新型「レンジローバー」の秀逸なデザインと極上の乗り心地

2022.08.29 13:03
フルサイズのラグジュアリーSUVにおいて究極の一台を挙げるとしたら、2021年10月にフルモデルチェンジした6代目「レンジローバー」を候補に推したい。今回はディーゼルエンジンの「オートバイオグラフィーD300」に試乗して、そう感じた理由を紹介しようと思う。
新型レンジローバーには、これまでと同じく「スタンダード」と「ロング」という2種類のホイールベースが用意されている。パワーユニットは4.4リッター・V8ガソリンエンジンと、3.0リッター・直6ディーゼルMHEV(マイルドハイブリット)の他、2種類のガソリン直6 PHEV搭載モデルの受注もはじまっている。
今回の試乗で、新型レンジローバーをひも解く鍵を1つずつ発見できた。まずはエクステリアだ。歴代のレンジローバーはいかにも英国王室御用達の伝統的な高級車という重厚感を特徴とし、デザインの新鮮さで勝負するようなモデルではなかった。その点、新型は伝統なシルエットの中に先進性を加えたスタイリングが注目を集める一台に仕上がっていた。
フロントマスクこそ先代とあまり大きく変わっていないものの、ボディサイドはドアハンドルや窓まわりのゴムすら気配を潜めるフラッシュサーフェイス(車体表面の凹凸をなくす)が徹底されている。一方リアエンドは、上下に開く伝統的なテールゲートは踏襲されているが、赤く光るランプ類全てが黒いレンズユニットの中に隠されるなど、デザインの構成要素を減らすことで未来的な表情を身につけていた。
ワインディングや高速道路での “極上のフラットライド”は、ラグジュアリーSUVの常識を塗り替えると感じた。新型レンジローバーは当然のように電子制御エアサスペンションを装備しており、車高や乗り心地が細かくコントロールされている。さらに、電動スタビライザーや後輪操舵といった、ここ数年でメジャーになりはじめたテクノロジーが脇を固めている。だが重要なのは最新の機構を満載していることではなく、その秀逸なドライブフィールの中に、ハイテク由来の不自然さが全く感じられない点だ。
車重は2600kg近く、全高は1900mm弱ある。にもかかわらずワインディングではキレイにロールが抑え込まれ、ドライビングモードに関わらずしっとりとしていて乗り心地が良く、後輪操舵によって小回りも利く。その上質な走りからはプラットフォームを完全に刷新した効果がはっきりと感じられた。
今回試乗したD300は新型レンジローバーのパワートレーンの中では最もリーズナブルな位置づけとなる。とはいえ、最新のディーゼルMHEVは低回転からトルクフルで、アイドリングストップからの再始動も非常に静かに行われるので全く不満はなかった。
走りの質感はパワートレーンよりもシャシー側の完成度によって決定づけられていると感じた。今回試乗したオートバイオグラフィーD300でも、ラグジュアリーSUVの最高峰らしさは十二分に感じられるということを強調しておきたい。
ランドローバー レンジローバー オートバイオグラフィーD300   車両本体価格: 2031万円(税込)ボディサイズ | 全長 5065 X 全幅 2005 X 全高 1870 mmホイールベース | 2995 mm車両重量 | 2580 kgエンジン | 直列6気筒 ターボ MHEV排気量 | 2993 cc変速機 | 8速 AT最高出力 | 300 ps(221 kW) / 4000 rpm最大トルク | 650 N・m / 1500 - 2500 rpm最高速度 | 218 km/h0-100 km/h | 6.8 秒
Text : Takuo Yoshida

あわせて読みたい

シックな装いの限定車「レンジローバー・スポーツ サテンエディション」が登場
webCG
【海外試乗】BEVも同時にラインナップ。アクティブなライフスタイルにピッタリなスモールクーペSUV「BMW X2/iX2」
CARSMEET WEB
世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」が追い求める「人の可能性」
antenna*
【究極の1台を探せ! ハンドリング編】走り好きの山田弘樹が本音で選ぶ、ワインディングでハンドリングが楽しいマシン!「アルピーヌ・A110R vs BMW・X1 vs マセラティ・グレカーレ vs マツダ・ロードスター」
CARSMEET WEB
パジェロ譲りの四駆性能!! 新型トライトンはランクル超えの乗り心地!? 型破りの走りを実現できたワケ
ベストカーWeb
日本に上陸したこのトロフィーは一体? 歴史あるヨットレース「アメリカズカップ」を知ろう
antenna*
ひと回りコンパクトな「レンジローバーヴェラール ダイナミック HSE D200」
BRUDER
2025年モデルの「レンジローバー・スポーツ」は、ステルスパックが買い!
LEON.JP
新TVCM「アニメとススメ!」篇放送開始
antenna
マセラティの最新SUVが見せた完成度「グレカーレ トロフェオ」 
BRUDER
お洒落な見た目と極上の乗り心地 シトロエン「C5X HYPNOS プラグインハイブリッド」
BRUDER
限界に挑戦し続ける姿勢とサステナブルな価値観。ヨットレース「アメリカズカップ」に世界が熱視線を送る理由
antenna*
【早くも話題】ダークグレイのシックな限定車に大注目!レンジローバー「スポーツ サテンエディション」が登場
MonoMaxWEB
BEVにアドバンテージ BMW「iX1 xDrive30 M Sport」
BRUDER
これがにんじんジュース? 驚きのカゴメ新商品を体験レポート
antenna
メルセデス・ベンツ「E200アバンギャルド」に見るメーカーのプライド
BRUDER
【海外試乗】MHEVやPHEVなど多彩なパワートレインをラインナップ。VWのベストセラーSUVが3代目へと劇的進化!「フォルクスワーゲン・ティグアン」
CARSMEET WEB
爽やかな初夏を彩る「Green」な季節限定商品
PR TIMES Topics
跳ね馬らしさが炸裂する フェラーリ「296GTS」
BRUDER
静粛性と質感が向上 日産「GT-R T-spec」は熟成し尽くしたのか?
BRUDER
グラノーラとテキスタイルフラワー「母の日ギフトセット」
PR TIMES Topics