ステップワゴンの真価は静粛性にアリ! ミニバンの弱点「こもり音」を大幅低減した「これでもか!」の対策とは

2022.06.09 17:20
この記事をまとめると
■ボックス型ミニバンの弱点のひとつに、こもり音の発生のしやすさが挙げられる
■しかし新型ステップワゴンは驚くほど静粛性を高めている
■新型ステップワゴンのこもり音対策について解説する
ホンダ車の多くにウェイトが採用されている
  ボックス型ミニバンのウィークポイントのひとつが、箱型ボディゆえ、路面などの影響で起こりうる車内にこもり音の発生だ。2022年1月に発売された新型ノア&ヴォクシーは、1列目席と3列目席がこもり音のピークとなっていて、そのピークの谷間にあたる特等席の2列目席ではほとんど感じられないものの、1-3列目席では、走行状況によってこもり音が気になることもあったりする。
  ところが、2022年5月に発売された新型ステップワゴンは、開発陣が「走り、車内の静かさではライバルに負けない」と豪語するだけあって、遮音、吸音、そして意外や意外に室内の静粛性向上に効果があるボディ剛性のアップなど、徹底した静粛性対策を行っているところも大きな特徴となっている。ボディ剛性に関しては、サイドシル断面の大型化に加え、センターピラー、スライドドアまわりに構造用接着剤を用い、リヤサススプリングの取り付け点剛性を強化することで、全体的な剛性を高め、それが走行中の静かさに寄与しているのである。
  が、車内のこもり音の発生は、ボディ剛性のアップだけでは低減できないのも事実。新型ステップワゴンの開発陣に聞けば、ボディまわりの振動、振幅がこもり音発生の主要因とのこと。そこで、新型ステップワゴンが、こもり音を低減させるためになにを行ったかと言えば、まずは振動、振幅がこもり音の発生源のひとつであるウインドウである。これまた意外かも知れないが、フロント、リヤの大面積のウインドウは、じつは走行中に振動、振幅していて、その振動、振幅が車内のこもり音の発生に直接、影響しているという。ホンダ車の多くの車種の場合、そのフロント&リヤウインドウにウェイト(振動、振幅低減のための重り)を付けているのが通例で、もちろん、この新型ステップワゴンにもウインドウガラスウェイトが装着されている。
ストッパーマウントの数を先代の2点から4点に!
  と、ここまではほかのホンダ車と変わらないこもり音対策なのだが、ここからがすごい。振動、振幅低減に効くフロント&リヤウインドウの取り付け部剛性を高め、さらに先代ステップワゴンより縦に約13cm短く、重量として約14kg軽量化されたバックドアの内側にある黒いゴム状のストッパーマウントを先代の2点から4点に増やすことで、車内のこもり音の原因となるバックドアそのものの振動、振幅を低減。もっと言えば、ボンネットも振動しやすいボディパネルであるわけで、そこが先代よりデザイン的にコンパクトになったことも、結果的にボディの振動、振幅低減に寄与していることになる。というわけで、これでもかっ!! と、こもり音対策を施しているのが、車内の静かさ自慢の新型ステップワゴンなのである。
  もちろん、こもり音だけでなく、振動変動量を5dB(約1.78倍)低減させたエンジンそのものの振動低減や、ロードノイズの車内への侵入の遮断に関してもハイレベルなのが新型ステップワゴンであり、ボックス型ゆえに、車内の静粛性、こもり音に不利なミニバンとして、これまでのMクラスボックス型ミニバンとは一線を画す車内の静かさが、あらゆるシーンで発揮されることになる。先代ステップワゴンの所有車なら、走行中の運転席の静かさは当然として、先代の不満点だった1-3列目席間の会話明瞭度が飛躍的に向上していることを理解できるに違いない。
  そんな、ボックス型ミニバンらしからぬ静かさも大きな魅力となる、初代回帰を思わせるエクステリアデザイン、進化したシートアレンジ性、3列目席の居住性向上、そしてついに電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能を備え、ACC(アダプティブクルーズコントロール)の渋滞追従機能まで手に入れた6代目新型ステップワゴンのe:HEV、ガソリン車の公道試乗記、静かさがミニバンにもたらす価値については、改めてこのWEB CARTOPで報告させていただきたい。

あわせて読みたい

ホンダの大黒柱「フリード」の新型が成功するには!? ライバルのシエンタにはない武器ってなによ??
ベストカーWeb
2023年最も売れたミニバンはノア!! 圧倒的支持を得た理由
ベストカーWeb
新TVCM「アニメとススメ!」篇放送開始
antenna
攻めすぎデザインがカッコよすぎ!! 結局日本に来るのか!? 新型C-HR乗って分かった衝撃の実力
ベストカーWeb
ポルシェ新型パナメーラ海外試乗記|未体験の乗り味を実現した、驚きのサスペンション
octane.jp
日本に上陸したこのトロフィーは一体? 歴史あるヨットレース「アメリカズカップ」を知ろう
antenna*
デカすぎ……レクサスLMは48インチのディスプレイ採用!! もう「高級車=セダン」は時代遅れ? 高額なミニバンやSUVが登場するワケ
ベストカーWeb
次期型もバカ売れ必至? 今やホンダ唯一の希望の星「新型フリード」への元ホンダ社員の期待&心配とは?
ベストカーWeb
“運動×栄養×睡眠で子どもの可能性を最大限に引き出す”がコンセプトのアイテムをリリース!
PR TIMES Topics
家のドアは全閉か全開だけど……クルマのドアに「半ドア」があるのはナゼ? じつは安全のために必要な機構だった!
WEB CARTOP
アジアを代表する高級車となったミニバンの王者「ヴェルファイア」を深掘り【クルマの神は細部に宿る】
GetNavi web
dアニメストアが新テレビCMを公開!
antenna
レクサス版ヤリクロ……とか言ってると恥かくぜ! LBXの思わず「へぇ〜」なトリビア
WEB CARTOP
新型フリードはシエンタよりも安く!? 最新ハイブリッド搭載で動力性能と燃費向上!! 2024年夏に登場なるか
ベストカーWeb
"木育"で自然の素朴さと温かさを感じ創造力が鍛えられる2in1木製三輪車 発売
PR TIMES Topics
【話題の11代目ホンダ アコード】最先端の安全技術や先進装備を結集した高級サルーンの実力は?
MonoMaxWEB
第780回:より快適に 気持ちよく! ブリヂストンの自信作「レグノGR-XIII」を試す[エディターから一言]
webCG
トマトジュースという枠を超えて心を豊に満たす、大人のドリンク
PR TIMES Topics
【試乗】レクサスLMのリヤシートの至れり尽くせり感がヤバいぞ! しかも運転して楽しいって「買えさえすれば」死角なし
WEB CARTOP
「いまの軽って普通車以上だよね」なんて声! それでも「軽自動車を買わない」ケースとは
WEB CARTOP
大型連休前 フランス気分を楽しめる「フランス展 2024」伊勢丹新宿店 にて開催
PR TIMES Topics