下に、日本中・世界中からの旅行者と、地域の人たちが共に集まれるコミュニティを作っていきたいと考えました。
島の素晴らしい自然に親しみ、同時に英語を使いながら、グローバルな感覚を養っていく。古い伝統の家に最新のトレンドを取り入れた心地いいスペースを創造することで、世代の違い、文化の違いなど、いろんな壁を超えて、旅行者も地元民も、老いも若きも、みんながコミュニケーションを楽しむ場所をつくりたい。
いつのまにか、自然をより愛し、違う文化に興味が湧き、国際的感覚も育まれるインターナショナルな空間に育てていきたいと思っています。それが、なぜか五島という土地に惹かれて移住し、なぜかアコウの大樹と出会い、なぜか「木を切らないで!買うから!」と言ってしまったニコラスが、地元のみなさんと、世界のみなさんに届けられる、いちばんの夢だと信じているからです。
多くの人の力を借り、古民家再生がスタート。6月開業予定
しかし、ずっと教育の分野で生きてきたニコラスには宿泊業の経験がありません。「本当に実現できるだろうか?」と思っていたときに、ホテル業界25年の西浦圭司さんが、意気に感じて、参加してくれることになりました。
西浦圭司さんは世界100ヵ国以上をバックパッカーとして旅し、数多くのゲストハウスに宿泊経験があります。さらに社会人として、高級ホテルを含め、宿泊業での経験を積んできました。その知見を活かしてもらい、だれもが「自然を好きになり、グローバルな感覚を養い、地元の文化にも興味がわいてくる」そんな場所を、ともに作っています。
また、古民家の修繕には膨大な資金がかかります。すべてを業者に任せる資金はないため、できるところまで自分たちで修繕を進めてきました。ニュースや新聞記事になったこともあり、地元の方々も解体作業やゴミの廃棄を手伝ってくれました。延べ100人以上の方々がボランティアで手伝いに来てくれ、作業日程は約2週間。ゴミはなんと軽トラで20台分も出ました。
その後もゲストハウスの建設は着々と進み、2023年6月4日に開業予定です。
五島は素晴らしい海や自然に囲まれています。美味しいものもたくさんあります。そんな環境で、ネイティブな英語を子どもからご高齢の方まで楽しく学べるとしたら、海外に留学しなくても「自然×英語×楽しい」特別な「島留学」ができます。
自然体験は、プロのガイドのもとでSUPやカヤックといったマリンアクティビティを(目の前には透き通る海が広がっています!)。ネイティブの英会話レッスンも、経験を積んだプロが楽しく、おもしろく提供しており、どんな初心者の方も気軽に受けられます。英語に興味がなくても「なんだか楽しそうだから行ってみたい」という方だって大歓迎です。
クラウドファンディングにてプロジェクトを実施中
今回、アコウの大樹を守るために購入した古民家は約220坪と大規模です。また今後島外の子どもたちを対象にしたSummer Englishキャンプなども行えるように、最大15人収容の快適な宿泊施設として再生させるためには、多額の資金が必要となります。
自己資金と金融機関からの借入金、五島市からの補助金によってこの夢を実現させようとしていますが、総額には遠く及びません。ぜひ地域を元気にし、より多くの来訪者の方々に喜んでもらえる場にしたい。その思いから、クラウドファンディングを実施しました。
4月15日よりスタートした本クラウドファンディングは、11日目に目標金額である100万円を達成しました。開始当初からたくさんのご支援をいただき、そのおかげでプロジェクトを決行できますこと、心から嬉しく思っています。
着々と準備が進む中で、引き続き皆様からのご支援を賜りたく、ネクストゴールを設置させていただきました。クラウドファンディング終了日は5月31日です。皆様からの多くのご支援いただけますと幸いです。
アコウの木を救い、同時に「素晴らしい自然体験と、英語学習を一緒にできるグローバル・ゲストハウス」をつくる。そうすることで、地域も人も元気にするという夢を、どうか知っていただき、応援していただけたらうれしいです。
■ゲストハウス概要
名称:AKO HOUSE(アコウハウス)
URL:
開業予定:2023年6月4日
現地にてオープニングセレモニー開催(ご参加希望であればご連絡ください。)
PR担当 西浦圭司 info@gotoakohouse.com
■クラウドファンディング挑戦中
クラウドファンディングサイト:READYFOR
プロジェクト名:五島の伝統的な古民家と樹齢約250年の巨大なアコウの樹を後世に残す
プロジェクトページ: