コンパクトハイトワゴンのカスタムモデル! スズキ・ソリオ バンディットの歴史と魅力に迫る

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2022.09.06 13:00
この記事をまとめると
■スズキ・ソリオ バンディットについて解説
■元々はワゴンRの派生モデルだった
■トールワゴンの使い勝手を考え抜いたモデル
パイオニアといえるソリオのカスタムモデル
  国内新車販売において売れ筋モデルといえば、コンパクトカーを連想する方が多いのではないでしょうか。事実、2022年7月の新車販売台数で1位トヨタ・ヤリス、2位カローラ、3位日産ノートと上位3台をコンパクトカーが占めています。
  その他、6位の日産セレナや8位のステップワゴンらMクラスミニバンは安定して売れていますし、7位のトヨタ・ライズなどのSUV、9位のホンダ・フリードなどSSクラスミニバンも堅調な売れ行きを続けています。
  しかし、近年、売上を伸ばしているのがSSクラスミニバンの下に位置するコンパクトハイトワゴン。フリードやトヨタ・シエンタなどSSクラスミニバンとは違い2列シートの5人乗りですが、コンパクトなボディにもかかわらず高いユーティリティ性能を有していることで高い人気を誇るようになりました。
  7月の新車販売台数ではトヨタ・ルーミーが8133台を売り上げ4位(兄弟車のダイハツ。トールは1282台の38位)、スズキ・ソリオは3264台を販売し15位につけています。
  今回は人気急上昇中のセグメントにおいてパイオニアといえるソリオのカスタムモデル“ソリオバンディット(以下、バンディット)”がどのようなクルマなのかを調べていきます。
ソリオバンディットを徹底解析
ボディサイズ・プラットフォーム
  先代からプラットフォームを刷新し登場した新型バンディット。低燃費化などを図るため軽量化に力を入れ開発したことで、ボディ関連だけでも先代から約3割軽くなっています。
  ボディサイズは全長3710mm、全幅1625mm、全高1745mm、ホイールベース2480mm。ホイールベースを除き、ほぼ先代モデルと同様のボディサイズとなりましたが、これはこのクルマの売りが広い室内空間を備えながらも、コンパクトなサイズとしているからです。
  その魅力を維持するべくボディサイズは変わらないものの、エンジンルームをコンパクト化。フロントオーバーハングを短くしたことで室内空間は大幅に拡大しました。新型の室内長は2415mmとクラスナンバー1の長さを誇ります。
  また室内長だけでなくプラットフォームを刷新したことでフロア高を下げることを実現。全高は20mm低くなりましたが、室内高は15mm増大しました。
  ボディサイズで注目したいのが1625mmに抑えられた全幅。コンパクトカーでも5ナンバーサイズいっぱいまで全幅を広げるモデルが多い中、国内の道路環境に合わせこのサイズにとどめているところもユーザーから支持を集める理由なのでしょう。
ソリオバンディットのデザイン
  ソリオに比べ「迫力」や「押し出し」のあるフロントマスクを採用した新型バンディット。ボンネットや前後バンパー、フロントフェンダーなどが専用デザインとなっています。
  ソリオ同様、先代より存在感を増すことをテーマにしたエクステリアデザインは“らしさ”を追求したもの。ショート&トール感を強調し、伸びやかなフォルムを身につけています。
  インテリアもバンディッド専用のデザインを採用しています。ソリオに対し、メーターやシート表皮、またセンターパネルやステアリング加飾のカラーも異なります。
ソリオバンディットのパワーユニット
  新型バンディットに搭載されるパワーユニットはズズキ自慢のマイルドハイブリッド1種類。マイルドハイブリッドとは、モーター機能付き発電機“ISG”が減速エネルギーを利用して発電。その電力をバッテリーに充電しモーターでエンジンをアシストするほか電装系へ供給するものです。
  加速時に最長30秒ほど最大出力3.1馬力のモーターアシストが働くことで、エンジンの出力をおさえ省燃費化が図られます。ただし、モーターのみでの走行はできません。
  省燃費化を実現するためマイルドハイブリッドとともに、アイドリングストップ機構や、アイドリングストップ中に冷たい風をキープする“エコクール”も採用。これはエアコンのエバポレーターに蓄冷剤を挟み冷気を溜めるシステムです。
  それらの機構やマイルドハイブリッドを採用したことでWLTCモード燃費は19.6km/Lを実現しました。
ソリオバンディットのユーティリティ
「小さいボディながら広々室内」が自慢のバンディット。先程お伝えしたように、室内空間は先代と比べさらに拡大しました。
  空間が拡大しただけでなく、運転席リフト調整量やステアリングチルト調整量が拡大したことやスライドドア開口部が60mm拡大したことなど使い勝手も向上。
  リヤシートはリクライニング角を拡大。荷室側から前後スライド操作を可能とするなど利便性が高められました。
  ラゲッジルームも長さが25mm、高さが40mm拡大したほか、開口地上高を25mm下げたことで荷物の積み下ろしがしやすくなっています。
※写真はソリオのラゲッジルーム
ソリオバンディットの先進装備
  バンディットにはスズキの予防安全技術「スズキ・セーフティ・サポート」を装備。
  衝突被害軽減ブレーキをはじめ、誤発進抑制機能、後方誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、標識認識機能、アダプティブクルーズコントロール、先行者発進お知らせ機能、ハイビームアシスト、全方位モニター用カメラ、ヘッドアップディスプレイとスズキ・セーフティ・サポートの全機能が備わっています。
  アダプティブクルーズコントロールは全車速追従機能付なので、運転操作の負担が軽減されるためとくに嬉しい装備といえます。
ソリオとソリオバンディットの違い
  ソリオのカスタムモデルであるバンディット。標準モデルとなるソリオとはどこが違っているのでしょうか。まず、先程お伝えしたようにフロントマスクをはじめとするエクステリアやインテリアが異なるポイントです。
  フロントヘッドライトがLEDとなるのも違っており、ソリオはハロゲンヘッドランプやディスチャージヘッドランプが装着されています。ボディカラーのうち、ミッドナイトバイオレットパールとプレミアムシルバーが専用色。
  またバンディッドにはルーフがブラック塗装となる2トーンボディカラーが設定されているのもソリオとの違いです。
  一方、ソリオにはバンディットには用意されない1.2リッター直4エンジン搭載車を設定。マイルドハイブリッドとともにラインナップされています。
ルーツは初代ワゴンRワイド!
ソリオバンディットの歩み
  バンディットやソリオのルーツを遡ると、軽自動車界のハイトワゴンブームを巻き起こした初代ワゴンRをベースにボディシェルを拡大し普通乗用車に仕立てた“ワゴンRワイド”がそれにあたります。
  1997年にデビューしたワゴンRワイドは、ワゴンRと比べホイールベースこそ同じ2335mmでしたが全長を105mm、全幅を180mm拡大。パワーユニットはK10A型1リッター直4エンジンを搭載していました。
  NA仕様とともに最高出力100馬力(ネット)を発揮するインタークーラー付きターボエンジン搭載車も用意されています。
  新型車として開発されたワゴンRワイドですが、ワゴンRと部品の共通化を図り。投資や開発工数を極力抑えたこと、またボディを拡幅したことで海外市場での販売がしやすくなったことなどスズキに新たな自動車開発技術をもたらした1台となりました。
  国内外で好評を博したワゴンRワイドは1999年に次世代モデルとなる“ワゴンR+(プラス)”にバトンを渡します。
  ワゴンR+はワゴンRをベースとするところは同じですが、当初からグローバルモデルを目指し開発。エンジンはK10A型を引き続き搭載しますがDOHC16バルブ化しVVT機構が採用されました。
  ボディサイズは全長3510mm、全幅1620mm、全高1660〜1670mm。ワゴンRワイドと比べ全長、全幅とも拡大されましたが見た目はショート&ワイドな印象を与えるフォルムです。
  このモデルではとくにユーティリティ性能に力が入れられ後席の収納方法を工夫し、広くフラットなラゲッジ空間を実現するなど使い勝手の良さを追求していました。
  ワゴンR+は2000年に行われたマイナーチェンジで車名を変更。“ワゴンRソリオ”となりました。
  車名の変更とともにM13A型1.3リッター直4エンジン搭載車を設定。VVT機構を備えたこのエンジンは1リッターエンジンと比べゆとりがある走行性能を実現。回転域を問わず扱いやすいエンジンとの評価を得ています。
  また1.3リッターエンジン搭載車はフロントマスクも大型とし4灯式ヘッドランプを備えるなどおとなしい見た目から一新。エアロパーツを備え車高を下げスポーティーな仕様に仕立てられました。
  その後、2005年に行われたマイナーチェンジで車名を“ソリオ”に再度変更。1.3リッターエンジン搭載車に新たなフロントマスクを装備する新グレードを設定しています。
  現行型の直系となるのが2011年に登場したソリオ。ワゴンRの拡大版だった先代モデルとは違い、スイフトのコンポーネンツを使用。全長3710mm、全幅1620mm、全高1765mmのハイトワゴンに仕立てました。
  また従来、ワゴンRと同様にヒンジ式だったリヤドアを両側スライドドアへ変更。2130mmの室内長や1345mmの室内高を誇るなど抜群のユーティリティ性能を誇ります。
  そしてこのモデルに本テーマの肝となる“ソリオバンディット”が2012年に設定されました。
  LEDポジションランプを内蔵したヘッドランプやピアノブラック塗装を施し存在感を増したフロントグリルなど、ソリオとは異なる専用のデザインを採用。インテリアもストライプ柄のシート表皮やブラック基調のインパネなど専用パーツを配しています。
  搭載されるパワーユニットはK12B型1.2リッター直4エンジン。コンポーネンツを譲り受けたスイフトと同じエンジンではありますが、吸気経路の変更やヘッドカバーなどを樹脂化し軽量化を図るなど燃費性能を高める工夫が施されました。
  このソリオはMクラスミニバンまで必要ないと考えるファミリー層などに受け高い人気を博しました。スズキも「軽自動車」「コンパクトカー(スイフト)」とともに販売における“第三の矢”として重要視。現行モデルの開発に大きな力を注ぐきっかけとなるモデルでした。
ソリオバンディットのライバル車比較
  バンディット最大のライバルはトヨタ・ルーミー&ダイハツ・トールの兄弟車です。
  クルマのコンセプトやボディサイズがバンディットと近い両車ですが、室内空間はバンディッドが勝り、パワーユニットにマイルドハイブリッドを備えているところも有利な点といえるでしょう。
  一方、ルーミー&トールの利点といえば高速道路でのロングドライブ時などにゆとりある走行を可能とするターボエンジンをラインナップしていること。最高出力98馬力を発揮する1リッター直3エンジンはWLTCモード燃費16.8km/L(NAは18.4km/L)とバンディッドのマイルドハイブリッドほどではないですが、高い燃費性能を備えました。
  バンディットとルーミー&トールの大きな違いがラゲッジルーム。5名乗車時でも十分な積載量を誇るバンディッドのラゲッジルームに比べ、ルーミー&トールは奥行きが狭いためある程度の荷物を乗せるためにはリヤシートを前方にスライドする必要があります。ただ、そのスライド量がルーミー&トールがバンディットより長く取られています。
  ユーティリティ性能を重視するなら、バンディットがルーミー&トールを選択するより高い満足度を得ることになるでしょう。
ソリオバンディットのグレード
  バンディットのグレードは「ハイブリッド MV」の1種類が用意されています。
  車両価格はFFが200万6400円、4WDが213万1800円。ともにパワーユニットはマイルドハイブリッドが搭載されます。
  一方、ソリオにはガソリン搭載車の「G」(FF:158万1800円、4WD:170万7200円)。
  マイルドハイブリッド搭載車には「ハイブリッド MX」(FF:185万200円、4WD:197万5600円)と最上級グレード「ハイブリッド MZ」(FF:202万2900円、4WD:214万8300円)がラインナップ。
  バンディットに比べ、ユーザーの使用状況に合わせ選択が可能となっています。
まとめ
  ファミリー層を中心に高い人気を集めるコンパクトクラスのトールワゴン。その元祖とも言えるソリオに設定されたバンディットは、精悍な見た目と高いユーティリティ性能を誇るモデルです。
  広い室内空間を有するクルマが欲しいけど3列シートのミニバンはいらないユーザーは我々が想像するより多く、そういう方にとって大きな魅力を備えるクルマでした。
  今後、ライバルが増えていく可能性も十分ありますが、このクラスのパイオニアであるソリオとバンディットはこれからも高い人気を保持していくのではないでしょうか。

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